Gmail宛メールのドメイン認証成功率をポストマスターツールで確認してみた

2024年2月に予定されている Gmail、Yahooのメールサービスのポリシー強化に向け、 Gmail宛のドメイン認証(DKIM、SPF、DMARC)の成功率をGoogleが提供する ポストマスターツールを利用して確認しました。
2024.01.22

2024年2月以降、Gmail と Yahoo Mail が メール送信者に求める要件を強化、DKIM と SPF によるドメイン認証や、 DMARC ポリシーのより厳密な適用が求められます。

今回、2月以降の影響を把握するため、Googleが提供する ポストマスターツールを利用。 これまでGmail宛に発信されたメールのドメイン認証(DKIM、SPF、DMARC)の成功率などを確認する機会がありましたので、紹介させていただきます。

Postmaster Tools by Gmail

Postmaster_Tools_–_Google

利用登録

解析対象とするドメインを登録しました。

Postmaster_Tools_2

指定されたTXTレコードを追加、ドメインの正規所有者である事を証明します。

Postmaster_Tools_3

※Google Analytics 用の設定が流用出来る場合もあるようです。

ポストマスターツール画面

解析対象ドメインからGmail宛に送信されたメールについて、過去7〜120日のレポートを確認する事が可能でした。

今回は過去7日間のレポート画面を紹介します。

認証

  • DKIM、SPFの認証成功率は100%でした。
  • DMARCの認証成功率は 100% ではありませんでした。

Postmaster_Tools_13

配信エラー

  • 配信エラー、拒否や配信エラーとなったメールの記録はありませんでした。

Postmaster_Tools_16

迷惑メール率

  • 最大2.4%、ユーザが迷惑メールと報告したメールが存在しました。

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IPレピュテーション

  • 表示データなしとなりました。

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ドメインレピュテーション

  • ドメインレピュテーションの低下はありませんでした。

Postmaster_Tools_11

迷惑メール フィードバック ループ

‐ 迷惑メール フィードバックはありませんでした。

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暗号化

Postmaster_Tools_15

まとめ

今回紹介したドメイン、DMARC設定はポリシーは「なし」(p=none) とした環境でした。

  • DMARCレコード
$ dig txt _dmarc.example.com +short
"v=DMARC1; p=none; rua=mailto:dmarc-report@example.com; pct=100; adkim=s; aspf=s"

Gmailに送信されたメール、DKIM、SPFの認証成功率は100%を達成しているものの、DMARC認証要件を満たさないシステムが存在する事が確認できました。

今後、Gmailへのメール到達率が低下する恐れがあるため、「rua=mailto:」に送付されるレポート(XML)をもとに DMARC認証要件を満たさないシステムの是正を進め、最終的にはDMARC ポリシーは隔離、拒否での利用を実現する予定です。

今回確認を試みたドメインでは該当しませんでしたが、

  • メール配信の失敗率が高い
  • エラーメールの報告率が高い
  • SPF、DKIM認証に失敗している

場合には、2024年2月以降 Gmail、Yahooメール宛の配信率がより悪化すると予想されます。

独自ドメインのメールを利用して、Gmail、Yahooなど外部宛にメールを送信する機会がある場合、 Googleのポストマスターツールを活用戴くことをおすすめします。

Postmaster Tools by GmailPostmaster Tools を使ってみる