[更新完了] re:Invent 2025 opening keynote with Matt Garman, AWS CEO まとめ #reinvent

[更新完了] re:Invent 2025 opening keynote with Matt Garman, AWS CEO まとめ #reinvent

2025.12.03

こんにちは、菊池です。
今年もAWS re:Inventの季節です。本記事では、re:Invent 2025メインコンテンツの1つ、AWSのCEO Matt Garman氏の基調講演をまとめます。
どんな新サービスが発表されるのか、楽しみですね。

基調講演概要

14回目となるAWS re:Invent では、6万人以上の参加者が集まり、オンラインでは200万人近くが視聴する規模になったと話します。AWSは成長を続け、1320億ドル規模のビジネスに成長し、昨年だけで220億ドルの増収となりました。

NVIDIAとのパートナーシップを強化し、 NVIDIA GB300 NVL72を搭載した新しいP6eインスタンス を発表。続いて、AWS独自のシリコンであるTrainium 3を搭載した Trn3 UltraServersとTrainium4 のプレビューリリースを発表しました。

顧客が自社のデータセンターに専用のAWSインフラストラクチャを導入できる新サービス、AWS AI Factories が発表されました。TrainiumやNVIDIA GPUなどを顧客の施設内に配置し、プライベートAWSリージョンのように運用可能になるようです。

続いて、Amazon Bedrockに新しい18のモデルが追加 されました。GoogleのGemma、NVIDIAのNemotron、そしてMistral AIからはMistral LargeとMistral 3が利用可能になります。

そして、Amazonの基盤モデルである Nova 2ファミリー が発表。Nova 2 Liteは高速かつコスト効率に優れた推論モデルで一般利用可能。Nova 2 Proは複雑な作業に対応する最も高度な推論モデルとしてプレビュー公開。Nova 2 Sonicはリアルタイム会話AIのための次世代音声対応モデルです(一般利用可能)。また、顧客が独自のモデルを開発できる新サービス、Amazon Nova Forge が導入されました。これは「オープントレーニングモデル」という新しいコンセプトだそうです。

ガーマン氏は、AIの進化が単なるアシスタントから、複雑なワークフローを自動化できる「エージェント型」システムへと移行していると強調しました。その中核となるのがAWS Agent Coreです。
この、Agent Coreに2つの新機能が追加されました。自然言語ルールを使用してエージェントの行動をリアルタイムで制御する Policy in AgentCoreと、エージェントの品質を正確性や有用性などの基準に照らして継続的に検査し、スコアリングするAgentCore Evaluationsです。

レガシーシステムをモダナイズするツール、AWS Transformは、新しいAWS Transform Customを発表。任意の言語やフレームワークに対応したカスタムコード変換エージェントを作成できます。

完全に自律的で、高度なスキルを持ち、長時間実行可能な新しいエージェントである、Frontier Agentsが3つ発表されました。Kiro Autonomous Agent は開発環境でバックグラウンドで動作し、機能開発、バグのトリアージ、依存関係のアップグレードを複数のマイクロサービスにわたって実行します。
AWS Security Agentはコードや設計ドキュメントを積極的にレビューして脆弱性を検出し、オンデマンドでペネトレーションテストを実行できます。AWS DevOps Agentはインシデントを調査し、テレメトリとコードを相関させて原因を特定し、信頼性向上のための修正案を提示できるようになります。

最後に、AIから離れてコアサービスに対する25の新機能、新サービスを高速に発表しました。

Amazon EC2 には、Intel/AMD/AppleそれぞれのCPUを搭載した 7つのインスタンスタイプ を紹介。数時間から数日間待機できる長時間実行のステートフルなLambda関数をプログラミングするLambda Durable Functionsも登場。
Amazon S3においては、最大オブジェクトサイズが10倍の50TBに拡張、S3 Batchが10倍高速化S3 TablesがIntelligent-TieringとCross-Region Replicationに対応し、S3 Vectorsが正式リリースされました。また、S3 Access Points for FSx for NetApp ONTAP もサポートされました。
Amazon Opensearch Service はベクトルインデックスの作成を最大10倍高速化 されています。
セキュリティ領域では、GuardDuty がAmazon ECSコンテナの脅威検出 に対応し、新しいSecurity Hubが正式リリースされました。
データベース領域では、RDS for SQL ServerとOracleの最大ストレージ容量が64TBから256TBと4倍に拡張。SQL Serverのコスト最適化として、CPU数最適化とDeveloper Editionを使用してライセンスコストを削減できるようになりました。また、すべてのデータベースサービスで最大35%の節約を可能にする、Database Savings Plans も新たに導入されました。

発表された新サービス

Amazon EC2 P6e-GB300 UltraServers(NVIDIA GB300 NVL72搭載)が一般提供開始

AWS 上で NVIDIA GB300 NVL72 が利用可能となるAmazon EC2 P6e-GB300 UltraServers の一般提供を発表しました。72 個の GPU を搭載しており GPU の合計メモリは約 20TB にもなります。

AWS AI Factories

ユーザーのデータセンターに迅速に導入可能な高性能なAWS AIインフラストラクチャ、AWS AI Factories が利用可能になりました。

Amazon EC2 Trn3 UltraServers

AWSが、新しいカスタムAIチップ「Trainium3」を搭載した「Amazon EC2 Trn3 UltraServer」の提供を開始しました。

AWS Trainium4

Amazon Bedrock で新たに18のモデルをサポート

Amazon Bedrock open weightモデルが新たに18個の追加が発表されました。

Amazon Nova Forge

Policy in AgentCore

Amazon Bedrock AgentCoreにPolicy機能(Amazon Bedorock AgentCore Policy)がプレビューで追加され、Cedarといったポリシー言語で「誰が」、「どの行動を」、「何に対して」などを条件に許可/拒否する認可制御が可能になりました。

AgentCore Evaluations

Agent Core Evaluationsは、AIエージェントの実際の行動に基づいてパフォーマンスを継続的に監視・分析できるサービスです。

AWS Transform Custom が一般提供開始

AWS Transform のカスタム変換エージェントは、Python、Node.js ランタイムのアップグレード、Lambda 関数の最新化、複数言語にわたる AWS SDK の更新、Java 8 から 17 へのアップグレードなど、一般的なシナリオに対応したすぐに使用できる変換機能が含まれています。

Kiro autonomous agent

従来のKiroは、Kiro IDEやCLIを使ってローカルPCの環境上で動作するものでした。Kiro Autonomous Agentは、リモートのAIコーディングエージェントです。ローカルのリソースを気にせず、並列してAIコーディングエージェントに実装を依頼することが可能になります。

AWS Security Agent

AWS Security Agent は、セキュリティ機能に特化したエージェントサービスです。

AWS DevOps Agent

AWS DevOps Agent はインシデントを解決し、プロアクティブに予防することで、AWS、マルチクラウド、ハイブリッド環境におけるアプリケーションの信頼性とパフォーマンスを継続的に向上させる、最先端のエージェントです。

Amazon EC2 インスタンスタイプの追加

新たに発表されたインスタンスタイプは X8i/X8aedz/C8a/C8ine/M8azn/M3 Ultra Mac Instance/M4 Max Mac Instance です。

Lambda durable functionsが一般提供開始

Durable Functionでは、ワークロードを中断し、再開することができる機能となります。最大1年間実行を一時停止することが可能です。

Amazon S3が最大50TBのオブジェクトサイズをサポート

S3バケット内の単一オブジェクトのサイズ上限が全リージョンで5TBから50TBになりました。

S3 Batch が10倍高速に

Intteligent Tiering for S3 Tables

S3 TablesのストレージクラスにIntelligent-Tieringが選択できるようになりました。

Automatic replication for S3 Tables

Amazon S3 Tablesは、S3上に格納されたApache Iceberg のデータに対するメタデータ管理をAWSがフルマネージドで提供するサービスですが、クロスリージョンやクロスアカウントへのレプリケーションをサポートしました。

S3 Access Points for FSx for NetApp ONTAP

FSxNでボリュームにS3アクセスポイントをアタッチすることで、ボリューム内のデータをS3 APIで読み書きすることが可能です。

S3 Vectors

S3 Vectorは、Amazon S3にネイティブでベクトル検索機能を追加した、低コストでスケーラブルなベクトルストレージサービスです。

Amazon Opensearch Service がベクトルインデックスの作成を最大10倍高速化

Amazon OpenSearch Service に待望のアップデートが発表されました。ベクトルデータベースの構築を高速化するGPU Accelerationと、インデックス設定を自動で最適化するAuto-optimizeの2つの新機能です。

Amazon EMR Serverless で Spark ジョブのローカルストレージ管理が不要に

Apache Spark ワークロードにおけるローカルストレージのプロビジョニングが不要になり、ディスク容量の制約によるジョブの失敗を防止し、更にデータ処理コストを最大20%削減できるようになりました。

Amazon GuardDuty Extended Thread Detection for ECS and EC2 Instance Group

Amazon GuardDutyの拡張脅威検出(Extennded Threat Detection)は従来1つ1つの脅威を検出していたのに対し、それら複数の検出やアクティビティを束ねて1つの大きなイベントとしてまとめる機能です。

新しいSecurity Hub が一般提供開始

AWS Security Hubは、AWSのセキュリティサービスで検出された結果を一元管理する統合セキュリティソリューションです。

Unified data store in CloudWatch

CloudWatch のログ管理機能全般に大きくアップデートが入り、ログ基盤としての機能が大幅強化されました。

RDS for SQL ServerおよびOracleで現状の4倍、最大256TBのストレージをサポート

Optimize CPUs for RDS for SQL Server

Amazon RDS for SQL Server にてCPU最適化オプションというものが利用できるようになり、ライセンスコストが削減可能になりました。

RDS for SQL Server Developer Edition

Amazon RDS for SQL Serverで、開発・テスト用にSQL Server Enterprise Edtionのフル機能が使えるDeveloper Editionがサポートされました。

Database Savings Plans

Database Savings Plansは、コミットメント額を指定する購入方法であるSavings Plansの一種で、AWSマネージドデータベースサービスを対象にSavings Plansでの購入を可能にしたものです。

まとめ

今年もAI、特にAgentをメインに据えつつ、それで最後まで行くかと思いきや、最後にコアサービス(コンピュート/ストレージ/DB/セキュリティ)の怒涛の発表がありました!
私の個人的なイチオシは X8aedz インスタンスです。
まだまだAWSは我々ユーザーの想像を超える進化をし続けてくれそうです。残りの基調講演も楽しみになりました。

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