【レポート】A dynamic opportunity: Understand AWS China and grow your business #ENT230 #reinvent

2022.12.27

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はじめに

こんにちは、かみとです。

re:Inventのセッションレポートです。

このセッションは、前半にAWS ChinaのゼネラルマネージャーであるKen Shen氏による中国のマーケットとAWSの辿ってきた変遷について、またAWS China ソリューションアーキテクト責任者のWen Dai氏による中国におけるAWSサービスランディングの勘所について、後半は実際のAWS Chinaカスタマーによる事例紹介という構成でした。

本レポートでは、前半部分のAWS Chinaの説明部分にフォーカスしてまとめます。

AWS is committed to helping all customers around the world transform their businesses and enable digital transformation that unlocks innovation and customer success. The AWS commitment to China is a part of this. AWS came to China in 2013 and has been relentlessly investing and expanding infrastructure and business in the country ever since. AWS strategy in China is to draw on global strengths and act locally. In this session, hear about AWS China strategy, customer successes, and how AWS has helped MNCs land and expand business in China.

AWSは、世界中のすべてのお客様のビジネス変革を支援し、イノベーションとお客様の成功を引き出すデジタルトランスフォーメーションを実現するために尽力しています。AWSの中国へのコミットメントは、その一環です。AWSは2013年に中国に進出し、それ以来、中国でのインフラとビジネスを容赦なく投資し拡大してきました。中国におけるAWSの戦略は、グローバルな強みを生かし、ローカルに行動することです。本セッションでは、AWSの中国戦略、お客様の成功事例、AWSが多国籍企業の中国への上陸とビジネス拡大をどのように支援したかについてお聞きします。

  • Speakers
    • Wen Dai, Head of Solutions Architecture, Amazon Web Services
    • James Beasley, Vice President, Cloud Engagement, AWS, Palo Alto Networks
    • Ken Shen, General Manager of Global Account and Telco, AWS China
    • Lewis Choi, Vice President - Digital Platforms & Engineering, Thermo Fisher Scientific
  • Session type
    • Breakout Session
  • Session level
    • 200 - Intermediate

AWS China General Manager, Ken Shen氏

  • 中国のマーケットとAWSの辿ってきた歩みについて

A glance of China

  • モバイルフォンの利用について
    • 中国人の約60%がスマートフォンを利用、約8億7500万人に相当する
  • 5Gについて
    • 中国の通信事業者は全国に180万以上の5G基地局を設置し、その数は世界一
  • モバイル決済について
    • 中国のモバイル決済はとてもポピュラーで、携帯電話を持つだけで利用できる
  • Eコマース
    • 中国はEコマースの単一最大市場で、世界取引の50%を生み出している
  • IoTマーケット
    • 中国はIoTエッジデバイスの製造、出荷、設置の面で世界最大のIoT市場となっている
  • A.I.特許とA.I.の採用について
    • A.I. パターンとA.I.の採用をリードしている

  • IDCによると、中国は世界最大のクラウド市場であり、世界平均の成長率が22であるのに対し、平均成長率が32であることから、7大クラウド市場の1つであり続けている
  • しかし中国のクラウドの歩みはまだ始まったばかり
  • クラウドへの投資は、中国のIT投資額全体の2.7%を占めるにすぎない
  • つまり、私たちが中国で一緒にビジネスを成長させるための大きな余地が残されている

  • 中国政府は、デジタル産業化と産業の観点から、クラウドとデジタル経済に対して非常に協力的である
  • 例えば、ソーシャルメディア、自動車、製造業、ヘルスケア、ライフサイエンスなど、多くの産業が政府によってサポートされている。

AWS China Footprint

  • AWSの中国での足跡について
  • 2016年と17年に中国で2つのリージョンを開始
    • 2016年に北京(beijing)リージョン
    • 2017年に寧夏(Ningxia)リージョン
  • そして2019年、我々は香港リージョンを立ち上げた
    • 香港リージョンはグローバルリージョンの一部(中国本土のリージョンとは異なる)
  • 3つのリージョン以外にも、上海にARラボを設立し、台北と深センにIoTラボを設立している
  • 現在、AWS中国には1,000人以上の従業員がおり、業界のスペシャリスト、そしてダイナミックなパートナー・エコシステムが、お客様のビジネスを世界の他の地域と同じようにサポートしている

  • 中国では非常に規制が厳しく、そんな中でのAWSサービスの運用モデルについて
    • 中国ではAWSのビジネスモデルはあまり受け入れられておらず未成熟なため、2つのパートナーと協力している
      • NWCDとSINNETは、クラウドサービスを提供できる「ICPライセンス」の発行を代行し、AWSの技術ガイドやパートナーへのサポートを提供しながら顧客に製品を運用・提供する
  • このモデルは、海外のクラウドベンダーが中国市場でクラウドサービスを提供する際の成功モデルとして、中国政府からも高く評価されている

  • 2つのリージョンはどちらも3つのAZを持っている
  • 2社のパートナーは、お客様のアカウント登録や請求書の発行を代行し、AWSのテクノロジーを提供する

  • クラウドプロバイダーにとってセキュリティ・コンプライアンスは重要
  • 中国規制当局、TRUCS認証、DJCPのMLPs Level3認証、一連のISO認証などすべての認証を取得している

AWS China’s strategy

  • グローバルな強みを生かしローカルに行動する、5+1+1の三本柱の戦略
    • 5つのグローバルな強み
      • 主要な技術とサービス
      • 世界各地をカバーするインフラ
      • 実績のあるセキュリティ・コンプライアンス
      • 経験に基づくグローバルなベストプラクティス
      • 成長を最大化するローカルパートナーのコミュニティ
    • 加えて、One Amazon全体での強力なサポート
    • さらに、Amazonのイノベーションカルチャー
  • 私たちのマーケティング戦略は3つのセグメントにフォーカスしている
    • CtoC
      • AWSの中国リージョンを使って、中国のお客様にサービスを提供すること
    • GtoC
      • AWS Chinaを利用して中国でのビジネス展開をお考えの多国籍企業のお客様を対象にしたサービス
    • CtoG
      • 中国企業が世界中にビジネスを展開

AWS Head of Solutions Architecture, Wen Dai氏

  • AWS Chinaに関するよくある質問について
    • 中国のサービスランディングの状況は?
    • 中国地域と他の世界地域はどのようにつながっているのか?
    • どのように我々は迅速に中国にワークロードを拡大することができるか?
    • 中国のリージョンにデータを移行するには?
    • 刻々と変化するお客様のニーズに対応することは可能か?

  • これら5つのステップを踏むことでイノベーションが可能になるはず
    • ワークロードに見合うだけのリターンがあるかを評価する必要がある
    • ネットワークに関することをクリアする
    • いくつかのコアとなる基盤を構築する必要がある
    • データ保存にコンプライアンス要件がある場合、AWSデータパートナーと強力してプライバシー・セキュリティポリシーを定義する必要がある
    • データ転送のためのツールやソリューションを設定する

  • AWSのサービスの開始には地域によるラグがあったが、現在の北京・寧夏リージョンではいずれもコアサービスを含むすべてのサービスが利用可能、各リージョンで同じテクノロジーが利用できる
  • 一例を上げると、Sage Maker Studioは世界でも3〜4リージョンでしかなかった最初のパッチリリースに北京も含まれていた

  • データセンターの設計やネットワーク接続の面では、冗長性と高可用性のための基準を設けている
  • インターネット接続に関しても、主要キャリアとISPをBGPコネクションで接続
  • ご承知の通り、中国ではデータ転送コストが非常に高い問題がある
    • 対策としてコストを削減のためStaticBGPという製品を作成した
  • IPv6にも対応
  • 各リージョンでは3つのAZを持ち、それぞれ冗長なトランジットセンターを持つ

  • 香港リージョンはグローバルリージョンの一部となっており、中国本土には北京リージョンと寧夏リージョンがある
  • 北京リージョンと寧夏リージョンはデフォルトで接続されているので、北京リージョンのVPCと寧夏リージョンのVPCをワンクリックで簡単に接続が可能
  • クロスボーダーダイレクトコネクション
    • VPCダイレクトコネクトする場合に、データ変換が必要となる場合がある
    • そのためにグローバルのマーケットプレイスで公認のISPsを使用することで、外部のリージョンと中国のリージョンとをセキュアに接続することができる
    • これをしなかった場合、顧客は自分でISPとの契約を調達する必要があり、これには4〜8週間かかるが、マーケットプレイスのISPでは実装までわずか1週間で完了する

  • セキュリティのベースラインの核となる基盤を設定する必要がある
  • 組織のセキュリティを設定する必要がある
  • AWS Organizationのアカウントは、グローバルのコンソールとは別のコンソールを使用している
    • 北京リージョンと寧夏リージョンのピアリングは統合することができる
  • CI/CDパイプラインの構築
    • TerraformやCDKなど、使い慣れたツールをすべて使うことができ、インフラの構築を自動化できる
  • AWS China内部のTipsなど
    • 例えば、コンソールURLの違い
    • APIエンドポイントの接尾辞など

  • AWSのパートとAWSパートナーのパート、そしてソリューションアーキテクトチームとBDチーム、さらにすべてのコンサルタントのチームでお客様に適切なツールと適切なソリューションを提供することを目的としている
  • ポリシーに関しては、私たちは非常に包括的なパートナーネットワークを持っており、お客様の技術チームや法務チームと協力して、データプライバシーとセキュリティに関するポリシーを設計することができる

  • 国境を超えたデータレプリケーションの仕組みを構築するための2種類のサポートを提供
  • Deta Transfer Hub
    • グローバルS3バゲットをAWS ChinaのS3バゲットに転送可能
    • ECR間でのDockerコンテナの転送・複製が可能
  • Popular Solutions Guidance
    • このガイダンスに従ってデータ転送やデータレプリケーションプラットフォームのセットアップを順を追って行うことができる

まとめ

中国のクラウド市場の状況と、AWS Chinaとグローバルなパートナーシップをとるための考慮点がわかるセッションでした。

中国でのクラウド市場はまだ始まったばかりなのにも関わらず、既に世界の7大クラウドであり、まだ中国全体の投資としてはごく一部であるという点に驚きました。

また、AWS Chinaとのパートナーシップにおいて障壁となってきた規制などの問題点についても様々な対策がなされており、今後の大きな可能性を感じました。