
『イベント開催報告の記録』をまとめる時に気を付けていること、考えていること
しんやです。
私は過去10数年にわたり、イベントレポートを数多く投稿してきました。
参加レポート然り、運営の立場からの開催レポート然り。
途中(2018年)までの総括は下記スライド資料/ブログに要点をまとめています。この資料は個人ブログ執筆時代からクラスメソッドでのDevelopersIOでのブログ執筆も含める形で、『イベントレポート』を書き続けてきたことの振り返りをまとめたものとなっています。
ちなみに 直近(2025年)本数的な情報を振り返り直してみたら累計本数が600本を超えていました。2025年時点での情報を含めた『アップデート版総括』はどこか機会があればまとめておきたいと思っています。
はじめに
このエントリを書こうと思った切っ掛けは主に以下のような点でした。
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イベントレポート(参加・開催共に)を書く、記録を残すという行為自体、やっている人が減ってきたのかな?と思っていた
- 昔...といっても10数年以上前との比較だけど、イベント(ここでは勉強会や各種カンファレンス)に参加した際のブログについて、相対的に割合は減ってきているように思う
- DevelopersIOに於いてもこの傾向は同様。AWS re:Invent等大きなイベントがある時を除いて、皆そこまで頻繁にイベントレポートを投稿している...という訳でもない
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一方で『イベントの開催記録を残しておくこと』『アーカイブとして後日参照できること』の有用性は変わらず高いものがあると感じていること
- コミュニティやイベントの存在を後から知った人に取ってみれば、「そのイベントはどういう内容だったのか」を知ることができるのは嬉しい
- また、コミュニティやイベントの運営側からしても、「過去開催したイベントの内容を参照できる形で再利用できる」点は様々な面で役に立つことが多い
- 紹介の際に「これを御覧ください」の一手で済む
- 同種のイベントを開催する時に参考にできる情報が多々ある
- そして何より過去の開催記録を見た新規ユーザーが後続・関連するイベントに注目してくれる確率が高まる
- この辺りの「記録の有用性」については下記エントリでも言及してますので宜しければ合わせて御覧頂けますと幸いです。
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こういった作業自体、別に難しいものでは無いということ、幾らかでもハードルを下げられると良いなと思ったこと
- 作業量や作業内容を踏まえると「記録するのは手間だ、大変だ」という見方をされることが多い
- ただ、「記録として残しておくこと」によるメリットは「記録として残しておかないことによるデメリット」を補って余りあるものだと思っている
- 記録を取らなかった後に「やっぱ欲しいな」となってももう遅い
- 念の為取っておけば、それを活用するしないの判断は後からでも柔軟に対応できる
- =何らかの形で記録を残しておく方が絶対良い
- 記録を取らなかった後に「やっぱ欲しいな」となってももう遅い
- 「何をどの程度まで記録として残しておく」かにもよるが、ポイントを抑えておけば最低限の労力でも十分効果的効率的に記録を残しておくことは可能(だと思っている)
3つめに書いた「そんなに難しい、大変なものでも無いよ」というのを少しでも平易に伝えることが出来れば...という想いでこのエントリを書いています。
メディア別対応ポイントのまとめ
ここからはアウトプットの種類・メディア別に要点というかポイントと言うか、自分が気を付けている事を挙げておこうと思います。基本的にはどのカテゴリでも同じです。
- (記録として)取れるものはそのタイミングで取っておく。実際活用するかは別として、いざ『あ、やっぱ必要だったわ』ってなっても終わってからじゃ遅い(取れない)ので
- 振り返ることが一番楽なのは『終わった直後』。多少面倒でも(振り返ることができるように)記録としてちゃんと残しておくこと
X投稿のまとめ:posfie(旧Togetter)
まずはX投稿のまとめから。
イベントに際してX(旧Twitter)のハッシュタグを用意して展開している場合、イベント内容に関する感想や質問、また登壇者や関係者の各種資料がXを通じて共有・公開周知されることも多いので『まとめておくことに越したことはない』情報源です。もっとも、活用する場合はイベント開催に合わせて『展開しやすいハッシュタグを用意する』『参加者関係者の皆さんに利用、周知拡散してもらうように呼び掛ける』などのアプローチは合わせて必要となりますが。
X投稿のまとめを作成する場合まず名前として挙がるのがTogetterです。運営元の都合で、2025年01月から新しく 『posfie』 というサービスが始動し、従来Togetterで出来ていたことがposfieに機能引き継ぎされた形となっています。名称や環境は変わりましたが出来ることは全く同じです。
posfie(旧Togetter)の使い方に関しては下記ヘルプをご参照ください。基本的には『イベントに対応するまとめページを作成』『そのまとめページに条件に合致するX投稿を放り込む』『必要に応じてX投稿をデコレーション』『情報が揃ったら保存して公開・共有』の手順で完了です。操作自体も難しいものでは無いので、1つ2つお試して作ってみればすぐ慣れることでしょう。
私も10年以上前からこのサービスを活用し、参加・運営イベントの際にはほぼ毎回「X投稿まとめ」を用意しています。作業自体そこまで時間が掛かるものでも無いのでイベント終了と合わせてサクッと「イベントハッシュタグ付きの投稿をまとめたもの」を公開することもしょっちゅうです。
X投稿のまとめについては、副次的な側面として「イベント全体の概況・流れを参加者のX投稿から追うことが出来る」「(前述したように)X投稿の内容を通じて登壇者の発表資料の情報を掴むことが出来る」という面もあります。いち参加者として情報を素早くキャッチするのと合わせて、運営の立場としても参加者の皆さんにイベント関連資料の存在を周知するのにも役立ちます。
ちなみに私個人のX投稿まとめ(Togetter/posfie)は以下です。10年以上前から利用しているのでまとめの数も1000を超えていました。どういう体裁でまとめているかの参考になれば幸いです。
動画アーカイブ:YouTube
近年、オンラインイベントが開催される場合は相当な割合でアーカイブとして公開されることも多い「動画」。クラスメソッドのイベントとしても利活用されることは多く、私が関わっているコミュニティ「Classmethod AI Talks(CATs)」でも、ごく一部の開催回を除いてほぼ全てアーカイブ動画として観られるようにしています。
動画については何やかんやで後々利活用、参考することが出来ることも多く、後日アーカイブとして配信しないまでも、運営側として「何かあったときの活用リソースとして残しておく」「社外に一般公開まではいかなくても社内に限定展開する」といった判断を取ることも可能です。
昨今は生成AIと絡めることで『発表内容を文字起こししたり要約する』ことも格段にやりやすくなっており、いち参加者としても動画アーカイブが公開されていることは嬉しいです。(一方で動画のみ、テキストベースの情報としてはアウトプット量が少なくなっている側面があるのは個人的にはちょっとさみしいなという思いはありますが...)
動画自体は凝ろうと思えばいくらでも(撮影設定や編集作業)に手間暇を掛けることも可能ですが、必要最低限であればカメラ、最近ではスマホ1台あれば手元に記録として残しておく事が出来るようになっています。"何かあったときのための記録用"として、一旦は記録を残しておくことも考え直して良いのではと思います。
ブログ
ここではタイトルにあるように『イベント開催報告の記録』をまとめるという前提で進めてみたいと思います。
まぁ参加ブログについても基本方針は同じで、差分があるとすればこの辺ですかね。やはり個人参加の立場であっても「その日そのタイミングでイベントに参加した」記録を残しておくのは後々何やかんやで役に立つものです。
- 自分の思いや考えている(考えていたこと)や感想を好きに書くで良いんじゃないかな
- 参加した自分ならではの思い、得たもの、また『ここが分からなかった(ので学ぼう)』みたいなのが少しでも添えてあると、自分自身の振り返りや改善にも繋がるし、何より開催/運営側として嬉しい
というわけで本線へ。
直近運営の立場で関わったコミュニティ(イベント)として『Zenncafe』があります。ここではZencafeのイベント開催レポート執筆に際して考えていたことを振り返ります。
まず、 『開催レポート』としては以下の要素があれば良いかな、とは思います。このあたりのポイントとしては執筆者個人や運営コミュニティの方針などもあると思いますので関係者間で緩くてもいいので認識を合わせておくと良いでしょう。
- 運営側としての公式的なアナウンスや予定、情報などが共有されていること
- 運営側としてのコメント、意見が載っていること(また、載せても良い)
- (可能であれば)資料については公開、共有出来るものがあれば網羅しておく
- 公式的には『開催したよ』『こんなことやったよ』『今後の予定はこうだよ』がアウトプットを通じて伝われば良いと思っているので書き味やボリューム感については『程良く』で良いと思います。(頑張り過ぎない)
『イベントの資料まとめ』という観点では、Connpassも機能として『イベントの資料を登録』しておく機能が存在します。運営にとっても参加者にとってもイベント単位で資料一式を確認出来るのでこちらの機能を活用するというのもアリだと思います。
私がZenncafeのレポートを書いた際の考え方や進め方について以下に記します。
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タイトルはシンプルに。 Zenncafeの場合は
『イベント名』を開催しました。#zenncafe
とした。
- タイトルにはハッシュタグを含める。公開されてXで共有されることで"コミュニティイベントの投稿"と認識してもらえる。 -
ブログにおける要素として設定するものを決めておく。 DevelopersIOの場合は以下のようなものが該当。
- 特集カテゴリ:Zenncafe
- タグ:必要なものがあれば適宜追加。これまでのZenncafeレポートには「コミュニティ」「Zenn」が付いている。
- アイキャッチ画像:良い感じのイベント風景またはロゴまたはイベントを想起させるイメージ画像(PNG or JPG)。1200x630ピクセル固定。
- 特集カテゴリ:Zenncafe
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本文や構成はある程度テンプレート化してしまうのが良い。
- 書き出しや締めの言葉、また全体構成などを一から考え直して対応するのは結構手間。
- (全部とは言わずとも)ある程度構成や書き味を定型化してしまうことで、イベントの内容が詰められた時点で(イベント開催を待たず)『開催レポート』を書き始めることが出来る。
- イベント開催前には当日発生したこと、共有された情報を追記するように出来ていると負荷が軽減されて良い。
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使えるネタやコンテンツは何でも使う。
- イベント公式(開催)情報
- イベントのX投稿まとめ(イベント開催後、先にposfieでイベントまとめを作ってそこに記載されている情報からレポートを構成するというのは良くやる)
- イベント開催レポートに使う素材については前述のこちらのエントリも合わせて参照。
- イベント公式(開催)情報
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イベント開催レポートを円滑に公開まで持っていくために、登壇者各位には予め登壇資料の公開、登壇ブログなどの執筆等を依頼(または調整)しておく
- セッション公開資料の一般公開、共有可否を聞いておく。(OKに持っていけると嬉しいのはある/NGなら仕方無しで割り切る)
- イベント開催後、早めの資料公開をしてもらうように適宜プッシュする
- イベントがオフラインの場合、登壇風景もあると良い感じを醸し出せるので
- 予め、登壇時の風景を(登壇者含めて)写真撮っても良いかを聞いておく。OKなら良い感じの写真が撮れるし、NGならば人物を除いて登壇資料内容(モニタ)だけ写真を撮るということも対応出来る。
- セッション公開資料の一般公開、共有可否を聞いておく。(OKに持っていけると嬉しいのはある/NGなら仕方無しで割り切る)
まとめ
というわけで、これがDevelopersIOに執筆したブログ、個人通算1600本目となりました。(※せっかくなので記念(節目)のエントリを振り返りブログでまとめてみました次第です)
このエントリの内容がコミュニティイベント等に参加、または運営する立場の人達の(イベントレポート執筆の)一助になりましたら幸いです。