[レポート] 政治と規制を「ハック」する pmconf ~プロダクトを社会実装する~ #pmconf2021 #pmconf
2021年10月26日(火)、プロダクトマネジメントに携わる人たちが共に学び、切磋琢磨するイベント『プロダクトマネージャーカンファレンス2021』がオンライン形式で開催されました。
当エントリでは、セッション『政治と規制を「ハック」する pmconf ~プロダクトを社会実装する~』の参加(視聴)レポートをお届けします。
セッション概要
セッション概要は以下の通りです。
政治と規制を「ハック」する pmconf ~プロダクトを社会実装する~
[登壇者]
・馬田 隆明氏(東京大学 FoundX / ディレクター)[セッション概要]
実は成功したスタートアップの多くが政治や規制に関わっています。
AirbnbもUberもTeslaも政治に関わり、ときには規制を変えて、製品をより良いものにしていきました。日本でも金融、交通、医療といった規制領域でのスタートアップが増えてきています。そうした領域では、単に法やルールに則るだけではなく、優れたユーザー体験を生み出すためにルールそのものを変える必要が出てくる場合もあります。
社会や政治は、人や法(コード)、人工物などが織りなす複雑なシステムです。しかしシステムとして捉えることで、ハックする(高度な技術を用いて解析・改造・構築などを行う)ことも可能なはずです。
本セッションでは、規制や政治をハック(=解析)して、社会というシステムをハック(=より良く拡張)するための考え方や共同規制などの具体的な方法論を、昨今話題の「アジャイルガバナンス」と合わせて紹介します。
政治や規制に前向きに関わることで、プロダクトに非連続な変化を生み出し、より良い社会を作りましょう!
(※以上、公式サイトより引用)
セッションレポート
- 規制と政治の重要性
- ユーザー体験を良くする
- 政治と規制に向き合う必要がある
- 例えば、請求処理で銀行がAPIを開放したら体験が良くなりそう
- ルール(規制)を変えて実施し、利害調整など含めて政治が調停する
- 事例
- Uber / Airbnb ロビイング活動や勉強会相談会を行った
- Tesla 国の施策に乗るなど
- マネーフォアード パブリックアフェアーズ
- ループ 電動キックスケーターの規制
- クラウドサイン 電子署名
- テクノロジを社会実装する
- EX蒸気->電気(100年前) 変化に50年位かかった
- 蒸気機関からモーターになって小型化、ロスが少ないので、機械の配置が自由になった
- 機械を作業順に置けるようになった
- 電気を活用するために、工場の仕組みやその周辺の教育なども変えた
- 技術的イノベーションと補完的(社会や制度の仕組み)イノベーションが必要
- EX蒸気->電気(100年前) 変化に50年位かかった
- 社会に対する責任を果たす
- ソフトウエアが大きな影響力をもつように
- 例: MaaS
- 道路運送法、貨物自動車運送事業法‥など規制が沢山(9つも)
- 1950年台タクシーは危険だった - 速度超過が多かったとか -> 何故この規制が生まれたのか理解
- 最近のGAFA対する風当たりが強い
- 大いなる力には大いなる責任が伴う
- 社会をかえるために必要なハックの方法を知る
- どうやって規制や政治を変えるか?
- ハードローとしての規制 法律 (ソフトローとしての規制 自主規制とか は今回扱わない)
- 憲法、法令、政令、省令…などが法律の区分
- コードと法律は似てる
- 法律を変えるには?立法か法改正
- 必要性に応じてUpdateするもの
- 内閣立法/議員立法
- 法律には社会がこうあってほしいとの願い(立法趣旨)がある
- なので、本来の趣旨を理解する
- さらに、理屈を構築する
- そして、実績や証拠を作る
- ルールや規制は後追いになりがちだから
- 規制されてるのにどうやって実績を作る?
- 私道を使う、グレーゾーンを使うなど、規制を知れば色々できることがある
- グレーゾーン解消制度
- 新事業特例制度
- 規制のサンドボックス - 特定の場所、場合などのみ実験可能
- ハードローとしての規制 法律 (ソフトローとしての規制 自主規制とか は今回扱わない)
- ユーザー体験を良くする
- 新しい仕組み
- ガバナンスイノベーション
- FOR innovation /OF innovation/BY innovation
- 規制はルールの作成と運用
- 人が関わらない形になれば、ルールの作り方が変わるかもしれない
- アジャイルガバナンス
- 規制のサンドボックスを使う
- 共同規制
- ソフトローを強めてアジャイルにし、ハードローを緩める
- 民間企業が大きな影響力を持つ
- 世界で2019年56624件の法改正があった
- Governance by Code / Governance as Code (Infrastructure as Codeみたいに)
- ガバナンスイノベーション
- 人
- ステークホルダーをハックする
- 選挙に行く / 様々なツールを使う
- パブリックコメント / ロビイング / PR
- オウンドメディア / 民間白書 / 言葉や概念を作る
- 業界団体・連携 / 議員連盟 / ユーザー会
- IT系企業が業界に対して連携して立ち向かう
- 30年で公が薄くなり、民間企業の影響力が増した
- 自分たちが世界を変えていく
- 規制を変えるにはあるべき社会像を描く必要がある
- 一緒に未来を考えましょう!
- 最後に
- 0 -> 1 -> 10
- リーンスタートアップ的な方法論
- 10 -> 100
- これからはインパクトの提示と社会の巻き込みが必要になるのでは
- 業界の情報発信をしていこう
- 政策を考える人にも届けていく
- オウンドメディアなど
- 官僚や自治体議員と話してみよう
- 勉強会やコミュニティなど
- 議員と話してみよう
- デジタル政策の話をしてみるなど
- パブリックコメントにコメントしてみよう
- 製品の感想をもらうと嬉しいよね
- 今のユーザーを幸せにして大切にする
- あるべき未来を考えよう
- 良い祖先でいられるか?
- 0 -> 1 -> 10
まとめ
このセッションを聞いて、法律と規制という単語から、面倒そう、変えれなそう、難しそう、という印象を持って気持ち的に避けてた事を思い出しました。しかし、より良い未来を作るための活動には、社会に大きな影響を及ぼす法律と規制に働きかけるのが有効なんだと気づきました。じゃあ僕ら一市民に何ができるのかということですが、”最後に”のセクションで語られた事はスマホからでもできることもあり、例えばまずパブリックコメントから社会に影響するための最初のステップを踏み出すことができそうだと感じました。
また、法律には社会がこうあってほしいとの願い(立法趣旨)がある というのが印象的で、今まで考えた事もありませんでした。ただそう考えると、社会のありかたがどんどん変化していく今だから、法律も変化して(させて)いくのも同じようなスピードでやる必要がある時代なんだと思いました。
また、社会を良くするための手段として技術があり、それを実現するには技術だけではなく規制/政治の両方を融合させて行く必要がありそうだと認識しました。