RDSスナップショットの請求明細に付与されるタグに関する不明点について検証してみた
アノテーション ユーザーサポートチームの大森です。
今回の記事はRDSスナップショットとタグについての内容となります。
最初に
RDSスナップショットに設定したタグは請求書に反映されないという記載がAWSのドキュメントがありますが、 自身が調査を行った際にRDSスナップショットの請求明細にタグの値が存在した事象があり、タグの値が何なのか疑問を感じたのでスナップショットとタグについて検証して確認してみることにしました。
RDSスナップショットのタグとDBのタグについて
RDSスナップショットのタグについてはドキュメントに以下記載があり、請求明細には反映されないようです。
スナップショットにタグを追加することはできますが、請求書にはこのグループが反映されません。
しかし、調査の中でRDSスナップショットの請求明細にタグの値が存在している事象があり、請求明細にはタグが反映されないという記載があるのにこの値は何だろうと疑問に感じました。
こちらについて調べていく中で以下のドキュメントを見つけました。
Amazon RDS now supports detailed backup storage billing
Third, as orphaned snapshots have no DB instance to refer to, there are no tags that can be applied to these snapshots. In both Cost Explorer and Cost and Usage Report, the customer will see costs for RDS orphaned snapshots aggregated in a single, untagged item.
上記の内容を翻訳してみました。
「第 3 に、孤立したスナップショットには参照する DB インスタンスがないため、これらのスナップショットに適用できるタグがありません。Cost Explorer とコストと使用状況レポートの両方で、RDS の孤立したスナップショットのコストがタグ付けされていない 1 つの項目に集約されて表示されます。」
翻訳内容を見てみると、元となるDBインスタンスが存在している場合、スナップショットにそのタグが適用されると取れる記載がありました。
また調査の中で見つけたタグの値については元となるDBとスナップショットに同様の内容のタグの設定があり、どちらの値かがはっきりわからなかったので検証してみることにしました。
検証内容
①Amazon RDS for MySQL の DB を起動し、DB・作成された自動スナップショット・手動スナップショットそれぞれに以下タグ値を設定しました。
- データベース: Key:CmBillingGroup Value:test-omori-rds-origin
- 手動スナップショット: Key:CmBillingGroup Value:test-omori-rds-snapshot-manual
- 自動スナップショット: Key:CmBillingGroup Value:test-omori-rds-snapshot-auto
②Cost Explorerで以下条件で絞り込みを行い、それぞれの使用タイプにおける使用量についてデータが取得ができました。
データベースについて
- 日付範囲:2023-03-16 ~ 2023-03-20
- 粒度:日別
- サービス:Relational Database Service (RDS)
- リージョン:アジアパシフィック (東京)
- 使用タイプ:APN1-InstanceUsage:db.t3.micro (Hrs)
- タグ:CmBillingGroup タグ値:test-omori-rds-origin
スナップショットについて
- 日付範囲:2023-03-16 ~ 2023-03-20
- 粒度:日別
- サービス:Relational Database Service (RDS)
- リージョン:アジアパシフィック (東京)
- 使用タイプ:APN1-RDS:GP2-Storage (GB-Month)
- タグ:CmBillingGroup タグ値:test-omori-rds-origin
②で絞り込み条件のタグ「CmBillingGroup」のタグ値に「test-omori-rds-origin」しか表示されずスナップショットに設定したタグ値が表示されなかったこと、②の絞り込み条件でデータを取得できたことにより、①で設定したスナップショットに設定したタグではなく、元DBに設定したタグ値「test-omori-rds-origin」が反映されていることがわかりました。
Cost Explorerのレポートパラメータでタグ「CmBillingGroup」を選択
タグを選択した状態でタグ値を表示するとスナップショットに設定したタグは表示されませんでした
確認できたこと
- RDSスナップショットのタグは請求明細には反映されない
- 請求書のRDSスナップショットの明細に表示されているタグは元となるDBインスタンスに設定したタグ
補足
Cost Explorerへの請求データの反映について
すべてのコストには、前日までの使用量が反映されます。たとえば、今日の日付が 12 月 2 日である場合、データには 12 月 1 日からの使用量が反映されます。
Cost Explorerは前日までの使用量が反映されるため、タグを設定してからCost Explorerで確認できるまでにタイムラグがあります。タグ付けされる際はご注意ください。
最後に
スナップショットへ設定したタグ値は請求明細では確認できません。
スナップショットの料金をDBごとに確認されたい場合は、元となるDBにタグを設定するようにしてください。
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