【レポート】NEW LAUNCH! AWS Elemental MediaTailorを使ったFuboのサーバサイド広告挿入によるコンテンツ収益化方法を学ぶ #reinvent #CTD206
はじめに
清水です。AWS re:Invent2017にてブレイクアウトセッション「CTD206 - NEW LAUNCH! Learn how Fubo is monetizing their content with server side ad insertion using AWS Elemental MediaTailor」を聴講してきたのでレポートします。先日発表になったAWSの新サービス「AWS Media Services」の1つである「AWS Elemental MediaTailor」の紹介セッションでもありますね。
セッションの概要は下記になります。
In this session, we will introduce server-side ad insertion, also known as ad stitching. Server side ad insertion helps you to deliver ads that are more relevant to your customers, and at the same time, helps bypass ad blockers and lower latency.
スピーカーは下記のお二人です。
- Alex Zhang - Principal Product Manager, AWS Elemental
- Shung Ho Choi - FuboTV CTO
レポート
アジェンダ
- 今日のビデオ収益化
- Server-side Ad Insertion (SSAI)とは何か?
- MediaTailorとは何か?
- ビデオワークフローにおける収益化のよりよい方法
- FuboTVでのユースケース
- まとめ
今日におけるビデオの収益化
OTT広告の進化
- 2007年
- 静的な広告動画の埋め込み
- 2012年
- クライアントサイドでの広告挿入
クライアンサイドでの広告の挿入
- パーソナライゼーションとターゲティング広告の共通のソリューションはクライアント側の広告挿入だが、さまざまな制限がある
- 複数のプラットフォームやデバイスでコードを変更が必要
- ネットワーク遅延が大きい/品質が悪い
- ライブストリーミング向けの最適な方法ではない
- デスクトップとモバイルウェブでの広告掲載率が低い
OTT広告の進化 その2
- 2017年
- サーバサイド広告挿入
- 完全にパーソナライズされた広告
- すべてのデバイスをサポート
- ブロックまたはスキップからの保護
- 放送品質
- ライブ、VODやタイムシフトを問わず動作する
- サーバサイド広告挿入
Server-side Ad Insertion (SSAI)とは何か?
サーバサイド広告挿入(Server-side Ad Insertion: SSAI)は、マニフェスト操作、広告サーバー通信、および広告ビットレートと解像度の正規化をサーバー側で組み合わせてから、クライアントにマニフェストを提示する
- これらを正しく行うのは難しい
- 高いスケーラビリティが必要
- パーソナライズされたマニフェストはキャッシュできない
- カスタムプレイヤーにより広告が再生されたことを集計したレポートが必要
- 異なる広告標準があり(VAST, VPAID, VMAP)、広告サーバ、オリジンサーバ、ワークフローを複雑にしている
AWS Elemental MediaTailorの紹介
AWS Elemental MediaTailorはコンテンツのパーソナライゼーションと収益化サービスであり、顧客は高品質のサービスを維持しながらステッチ付きのサーバーサイドの広告コンテンツを実装することができる
- 広告はより良い収益を上げ、ビデオ品質の一貫性とマルチプラットフォーム環境全体での管理が容易となる
- 管理されたトランスコーディングにより、ユーザーエクスペリエンスが向上する
- 単一のサービスで標準ベースのクライアントおよびサーバーサイドの広告レポート
- プレーヤー、オリジン、CDNをより詳細に制御しながら、より良いエンド視聴経験を提供
ビデオワークフローにおける収益化のよりよい方法
- スケールすることを考慮しながら構築すると大規模/複雑になる
- トリプルAZからなるEC2のコントローラ、ELB
- IndexはDynamoDBへ
- 変換用のElastic Transcoder、S3
- レポートのためのDynamoDBやElastiCache
- AWS Elemental MediaTailorを用いた構成
- 広告挿入のためのマニフェスト操作部分にMediaTailorを使用
- プレイヤーからのリクエスト (1.)
- オリジナリティとVAST(2.、3.)
- VAST XML(4.)
- トランスコード(5.)
- 配信(6.、7.、8.)
- レポート(9.)
- プレイヤーからのリクエスト応答(ターゲティング)について
- セッション変数とプレイヤーの変数
- セッション変数
- referer, クライアントIP、uuidやランダムな
- プレイヤーの変数
- デバイスID、ページレベルのプロパティ、カスタマーID
- 両方を組み合わせたリクエスト
- カスタムプレイヤー変数(クエリストリング部分)
- https://mediatailorURL.amazonaws.com/path/hls.m3u8?foo=bar&sz=640&baz=bam&idfa=12345
- マニフェスト/セッションレベルの変数
- [avail.random],[session.client_ip],[session.avail_duration_secs]
- 最終的なこのユーザのVASTリクエストは以下の形式
- https://mediatailorURL.amazonaws.com/path/hls.m3u8?foo=bar&sz=640&baz=bam&idfa=12345&client-ip=54.240.196.175&maxdur=120&correlator=15734883199399203
- カスタムプレイヤー変数(クエリストリング部分)
- レポーティングについて
- サーバサイドのレポーティング
- 長所
- 余分な統合が必要なく、完全なレポートが可能
- 短所
- プレイヤーの振る舞いで別処理が必要、キャッシュの統合など
- 特別なビーコンや高度なプレイバック対応が負荷
- 長所
- クライアントサイドのレポーティング
- 長所
- 独自のプレイバック対応が可能、スキップさせないとかカウントダウンタイマーとか
- ビーコンより一時停止とか早送り、巻き戻しも取得可能
- 短所
- プレイヤーの変更が必要
- 長所
- サーバサイドのレポーティング
FuboTV
- 最小限のお金で最も魅力的なスポーツパッケージを顧客に提供することを使命
- マニフェストファイルのリクエスト部分の応答にMediaTailorを利用し、広告配信を連携
- MediaTailorのユーケース
- ライブ&タイムシフト表示
- 分間1M reqの上限
- カスタム広告タグに適応
- メディアワークフロー上での設定はゼロ
AWS Elemental MediaTailorのサマリ
AWS上の高いスケーラビリティをもtパーソナライズされたマニフェスト操作サービス
- エンドユーザのリクエストによりスケールアウト
- レイヤーのクエリ文字列パラメータを使用し、セッション情報を再生してパーソナライズド広告とする
- 管理されたトランスコードを使用して広告の品質をより安定させる
- より多くの端末に対して収益を上げる
- VASTに基づくレポート
- Amazon CloudWatchやAWS IAMなど他のAWSサービスとの統合
- 従量課金制で最小コミット額などはない
感想
動画配信の収益化についてはとても重要な部分ですが、その仕組の構築には単純な動画配信以上に工数がかかることも考えられます。この部分がマネージドサービスで提供されることは大きいですね。また広告挿入にはこれまでのクライアントサイド側での挿入から、サーバサイドでの挿入に移行してることもわかり、とても充実したセッションでした。引き続きAWS Elemental MediaTailor含めAWS Media Servicesについて調査していきたいと思います。