取り組みの予備調査

取り組みの予備調査

この記事では、取り組みの予備調査についてまとめます。
Clock Icon2025.02.19

こんにちは。人事グループ・組織開発室に所属し、組織開発を担当しているてぃーびーです。

何かの課題を解決するための取り組みをする場合、取り組む内容が明らかに有効だと最初から判断できるケースばかりではありません。不明瞭な部分が多くある場合、予備調査が有効です。この記事では、取り組みの予備調査についてまとめます。

予備調査とは

予備調査とは、新しい取り組みを始める際に、いきなり実行に移すのではなく、「その取り組みは本当に必要なのか?」 「最適な方法なのか?」 「関係者は取り組みに協力してくれるか?」 「実際に取り組んだ場合の懸念は何か?」などを事前に確認することための調査です。

1. 必要性の確認

今から扱おうと思っている課題ついて、実際にはそれほど深刻な課題ではなかった場合、不必要な取り組みに時間やリソースを浪費してしまいます。無駄足にならないように、その課題の解決が本当に必要かどうか、課題に関わる当事者に確認をします。

課題に対する取り組みは、周囲から得た大まかな情報をもとに曖昧な状態でスタートしがちです。そのため、明確にしていくために当事者に具体的な情報を確認する必要があります。

例えば、「多くの社員がキャリアに煮詰まっている」という話が複数の関係者からあったとします。しかし、この情報の粒度は荒く、詳細は確認してみるまでわかりません。「みんながキャリアに煮詰まっているというからキャリア支援を強化する意思決定を即決めて、取り組みに移す」のではなく、具体的な課題を把握するのが初手になります。確認の結果、「ジュニアが一人前になるまでの壁」 「中堅のキャリアの壁(キャリアプラトー)」 「一部の部門におけるキャリアの整理不足」など、より具体的な課題が見えてきます。

曖昧な問題と明確化についてより詳しくは以下のページを参照ください。

2. 妥当性の確認

有効な課題を見極めることができたら、次は有効な解決策の検討です。課題に対する解決策のアプローチが関係者にとって悪影響があったり、課題の解決につながらないことが明らかであれば、取り組みは失敗してしまいます。取り組みを解決に適したものにするために、課題に関わる当事者や同じような視座を持つ関係者に影響を確認をします。

当事者に確認する際は、関係者の目線でその解決策が実施された場合を想定して、課題の解決に繋がりそうかを確認します。同じような視座を持つ関係者については、より俯瞰した立ち位置からその解決策が想定通りに機能思想家について壁打ちしてもらいます。同じような視座を持つ関係者の具体的な対象について、例えば全社に関わる施策であれば部門長や経営陣にの相談しますし、任意のグループ全体に関わる施策の相談であれば、グループマネージャー以上の人に相談します。

3. 協力の取り付け

有効な解決策を見極めることができたら、次は協力の取り付けです。取り組みの成功のために関係者の協力が必要な場合、解決策が最適なものであっても協力が得られなければ取り組みは失敗に終わります。関係者が課題や解決策の内容に納得し、時間的にも協力する余力があるか、また取り組みに共感して前向きに協力してくれるか確認する必要があります。

例えば、全社に関わる施策があり、施策の実施時に各部門のマネージャーにも手を動かしてもらう必要がある場合、事前にマネージャーの方々に施策の実施への協力を得られるようにやりとりしておく必要があります。

4. 取り組みの影響の確認

取り組みの影響範囲が広い場合、自分だけではどのような影響があるのか見極め切れない場合があります。その場合、関係者に取り組みをした結果として、どのような影響があるのかを確認する必要があります。

予備調査の実施判断

予備調査は有効な手法ですが、時間がかかる取り組みです。そのため、予備調査が必要となるような複雑な課題に限定して実施すべきものです。以下に、予備調査の実施有無の判断基準となる課題の複雑性について整理します。

判断基準 事前調査が不要(シンプルな取り組み) 事前調査が必要(複雑な取り組み)
影響範囲の広さ 1人や小規模なチームで完結 複数のチーム・部門・社外関係者が関与
取り組みの前例 以前に同様のことを実施済みで、成功例がある 初めての試み or 過去に失敗したことがある
取り組みのコスト 少額 or 短期間で実行できる 多額の投資 or 長期間にわたる取り組みが必要
失敗した場合のリスク 失敗しても影響が小さい 失敗すると業務に大きな支障をきたす
ステークホルダーの数と多様性 自分の判断だけで進められる 多くの関係者の合意形成が必要

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