[レポート] 150年変わらない「学び方」の変革に挑む。atama plusが向き合うプロダクト開発の壁 #pmconf2021 #pmconf

2021.10.26

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2021年10月26日(火)、プロダクトマネジメントに携わる人たちが共に学び、切磋琢磨するイベント『プロダクトマネージャーカンファレンス2021』がオンライン形式で開催されました。

当エントリでは、セッション『150年変わらない「学び方」の変革に挑む。atama plusが向き合うプロダクト開発の壁』の参加(視聴)レポートをお届けします。

 

セッション概要

セッション概要は以下の通りです。

150年変わらない「学び方」の変革に挑む。atama plusが向き合うプロダクト開発の壁

[登壇者]
・林田 智樹氏(atama plus株式会社) / プロダクトオーナー

[セッション概要]
atama plusは、全国2500教室以上の塾教室を通じてAI教材「atama+」を小中高生に届けています。今までにない新しい学び方を歴史ある教育現場で取り入れていただく過程で、私達は様々な課題に取り組んできました。本講演では、atama plusが向き合っているプロダクト開発の課題について事例を交えながらご紹介します。

(※以上、公式サイトより引用)

 

セッションレポート

  • 自己紹介
    • UXデザイナーからProduct Ownerになった
  • atama plus は基礎学力習得時間を半分にし、「社会でいきる力」の習得に使いたい
  • 教育市場は日本は世界3位
  • atama+
    • 一人ひとりにあったカリキュラムを提供
  • 難しい要因
    • BtoBtoC
      • 沢山の関係者(先生、生徒、保護者、塾の経営者…)
    • オフラインで活用されるサービス
    • 顧客(塾)の多様化
    • 教材を提供するプロダクト
      • 塾や予備校の競争力を左右する
      • コスト構造や業務プロセスも変わる
      • やってみないと分からない部分もある
  • プロダクトの優先順位決定における壁
    • 正確に課題を捉えるのが難しくなった
    • 生徒、教室、塾・予備校で分けた
      • 生徒
        • ペルソナを設定 顧客層は多様化してるがこのペルソナに届ける
      • 教室

        • 自律型/個別指導型/集団指導型
          • その中でプロダクトがどう使われてる?
          • 観察/ヒヤリング
      • 塾・予備校
        • どんな経営課題を解くためにプロダクトを導入してるかを理解
    • これらを元にロードマップとOKR立て
    • 戦略の開発体制への反映
  • プロダクトの仕様検討における壁
    • 仕様変更が業務に影響を与える
    • デュアルトラックアジャイル
      • Discover Track
        • 仮設検証
      • Deliver Track
        • ある程度確からしい仮設を開発
    • リリースプランニング

      • 4月や夏休み明けなど新しい取り組みをしやすい時期がある
  • プロダクトの効果測定における壁
    • 何か
      • 沢山の登場人物がいて何が影響してるかわ分からない
      • いろんな要素が絡み合って数値が上下する
    • 取り組み
      • 定性データと組み合わせる - どう使われてるかなど
      • プロダクトの中で把握できない情報を合わせて分析する - 少しずつ
  • まとめ

    • 物事の多面的な把握
    • 一貫した方針・戦略
    • カルチャーが土台になってできている
    • 採用してるよ!

Q&A

Q. 顧客にお願いして声を聞いていたとあるが、どうやって集めたか?
A. 塾側でもデータ化されてないものを素材だけもらって、自社でデータ化したり、泥臭い事をやってる。お客さんにとっても価値があるという話をした。

Q.プロダクト外でどんなデータを取ってるか
A. 定量 成績 / 在籍人数 定性 カスタマーサクセスが多いので、課題感を共有してもらい、Slackチャネルに集める。深堀りはPOで話し合って顧客に場を設けてもらうなどしてる

Q. 人に依存など起こらない?
A. スクラムマスターやエンジニアやデザイナユニットとプロダクトオーナーと最後にチームメンバーと相談する。

Q. 成績向上の指標はある?
A. 今まさに分析中。要素をモニタリングしてる、例えば学習時間、難易度と学力のマッチング。そこから全体像を把握しようとしている。

Q. 成績向上の因子はどう見つける?
A. 教室全体はプロダクトの活用データ。あとは分析チームも行っている。

Q. デュアルトラックアジャイルのディスカバリーからデリバリーの受け渡しどうしてる?
A. 引き渡しじゃなくて、同じチームでディスカバリーもデリバリーもやってる。全体として何に取り組んでるかを常に共有している。なので今は困ってない。

Q. 顧客との関係性の構築はどうしてる?
A. 塾もかなり覚悟して導入してるのでしっかりサポートしてる。塾と同じ方向を向いてるから協力も得やすい。

Q. 何社とやりとりしてるか。
A. 導入してるところにはカスタマーサクセスメンバーが入ってるので、大半の塾とやりとりしてる。

Q. OKRの設定はどうしてる?
A. 試行錯誤してる。現場でのやりとりから始めることが元々のやり方。そこから会社全体としての取り組みを決める方向にシフトしてる。現状は1ヶ月くらい前から次になにを持ってくるかを決める活動をしてる。インプットとしてもっと長期の活動(ロードマップ)も大事だと分かってきたところ。

Q. OKR設定に関わるメンバーは?
A. 会社のやること、プロダクト/ビジネス またがったエリア、チーム のそれぞれOKRがある。ので、それぞれ多様な関係者が関わる。

 

まとめ

塾や予備校のビジネスのコアになる教材を扱ってるということで、顧客のビジネスへの影響力が大きいプロダクトなだけに、現場に寄り添うカスタマーサクセスがより重要で、導入やその後の運用をともにし、同じ方向性を向いて成長しようとしてるから、プロダクトの成長に必要な情報共有してもらえたりする関係性ができるんだと思いました。
また、OKR設定や多くのチームがどうプロダクトと関わるか、ディスカバリーとデリバリーの関係性など、分割と集約を試して今の組織とプロダクトにあった状態を探し続ける活動をしてるのが、成長する組織によく聞くことだし素敵だなと思いました。