RDS for Oracle の OS アップグレードを実施した際のイベントログと所要時間を確認してみた

RDS for Oracle の OS アップグレードを実施した際のイベントログと所要時間を確認してみた

2026.05.01

こんにちは!クラウド事業本部のおつまみです。

今回、お客様から「RDS for Oracle に保留中のメンテナンス(OS アップグレード)が表示されているがどう対応すればよいか」というご相談をいただきました。調査・対応の結果、無事に作業が完了したので、OSアップグレード時のRDSイベントログや所要時間などを記録として本ブログに残しておきます。

3行まとめ

  1. RDS for Oracle の OS アップグレードは DB エンジン(Oracle)のバージョンは変わらず、セキュリティ・パフォーマンス改善を目的とした基盤 OS のアップデートです。
  2. アップデート中はインスタンスが一時的に停止します。マルチ AZ 構成でもフェイルオーバーが発生するためダウンタイムは発生します。
  3. 今回の環境(db.r5.large、マルチ AZ あり / なし 混在、6 台)では、1 台あたり約 25〜30 分で完了しました。

OS アップグレード通知とは

RDS コンソールの「メンテナンスとバックアップ」タブに「保留中のメンテナンス」として New Operating System update is available が表示されることがあります。

CleanShot 2026-04-30 at 11.05.18@2x

AWS のドキュメントには以下のように記載されています。

Amazon RDS は、データベースパフォーマンスと顧客の全体的なセキュリティ体制改善のために、OS を新しいバージョンにアップグレードします。通常、アップデートには約 10 分かかります。アップデートは DB インスタンスの機能には影響しません。

参考:DB インスタンスのメンテナンス - Amazon Relational Database Service

主な特徴

項目 内容
DB エンジン変更 なし(Oracle のバージョンは変わらない)
ダウンタイム あり(インスタンス停止が発生)
所要時間(AWS 公式) 約 10 分
適用方法 手動(任意タイミング)または自動(メンテナンスウィンドウ)

自動適用について

「必須アップデート」として指定されている場合、適用期限(Auto-Apply Date)が設定されます。期限を過ぎると、メンテナンスウィンドウ中に AWS によって自動的に適用されます。

今回の対象環境では、2026年5月15日以降にメンテナンスウィンドウ中に自動適用されるスケジュールが組まれていました。

OS アップグレードは DB エンジンのバージョン変更を伴わず、動作への影響もないため、メンテナンスウィンドウを業務影響の少ない時間帯に設定しておき、自動適用に任せるのがシンプルで楽な方法です。今回はお客様のご要望により手動で実施しましたが、メンテナンスウィンドウが適切に設定済みであれば、特に対応なく自動適用されるのを待つのも十分な選択肢です。

対象環境

項目 内容
DB エンジン Oracle SE2 19c
インスタンスタイプ db.r5.large
マルチ AZ 構成 あり(複数台)・なし(1台)の混在
対象台数 6 台
アップグレード前バージョン 19.0.0.0.ru-2021-10 〜 ru-2023-01
アップグレード後バージョン 19.0.0.0.ru-2026-01.rur-2026-01.r3

作業の流れ

今回は以下のタイムテーブルで実施しました。

時刻 作業内容
1:00 スナップショット取得開始
1:19 スナップショット作成完了
2:00 OS アップグレード適用開始(複数台を少しずつ時間をずらして実施)
2:34 全台の適用完了、各システムの動作確認

事前スナップショット取得

OS アップグレードは通常問題なく完了しますが、万が一アップグレード後に予期しない問題が発生した場合に備えて、アップグレード前に手動スナップショットを取得しました。RDS の自動バックアップとは別に手動で取得することで、問題発生時にアップグレード前の状態へ確実に戻せるようにしておくためです。
インスタンスのサイズにもよりますが、今回はスナップショット完了まで約 19 分かかりました。

CleanShot 2026-04-30 at 11.09.58@2x

OS アップグレードの適用

複数台を同時に実施すると接続確認が難しくなるため、システムごとに少しずつ時間をずらして 順番に適用しました。

適用は左ペインのレコメンデーションタブを押下し、該当のインスタンスを選択後、[適用]で実行できます。

CleanShot 2026-04-30 at 11.31.52@2x

また適用中は、RDS コンソールの「最近のイベント」でリアルタイムに状況を確認できます。

CleanShot 2026-04-30 at 02.09.59@2x

RDS イベントログの内容

今回記録したイベントログをご紹介します。マルチ AZ ありの場合とマルチ AZ なしの場合でイベントの流れが異なります。

マルチ AZ ありの場合(db.r5.large)

2:00に適用開始し、2:28 にバックアップ完了(2:01 にプリチェック開始)しているため、約 25〜30 分かかっています。

時刻(JST) システムノート(原文) 日本語訳
02:01 The pre-check started for the DB engine version upgrade. DBエンジンバージョンアップグレードのプリチェックが開始しました
02:02 The pre-check finished for the DB engine version upgrade. DBエンジンバージョンアップグレードのプリチェックが完了しました
02:05 Backing up DB instance DBインスタンスをバックアップ中です
02:05 The downtime started for the DB instance. DBインスタンスのダウンタイムが開始しました
02:06 DB instance shutdown DBインスタンスがシャットダウンしました
02:07 Multi-AZ instance failover started. マルチAZインスタンスのフェイルオーバーが開始しました
02:07 The engine version upgrade started. エンジンバージョンのアップグレードが開始しました
02:17 DB instance restarted DBインスタンスが再起動しました
02:17 A new version of the time zone file is available for update. タイムゾーンファイルの新しいバージョンが利用可能です
02:17 Your database contains invalid objects. Check the invalid objects and recompile them. データベースに無効なオブジェクトが存在します。確認して再コンパイルしてください
02:17 Your database contains invalid objects. Check the invalid objects and recompile them. データベースに無効なオブジェクトが存在します。確認して再コンパイルしてください
02:17 Multi-AZ instance failover completed マルチAZインスタンスのフェイルオーバーが完了しました
02:17 The operating system underlying the RDS database instance is being patched in an offline operation. RDS DBインスタンスの基盤OSをオフライン操作でパッチ適用中です
02:17 The engine version upgrade finished. エンジンバージョンのアップグレードが完了しました
02:17 The post-upgrade tasks are in progress. アップグレード後のタスクを実行中です
02:17 Finished DB Instance backup DBインスタンスのバックアップが完了しました
02:21 Multi-AZ instance failover started. マルチAZインスタンスのフェイルオーバーが開始しました
02:22 Database instance patched DBインスタンスへのパッチ適用が完了しました
02:23 DB instance restarted DBインスタンスが再起動しました
02:23 The operating system underlying the RDS database instance is being patched in an offline operation. RDS DBインスタンスの基盤OSをオフライン操作でパッチ適用中です
02:23 Multi-AZ instance failover completed マルチAZインスタンスのフェイルオーバーが完了しました
02:24 Updated to use DBParameterGroup default.oracle-se2-19-... アップグレード用のDBパラメータグループに切り替えました
02:25 Finished updating DB parameter group DBパラメータグループの更新が完了しました
02:25 DB instance shutdown DBインスタンスがシャットダウンしました
02:26 DB instance restarted DBインスタンスが再起動しました
02:26 Backing up DB instance DBインスタンスをバックアップ中です
02:28 Finished DB Instance backup DBインスタンスのバックアップが完了しました

イベントの流れ(マルチ AZ ありの場合)

大きく以下の流れで進みます。

  1. プリチェック(約 1 分)
  2. バックアップ → インスタンスシャットダウン → フェイルオーバー開始
  3. エンジンバージョンアップグレード(OSパッチ適用)
  4. フェイルオーバー完了 → DBインスタンス再起動
  5. OS パッチ適用(スタンバイ側)
  6. DB インスタンス再起動
  7. DBパラメータグループ更新
  8. バックアップ完了

マルチ AZ 構成の場合、プライマリのダウンタイム中はスタンバイへフェイルオーバーして処理を継続しようとしますが、OS アップグレードの性質上、プライマリ・スタンバイ両方を順次更新するためダウンタイムは発生します

マルチ AZ なしの場合

マルチ AZ なしの場合は、フェイルオーバーが発生しない分、イベントの流れがよりシンプルになります。

時刻(JST) システムノート(原文) 日本語訳
02:01 The pre-check started for the DB engine version upgrade. DBエンジンバージョンアップグレードのプリチェックが開始しました
02:02 The pre-check finished for the DB engine version upgrade. DBエンジンバージョンアップグレードのプリチェックが完了しました
02:04 Backing up DB instance DBインスタンスをバックアップ中です
02:05 The downtime started for the DB instance. DBインスタンスのダウンタイムが開始しました
02:06 DB instance shutdown DBインスタンスがシャットダウンしました
02:08 The engine version upgrade started. エンジンバージョンのアップグレードが開始しました
02:17 DB instance restarted DBインスタンスが再起動しました
02:17 A new version of the time zone file is available for update. タイムゾーンファイルの新しいバージョンが利用可能です
02:18 The engine version upgrade finished. エンジンバージョンのアップグレードが完了しました
02:18 The post-upgrade tasks are in progress. アップグレード後のタスクを実行中です
02:18 Finished DB Instance backup DBインスタンスのバックアップが完了しました
02:18 Database instance patched DBインスタンスへのパッチ適用が完了しました
02:19 DB instance shutdown DBインスタンスがシャットダウンしました
02:20 DB instance restarted DBインスタンスが再起動しました
02:22 Monitoring Interval changed to 60 モニタリング間隔が 60 秒に変更されました
02:22 Performance Insights has been enabled Performance Insights が有効化されました
02:22 Backing up DB instance DBインスタンスをバックアップ中です
02:25 Finished DB Instance backup DBインスタンスのバックアップが完了しました

気になったイベントメッセージ

イベントログに以下のメッセージが出力されていました。

Your database contains invalid objects. Check the invalid objects and recompile them. (データベースに無効なオブジェクトが存在します。確認して再コンパイルしてください)

invalid objects については、Oracle のバージョンアップ後によく見られるメッセージで、内部的な依存関係の解決に伴いオブジェクトが一時的に INVALID 状態になるものです。DBMS_UTILITY.COMPILE_SCHEMAUTL_RECOMP.RECOMP_PARALLEL で再コンパイルすることで解消できます。

今回の検証では、これらのメッセージが出力された後も各システムへの接続・動作確認に問題はありませんでした。

実際にかかった時間

AWS 公式では「約 10 分」とされていますが、今回の環境では 20〜27 分程度かかりました。インスタンスタイプやデータ量、エンジンバージョンによって変わるため、事前にメンテナンスウィンドウの時間を十分に確保しておくことをおすすめします。

まとめ

今回は RDS for Oracle の OS アップグレード(New Operating System update is available)を実施した結果をまとめました。

  • ダウンタイムは発生しますが、データやアプリケーション設定への影響はありませんでした
  • マルチ AZ 構成でも、OS アップグレードの場合はダウンタイムが発生します
  • 所要時間は 1 台あたり 25〜30 分(AWS 公式の「約 10 分」より長めでした)
  • invalid objects / timezone file のイベントメッセージが出ましたが、動作には影響なし
  • メンテナンスウィンドウを業務影響の少ない時間帯に設定しておけば、自動適用に任せるだけで対応完了します
  • 手動で実施する場合は、業務影響の少ない時間帯での作業をおすすめします

OS アップグレード自体はシンプルな作業ですが、ダウンタイムが発生するため、事前にメンテナンスウィンドウの設定を見直しておくと、次回以降は自動適用でスムーズに対応できます。

最後までお読みいただきありがとうございました。
どなたかのお役に立てれば幸いです。

以上、おつまみ(@AWS11077)でした!

参考

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