
予期せぬ成功をふりかえる
こんにちは。人事グループ・組織開発室に所属し、組織開発を担当しているてぃーびーです。
成功は計画的で意図したものだけとは限りません。一方で予期せぬ成功の中には単発で偶然にすぎないものもあれば、再現可能なものもあります。再現可能なものに関しては、出来事をふりかえり手札に加えたいところです。この記事では、予期せぬ成功についてまとめます。
予期せぬ成功とはどのようなものか
予期せぬ成功は、狙った部分とは別の箇所で成功するような現象です。
領域 | 例 |
---|---|
顧客向けの活動 | もともとの目的やターゲットとは異なる場面や顧客層で製品やサービスが高く評価された |
顧客向けの活動 | 想定外の使われ方をされて成果が出た |
顧客向けの活動 | 思わぬ副次効果があった |
社内向けの活動 | 社内のノウハウを把握するためのヒアリングを実施したところ、別件のアラートをキャッチできた |
社内向けの活動 | チームの関係向上のためのチームビルディングの合宿をしたところ、事業・サービス理解や共感が深まった |
個人の活動 | 専門分野への好奇心で社外の勉強会に参加したら、同一分野で切磋琢磨できる社外の技術仲間ができた |
予期せぬ成功の確認はなぜ重要なのか
意図した活動による成果は、想定の範囲内に収まります。一方、意図しない成功は、通常の発想では捉えにくいものです。また、そのような成功はふりかえることなく「単に運がよかった」と特に触れないまま過ぎ去ったり、場合によっては特に気にもとめられないまま過ぎ去りがちです。
普段の思考の範囲外で生み出された成功パターンを理解することは、ノウハウとして整理し、今後も活用できる新たな手札を得るチャンスです。そのため、予期せぬ成功を確認することは重要です。
予期せぬ成功を見逃さないための方法
予期せぬ成功を見逃さないための方法には以下のようなものがあります。
方法 | 内容 |
---|---|
定量・定性の両面でモニタリングをする | 定量・定性の両面でモニタリングをすることで、予期せぬ成功を発見できます。例えば、売上やアクセス数などの定量データで異常値を見つけたり、ユーザーからの問い合わせやSNSの反応などを定性的に拾い上げて想定外の反応があるか確認したりできます。 |
仮説検証を習慣づける | 「なぜこういう結果になったのか」を常に問い、特にプラス方向の変化があった場合も原因を探る癖をつけると、予期せぬ成功を自然に拾えるようになります。 |
定期的なふりかえり | 定期的なふりかえりをしていると、予期せぬ成功を確認するきっかけになります。特に、チームでふりかえりをしていると、複数の視点で予期せぬ成功を発見しやすくなります。 |
対象領域への経験を深める | 特定の領域への経験が豊富なほど、通常とは異なる結果に対する感度が高まります。 |
予期せぬ成功の要因を整理する方法
予期せぬ成功を整理するための方法には以下のようなものがあります。
方法 | 内容 |
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成功の構成要素を洗い出す | 5W1Hなどで、成功の構成要素を具体的に掘り下げる |
因果関係を整理する | 結果に影響を与える要素と、結果への影響についてそれぞれ確認をする |
MECEの視点で確認する | MECEの視点で確認し、パターン別に整理することができます。 |
生成AIを活用して整理する | 予期せぬ成功について、詳細を掘り下げるための壁打ちを生成AIにしてもらう |
予期せぬ成功の再現性を確認する
確認した予期せぬ成功は、改めて実践し、再現性を確認することで、意図的に活用できるようにすることが重要です。
予期せぬ成功の実体験
2022年5月にITエンジニア採用入門というZennBookを公開したのですが、Zennで1000likeをこえるほど、多くの方に読んでいただけました。
このZennBookは現職の同僚や、過去の同僚を始め、その他のITエンジニア採用に関わる多くの方に役立ててもらうために執筆しました。その意味では目的通りの成果につながったのですが、想定を遥かに上回る方に読んでいただけたことで、この発信内容をきっかけにウェブメディアの取材の依頼をいただいたり、複数のイベントの登壇依頼をいただいたり、これをきっかけに私を知ってくれた人とのつながりができたり、この件をきっかけにスカウトをもらうこともありました。これらは予期せぬ成功です。
もともと発信の影響で副次的な成果が得られる事は過去の経験からも認識していましたが、ここまでのインパクトに至ったことは無かったため、これは初めての経験でした。
改めてこの出来事を捉え直すと、特に大きな規模の方々に届く発信をすると、登壇の機会・メディアの取材・人とのつながりの拡大などにつながるということを経験を通して認識することができました。私は、成長し、充実して働ける人を増やすことを個人的なMissionにしているため、発信を通して人事領域の発展に貢献する方法の一つとして、この出来事を重要なポイントだと認識しました。