[レポート]Get the most out of your data with ML-powered search #AIM304 #reinvent

2022.12.04

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どーも、データアナリティクス事業本部コンサルティングチームのsutoです。

本エントリはAWS re:Invent 2022のセッション「AIM304 Get the most out of your data with ML-powered search」のレポートです。

セッションの概要

Data fuels innovation, and innovation helps organizations stay ahead of the curve. Finding the right data at the right time is critical to businesses in any industry. Attend this session to learn how Amazon Kendra, an intelligent search service powered by machine learning, can transform the way you discover insights. Hear from AWS customers Orion Health and Qualtrics how they were able to create a fully functional search application for better employee productivity and exceptional customer experiences.

 

データはイノベーションの原動力であり、イノベーションは組織が時代の最先端を行くのに役立ちます。適切なデータを適切なタイミングで見つけることは、あらゆる業界のビジネスにとって重要です。このセッションでは、機械学習によるインテリジェントな検索サービスであるAmazon Kendraが、どのようにインサイトを発見する方法を変えることができるかを学びます。AWSのお客様であるOrion Health社とQualtrics社が、従業員の生産性向上と優れた顧客体験のために、どのように完全な機能の検索アプリケーションを作成できたかをお聞きください。

スピーカー

  • Hemant Modi, Senior Director Product Management, Qualtrics
  • Jomo Kenneth Starke, Senior Director of Innovation, Orion Health
  • Jean-Pierre Dodel, Principal Product Manager, Amazon Web Services

セッション内容

Amazon Kendraについて

  • ドキュメント、ヘルプWebサイト、マニュアル、PDFなどを含めると、企業における約80%のデータは構造化されていない
    • Amazon Kendraは、機械学習による自然言語探索機能を提供するサービスで、上記課題に対応できる
    • FAQ照合が可能で文書読解能力に長けていること、ドキュメントのランク付けが出来るということ、関連性チューニングが出来ること、クエリの自動補完が出来るということ
  • より素早く正確な情報を検索できるため、コネクタ作成と提携に焦点をあてて開発、顧客がコンテンツを簡単に集約できるようにする
  • 暗号化、トークンベースのアクセスコントロール、IAMを使ったSSOなどのセキュリティを提供
  • Kendraのネイティブコネクタライブラリでは100を超えるコネクタを利用できる

  • Kendraの提供する検索画面
    • 1st floorの回答は、上段のinstant answerモデル(構造化されていない部分から単語、句、文などを抽出できるモデル)によって提供
    • 中段のFAQマッチングのモデルで信頼度の高い回答を表示
    • 下段にもっとも関連性の高いドキュメントを表示される

  • 過去のユーザーインタラクションから学習する、「検索ユーザーの意図や目的」を検索エンジンが正確に理解し、ユーザーが必要とするものに適した検索結果の提供をするので、ランク付けのされた関連ドキュメントのリストが返される
  • 情報の新しさと更新回数、そして信頼性のより高いデータソースのブーストのサポートをしてくれるので、組み合わせによって、閲覧される頻度の高いドキュメントがチューニングされて表示される
  • 検索エクスペリエンスのカスタマイズが可能

  1. データの取り込み
    1. さまざまなコネクタが利用可能
    2. APIを使ったカスタムデータソースコネクタも作成可能
  2. 結果の最適化
    1. 関連性のパラメータを調整できる
  3. デプロイ
    1. Webサイトにデプロイしてセルフサービスチャットbotにすることができる
    2. コンタクトセンターの統合またはSaaSソリューションの前段に、KendraがAPIを介して実装することも可能

  • ローコード、ノーコードでUIを作成できる

  • 分析ダッシュボードが提供されている

高精度な結果の例

  • covid-19中に作成された約40000の高度に技術的な医療文書データセットを取得

  • 検索にさらに詳しいワード入れてみると、検索者が欲しいと思われる回答のワードが大きく太字になって表示されている

顧客事例:Qualtrics様”Qendra”

  • 以下の理由からAmazon Kendraを採用
    • コンタクトセンターの従業員のワークフローの最適化を行いたい
    • リアルタイムで従業員に支援できるソリューションを求めた
    • コスト削減の他、従業員の生産性向上、質を上げて顧客満足度とブランド力を上げる

  • 「Wan-shi-ting」:Kendraを本番環境に初めて採用した
    • キャプチャ画面は開発されたSlackチャンネルをインタフェースとしたもの(wstコマンドでKendraを連携した検索ができるようにしている)

  • リアルタイムで音声の文字起こしをコンタクトセンターからNLPに送信して処理し、ナレッジベースの関連記事を返す処理を行う

  • Kendra導入によって、「チケットの初回解決率の向上」「各人のチケット処理の量が向上」の2つの成果を得られた
  • 今後のロードマップは、Amazon TranscribeやAmazon Connectなどのサービスを備えた技術スタック

Orion Health様:Digital front door

  • Digital front doorを利用することのメリット

  • アメリカの医療業界における問題点のなかで、3番目の「どれが信頼できる情報なのかがわからない」という問題に対して「すべてのユーザーにとって望ましい、検証された臨床リソースへのアクセスを提供」という解決にAmazon Kendraを利用

  • Kendraを採用した理由
    • 自然言語処理で質問をし、それに対する正確な回答を得ることが可能
    • 検索エンジンにありがちなノイズを排除し、精選されたウェブページを検索できる
    • 情報検索を合理化し、地元に関連する信頼できるリンクにユーザーをつなげる
    • ユーザーからのフィードバックにより、システムを継続的に改善

  • 結果として「オンライン症状診断の件数増加」「在宅介護のためのチャット、コール、テレヘルスの増加」および「利用率の向上:カナダDFDのホームページへのアクセス数100000件以上」「医学図書館への訪問回数が大幅に増加」につながった
  • 今後、DFDの最適化として、患者の自己紹介機能、Amazon Chimeを使ったビデオ訪問
  • 検索の最適化として、データソースの増加、ビデオトランスクリプトのような非構造データの検索に対応など継続的に改善を実施

最新アップデート紹介

最後に

Amazon Kendraは2021年10月に日本語対応していますが、まだまだ日本では事例が少なく私自身もサービスのことをよくわかっていませんでしたが、セッションのなかで事例のデモ画面があってどのようなサービスをもたらしてくれるのかが理解できました。

セッションで解説があったとおり、Googleなどの検索エンジンで普通に検索すると、関連性の薄いものや偽りの情報などのゴミが引っかかって本当に知りたいことになかなか辿り着けないので、これからの情報過多の時代にこそKendraのようなサービスの必要性は増してくるのかもしれませんね。

(ちなみにAmazon Kendraはまだ東京リージョンでは利用できません)