【AWS】古参ユーザーほど気をつけてほしいRI購入時の注意点(容量保証について)
はじめに
こんにちは植木和樹です。本日はEC2でリザーブドインスタンスを購入する際の注意点についてのお話です。
リザーブドインスタンスは、最初にいくらかの初期費用(予約金)を払うことで、月々のインスタンス使用料を大幅に削減できる仕組みです。ところでリザーブドインスタンスには利用料の削減以外に「予約したアベイラビリティゾーンで起動するインスタンス数(容量)確保の保証」という効果もあります。
信頼性 リザーブドインスタンスでは容量を予約することができるため、必要な時に予約している分だけインスタンスを起動できるという安心感を持つことができます。
2013年5月以前にAWSアカウントを作成した方は注意!
EC2-VPCのみが使えるAWSアカウントの場合
2013年の5月にTokyoリージョンでもデフォルトVPCが提供されるようになりました。
これ以降AWSに新規にアカウントを作成した方へはEC2-Classicは提供されず、EC2-VPCのみが利用できるようになっています。
リザーブドインスタンスを購入する際にはネットワークプラットフォーム(利用するOSの種類)を選びます。2013年5月以降のアカウントで"Amazon Linux"を利用する場合はLinux/UNIXを選択します。
EC2-Classicも使えるAWSアカウントの場合
しかし2013年5月以前に作成したAWSアカウントで、同様にリザーブドインスタンスを購入するとLinux/UNIXに加えLinux/UNIX(Amazon VPC)という選択肢が現れます。
EC2-Classicが使える環境でVPCをしていて、このVPC上のEC2にリザーブドインスタンスを購入しようとする際はLinux/UNIXを選択してはいけません。Linux/UNIX(Amazon VPC)を選択しましょう。Linux/UNIXを購入しても「リザーブド価格」は適用されるのですが「容量の確保」が保証されないためです。
Amazon VPCのFAQを読んでみましょう。
Q: Amazon EC2 リザーブドインスタンスを、Amazon VPC で使用できますか?
はい。リザーブドインスタンスを購入すれば、Amazon VPC のインスタンスを予約できます。請求額を計算する時、AWS は、お客様のインスタンスが Amazon VPC または標準 Amazon EC2 のどちらで実行するか区別しません。
つまりLinux/UNIX (Amazon VPC)でなくLinux/UNIXでリザーブドインスタンスを購入しても、VPCにあるEC2インスタンスに価格が適用される、といっています。しかしこの後の文で
ただし、お客様のインスタンス予約は、Amazon VPC に特定されます。
と記載されています。この文だけだとどのような意味かわかりづらいですね。そこで次にEC2のFAQを読んでみましょう。
Q: リザーブドインスタンスのアベイラビリティーゾーンまたはネットワークプラットフォームを変更するとどうなりますか?
(略) リザーブドインスタンスのネットワークプラットフォームを変更すると、元のネットワークプラットフォームでのインスタンスの使用へのキャパシティ予約の適用が停止し、新しいネットワークプラットフォームでの適用が開始します。
キャパシティの予約はネットワークプラットフォームに関連づいているといっています。
つまりリザーブドインスタンスの料金は対象のEC2がEC2-Classicで稼働していてもEC2-VPCで稼働しても関係なく適用されますが、容量の保証はプラットフォームが一致しなければならない、ということです。
プラットフォームを間違って買ってしまったら?
リザーブドインスタンスのプラットフォームを間違って買ってしまっても、後から変更することができます。変更は数分で完了します。また変更にあたって費用は発生しません。
まとめ
EC2-Classicが使える/使えないという2種類のAWSアカウント環境それぞれにおいて、VPC向けのリザーブドインスタンスを購入する際に、選択したプラットフォームでリザーブドインスタンスがどのように適用されるかを表にまとめてみました。
アカウントの環境 | プラットフォーム | RI価格の適用 | 容量の保証 |
---|---|---|---|
EC2-Classicが使える | Linux/UNIX | される | されない |
Linux/UNIX (Amazon VPC) | される | される | |
EC2-VPCのみ | Linux/UNIX | される | される |
普段EC-VPCのみが有効なアカウントでリザーブドインスタンスをLinux/UNIX購入していていると、EC-Classicが有効なアカウントでも同じようにLinux/UNIXで買ってしまいがちです。2013年5月以前からAWSを利用されている古参ユーザーの方はお気をつけください。