[レポート]Industrial IoT:未来のIoTのために、既に存在する機械に接続する #reinvent #IOT303-R
サーバーレス開発部の阿部です。re:Invent 2018に参加中です。
今回は、Serverless関連のセッションはもちろん、サーバーレス開発部として力を入れているIoT関連のセッションやChaos Engineeringのセッションもキャッチアップしたいと思っています。
まず最初のセッションは"Industrial IoT:Connecting Existing Machines to Tomorrow's IoT"です。
概要
以下、公式Descriptionのサマリーです。
現状産業用機械の大部分は、旧来の工業的なインターフェイス規格はありますがインターネットへの接続を想定していません。しかし、これらの機械には新しいビジネスチャンスに向けて制約を解除していくためのデータやメタデータという新しい価値があります。 AWS GreengrassやAWS Lambdaを使って、従来の工業用機械をどのようにクラウドに接続するのか、デモを交えて説明します。
内容のメモ
- 実際にパートナー(Deuthche Bahn)の事例紹介
- 主に駅や都市で使われる(ロジスティック分野が多いようでした)デバイスサービスを展開
- 同時に発生する様々な状態変化に対して、リアルタイムにデバイス同士がコミュニケーションする必要がある
- 物理アセットごとにDigital Twinを作っている
- アセットでグルーピングしたセンサーデータを物理デバイスのTwinとしてクラウドに保存
- クラウドではTwin同士でコミュニケーションする
- Digital Twinは複数のセンサーとエッジサイドコンピューティングのグループで構成される
- それらの物理アセットのグループ単位がそれぞれDB IoT Cloud(AWS IoT Core)に繋がってクラウド上にTwinを構成
- Greengrassは産業用の通信プロトコルをプロキシするために利用している(MQTTでいけるデバイスならプロキシは不要)
- これらが実際に駅などで運営されている模様
- Greengrassを使ったエッジサイドのデモ
- パートナーの事例を元にした工場のラインをモデルにしたデモ
- 産業用のコントローラがあって、そこからGreengrassのゲートウェイでプロキシしてAWS IoT Coreにつなぐアーキテクチャ
- うまく動かなくて実際のコードなどの紹介に終始してるようでした
- Greengrassのリソースの下にエッジサイドのLamdba Functionがぶら下がっていました
- IIoT(Industrial IoT)のデザインパターン
- エッジサイドでのETLを行う
- プロキシやデータ統合などはエッジサイドでやった方が良い
まとめ
我々が案件で関わる中では、エッジサイドコンピューティングの実績は少なく、まだ未知が多い領域ではあるのですが、未来を感じました。 実際にGreengrassが動いているところ、リソース構成などもデモを通じて見ることができたのは、多少なりともイメージを掴むためにもよかったと思います。産業用のマシン間の標準があることを知らなかったこともあり、Greengrassをエッジサイドのプロキシに使うという事例は興味深く感じました。GreengrassがプロキシすることでIoT化できるものはこれからも多くなりそうですね。
なお、Digital Twinという言葉は最近知ったのですが、個人的には「電脳コイル」の世界感を思い出しました。作品内でデータの精度の問題がキーになっていたように、Digital Twinでも実際の物理情報とのズレ(タイムラグ含む)が問題になるのではないかと感じました。
参考
エッジサイドのでのローカルコンピューティング環境を作るためのソフトウェアでデバイス側のローカルネットワークで様々な処理を行います。
用語集
- OPC UA:産業通信用のデータ交換標準。マルチベンダー製品間や、異なるOSにまたがってデータ交換を可能にする
- Modbus:プログラマブルロジックコントローラ向けのシリアル通信プロトコル
- Ethernet/IP:CIP (共通産業プロトコル) を標準Ethernetに適用した産業用ネットワークプロトコル
- EuroMap63:プラスチック機会製造元が使うためのデータ交換プロトコル
- デジタルツイン:デジタルツインとは、工場や製品などに関わる物理世界の出来事を、そっくりそのままデジタル上にリアルタイムに再現すること
スライド&動画(12/1 05:08追記)
スライドとセッション動画が公開されていたので追記します。