【レポート】【re:Mars 2019】re:MARSにJeff Bezosがやってきた!インタビュー内容を抜粋してご紹介!  #reMARS

【レポート】【re:Mars 2019】re:MARSにJeff Bezosがやってきた!インタビュー内容を抜粋してご紹介! #reMARS

Clock Icon2019.06.07

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せーのでございます。
只今私はAmazon初めてのAI・機械学習系カンファレンス「re:Mars 2019」に参加するため、アメリカはラスベガス「Aria Casino & Resort」に来ております。

3日目のKEYNOTEではなんとAmazonのCEO、Jeff Bezosが登場しました。
Amazonのforecasting and capacity planning Director、Jenny FreshWaterさんを聞き手に約30分に渡ってトークを繰り広げました。

レポート

Jenny: ジェフ、参加いただきありがとうございます。とても幸せです。ジェフとの時間は限られています。早速始めましょう。
Dave Lyftがあなたのライブラリの話をしていました。「Builders」と「Dreamers」についてもう少し教えてもらえますか。

JB: BuildersとDreamers?そのフレームワークはとてもシンプルです。Dreamersは最初にフィクション作家からインスパイアされます。ご存知のようにAlexaはスタートレックのコンピュータからインスパイアされました。まずDreamersがきて、Buildersが彼らからインスパイアを受ける。そしてBuildersが実際にものを作り、Dreamersはそこから新たな夢を見る基盤を得ます。
ちなみに私がそれを説明すると、どうもそれぞれ違う人種のように聞こえます。ですが実際にはDreamersもBuildersも一人の人の中にあって、私たちはみんなDreamersであり、Buildersなのです。それらは人によって違う割合で違う流儀です。
私たちはみんなその能力を持っています。夢を見て、それを現実のものとするという繰り返しができるのが人間の能力なのです。Dreamers はBuildersが実際に作り上げないと夢を見続けることはできないし、それぞれはそれぞれの肩の上に乗って立っているのです。

Jenny: Amazonは常にLeadership Principleについて話していますね。あなたは沢山の人から(そう言う話を聞くのが)大好きだ、と言っているのも聞きます。

JB: そうですね、色々な人が正しく言っています。

Jenny: いいアイデアですね。どうやって沢山の人と?

JB: いい質問ですね。ある人は沢山本を書きます。それは特別役に立つというわけではありません。特に何かアイデアがあるわけではない、ただの希望の一種です。しかし私は色々な人に注意を払っています。沢山の正解をもつ人々を観察し、いくつかのパターンを見つけました。
沢山の正解を持つ人は、沢山話を聞いているのです。また彼らは沢山考えを変えてもいました。とても興味深いのですが、例えばあなたが考えを変えたとすると、Flip-Flopper(考えをコロコロ変える人)となります。すぐに不適格なのではないか、と思われます。ですが私が見てきた人たちはすぐに考えを変えるのです。
私が何か説明すると、誰かがこう言います。あなたは新しい情報を手に入れると、すぐに考えを変えると。そのとおりだと思います。しかし私が見つけたのは沢山の正解を持つ人は考えを変える、新たな情報が無かったとしても、最初から同じ情報しか持っていなかったとしても、彼らは常に新たな物事に気づき、新たな結論にたどり着くのです。
世界は常に動いています。あなたが考えを変えた時、しばしばそれが間違っていることもあるでしょう。それは事実です。しかし最終的な結論として、彼らは自分自身を精進させるために一生懸命働くことを私は知っています。
人は根本的に偏ってることが無いか確認したがります。これは非常に不自然です。人間にとって集めた証拠は一部に過ぎないのですが、バイアスがかかっていると、そのバイアスを確かめるために証拠を探します。それは非常に人間らしい行為です。そしてそれはしばしば間違いに繋がります。一方あなたがそこを突破できれば、私はあなたのアイデアを大事にします。私がそのアイデアが正しいという証拠を探します。あなたがそれを出来るならもう一歩先に進みます。

Jenny: 私たちはAmazonの考えに賛成しているからこそ、あなたと働いているんだと思います(笑)。でももしあなたが今のようになっていなかった場合、あなたはどうしていますか?

JB: そうですね、まずは働いてもらっていることに感謝します。
私はこの仕事を愛しています。オフィスに駆けつけ、100の仕事をこなし、とても幸せなエンジニアになっていたでしょう。

Jenny: あなたのアイデアについてサポートを勝ち取る際、何か問題はありますか?

JB: Yes、No、両方あります。これはいい、というアイデアがなかった場合、他の人のようにサポート体制を作らなくてはいけません。あなたにはアイデアを前に進める、賢い人間になる必要があるからです。私たちは「disagree and commit(反対の意見だったとしても一度コミットしたら全員がそれに従う)」と呼ばれるAmazonのLeadership principlesフレームワークがあります。これはとても役に立ちます。アイデアを話し合った後は、決断し、前に進む必要があるからです。チーム全体がそれにコミットする必要があれば、たとえ実はそれに反対だとしても。
ただ大事なことは、それは両方向に働くということです。あなたのボスは常に自分の考えにコミットしろ、という人間ではありません。結構あることなのですが、反対もします。でも私も「disagree and commit」を実践する一人なのです。
それには色々理由があります。例えば、あなたが道を歩いています。5人の人が近づいてきてあなたにこう言います、「酔ってるでしょ」。しかしあなたはここ一年お酒を飲んでいません。そんな時、あなたはそのまま進むべきなのです。何かは起こっているのです。そしてそれは―

Jenny: 正しいアドバイスよね(会場笑)。

JB: あなたと一緒に働いている人々はあなたと同じくらい情熱的で、それぞれ自分のアイデアを持っています。そしてあなたが上司の場合、しばしばあなたがやろうとしていることの方がより良い方向性を描いています。ですので例えあなたが違う経験値を持っていて、その経験がより関連性の深いものだったとしても、その事柄に関してはあなたと働いている人の描く方向性にたどり着くことはできないでしょう。
ですので上司のあなたが「desagree and commit」する人になるべきです。私に強い思いがあって、チームが私に反対した時、私はよく使うフレーズがあります。それは「I want you to gamble with me on this(この事は私とギャンブルしてほしい)」です。
こういう言い回しになるのは「私が正しいことを言っている」ということでは無いからです。あなたがそのような立場にいて、どれが正しい答えなのか誰にもわからない時、あなたは「正しいことを言う」のではなく「それをやる」のです。正しいかどうかはわかりません、でも私はみんなにそれをして欲しいと思っています。そしてみんなはそれに反対し、そしてコミットしてくれます。これは本当に時間の節約になります。
もしあなたがその部屋の最後の一人にまで、完全なコンセンサスを取らなければいけないとしたら、こんな事は起こらないかもしれません。ただ、ものすごい時間を消費します。ですので、何かをやるときにはこう出来ることはとても価値のあることです。「私は決して賛成できません。多分うまくいかないと思います。でも私は"あなたがそれでいいと言ったから"とは決して言いません。私はチームの一員として、それがうまくいくようにやることは全てやります」

Jenny: 次の10年間をどう予測しますか?

JB: 私はクリスタルボール(未来を見通せる力)は持っていません。ですので次の10年を予測したフレームは作るのが難しく、たいてい間違っています。いい所は誰もチェックしないことですね(会場笑)。
30年前40年前のロボティックスやコンピューターサイエンスを振り返ってみると、その時代、機械学習関係で働いていた人は、マシンビジョンや自然言語の理解や把握についての問題を解決するのは難しいと思っていました。ほとんどの人は自然言語の把握は最初に解決すると思っていたかと思いますが、実際にはそれは信じられないくらい難しい問題だとわかりました。おそらくそれは私たちがマシンビジョンで一部問題を解決し始めているからだと思います。最初はマシンビジョンがくるべきだった。しかしそれはとてもチャレンジングな、やりがいのある課題です。そして収益から外れたところですが、バイオテクノロジーは驚くべき発見が出てくると思います。
バイオテクノロジーは素晴らしい分野で、劇的な進化を見届けることになると思います。そして機械学習やAIでも沢山の進化が繰り返されるでしょう。とても興味深いことです。
多分わたしは今後10年の変化について沢山聞かれることになるでしょう。逆に「今後10年で変わらないものはなんですか?」と聞かれることはめったにないと思いますが、それこそがより重要です。なぜならその答えこそがあなたの今日現在やっている活動が10年後にもモノになる、という自信になるからです。
競合他社が誰であるか、その活動がどのようなものかなど、動的に変化するものに基づいて戦略を立てると、常に変更する必要があります。あなたがそれを顧客ニーズに基づくものにするのであれば、安定します。私たちが商品をより速く配達するためには何ができるか?より安い価格で提供するには?ほかにも色々とあります。それが本当に重要な質問なのです。自分自身のビジネスに問いかけてください。時代に関わらず安定しているものはなんですか?変わらないものは何でしょう?これらのことはとても大きく、そして基本的なことです。そこにエネルギーを注ぎ込みましょう。

Jenny: この数日間で沢山の大きなアイデアを私たちは話しました。ここ最近のAmazonで行った大きなチャレンジについてお話していただけますか?

JB: 最近のものですと、LEO(低軌道衛星)についてのプロジェクトになりますね。地球上全ての場所にブロードバンド(ネットワーク)を敷こう、というお話です。しかしご存知のように、地球の低軌道上に何千もの衛星を置く、というのは静止衛星とは本質的に違います。そしてシステム上、ブロードバンドと同じように地球全体で全く同じにはならないんです。残念ながら、Pole(極)に少し寄ってしまう傾向があります。しかし低域幅の地域、農村部や遠隔地などにアクセスできます。これは人間の基本的なニーズに答えられるはずです。
私たちは前に進みます。それはProject Kuiper(このプロジェクトの名前)にとって、Amazonにとって非常に良いビジネスです。なぜなら非常に高価な、数十億ドル規模のCAPEX(設備投資のための経費)となるからです。Amazonは今やとても大きな企業ですので、それをやる必要があります。そしてもし私たちがそれをやり遂げた時、針が動き出すのです。そのためなら小さなことです。

Jenny: 逆に言えば、うまく行かなかった時はどうしますか?いつタオルを投げるのか、どうすればわかりますか?

JB: これは私の良くない点の一つかもしれませんね。私は一つの大きなアイデアに対してはとても頑固です。詳細については柔軟なんですが、取り組んでいることそのものを諦めるのは好きではありません。そして私は気づきました。失敗に向かっている時にタオルを投げ入れるべき答えを。つまり、いつ止めるのか、これは壁に頭をぶつけている状態なのか、いつか頭はなくなるのか(笑)。
私がよくするのは、部屋の中を見回すことです。そして「 last high-judgement champion」がタオルを投げた時、それが止める時です(注: そのアイデアを支持している最後のマネジメント陣が無理だと判断した時が撤退の時期である)。
それは大抵私です。でももう一度トライさせてください。部屋の中にはタオルを投げる準備をしていない幹部がいます。私はその人を何十年も知っています。長年安定して一緒に働いてきたチームです。彼らの判断は素晴らしいことを知っています。そして彼らはまだ希望が残っていると考えています。私たちはその希望を探し続けます。

Jenny: もう一つ会社を持っていますよね? スペース事業の会社「Blue Origin」(会場拍手)。少し教えてほしいのですが、なぜ月なのですか?

JB: そうですね、「Blue Moon」というプロジェクトがあります。月の着陸船を作って、月に戻るためにやっています。月は地球の隣人としての豊富なリソースがあることがわかりました。
現在私たちは月についてアポロ計画の頃や、つい20〜30年前でさえわからなかった事実を沢山知っています。例えば極にあるクレーターには氷の形で水があることを知っています。これはロケットを作ろうと想像するに至る、貴重な資料です。
そして月の重力は非常に低いです。約1/6です。それはつまり地球で掘削するより24倍少ないエネルギーで済む、ということです。これはとても重要なことです。
月は地球に非常に近く、便利です。たった3日であなたを打ち上げます。もう20ヶ月も打ち上げを待つ必要はないんです。ロジスティックスにはとてもいい場所です。

宇宙で大きな事をするためには、宇宙のリソースが必要です。月は素晴らしい。私が月にいく理由、それは地球を救うためです。私たちは文明を成長させ続けるために動き、話し合います。私たちの孫も、そのまた孫も生き続けます。これは私たちの世代で完結することではありません。私たちは地球からヘビーな産業を移す必要があります。宇宙でうまくいけば、電力へのアクセスはより簡単になるでしょう。
そして地球は軽工業や住宅用の場所となるでしょう。それが未来です。もし成長し続けたいなら、そうすることが重要です。私たちはこの星を守り続ける必要があります、ですのでロボットによる探査を提唱しています。
現在の様々な太陽系惑星において、これはとても良いことです。まだ先の話ですが、守っていく必要があります。宇宙に行くことによってそれが可能となるでしょう。

そして最も必要なのは、再利用可能な打ち上げロケットです。全てを拾ってX-Railで持ち帰って組み立て直すことは出来ませんので、最初からリーズナブルに、普通の旅客機くらいで設計しなければなりません。
さらに宇宙での軌道を変えることができます。これも非常に高くつきます。インフラを取得するのはいつも高額なのです。
Amazonを1994年に始めた時、資本は非常に少額でした。それは交通インフラがすでに存在していたからです。ジョージア州にある米国郵便局が成長させたので、交通ネットワークを増築する必要がありませんでした。数十億ドルのバックがある場所でした。クレジットカードという支払いシステムも既にありました。長距離電話のためにテレコムネットワークがありましたが、インターネットがすぐにTOPに成り代わり、AmazonやFacebookのようなインフラは文字通り寮の部屋から始められた、いい例です。
しかし今日現在、宇宙事業は寮の部屋からはできません。入場料が高すぎるのです。それはインフラが存在しないからです。
ですのでBlue Originにおける私のミッションは、私が米国郵政公社の上で立ち上がったように、ヘビーなインフラ構築を支援することです。これは大変なことです。そしてこれこそがユーザビリティです。私たちが次に月でやるべきことは、このリソースです。

Jenny: 月にAmazonの倉庫を作る?

JB: それは、、、いい、、質問だね(会場笑)。液体水素や液体酸素の配達は世界的にスタートしてるけど、小規模だ(笑)。でも非常に重要なものです。

Jenny: もう一つ質問します。ここには沢山の起業家がいます。ここにいる、ビジネスを始めようとしている人に何かアドバイスを。

JB: たまにこの質問をされます。いくつかピースがあります。あなたがもし起業家になりたいのであれば、最も重要なことは顧客に夢中になることです。彼らを喜ばせる方法を見つけたとしても絶対にそれで満足しないでください。それが一番重要です。顧客に対して情熱を持っている人は誰でもものづくりに情熱を傾けなければいけません。そうしなければ、同じくそこに懸命になっている人たちと競争することになるからです。その人達はより良い製品やサービスを作るでしょう。あなたは傭兵にはなれません、宣教師でなければいけません。
逆に言えば宣教師は正しい分野に情熱を注ぐためにも、より稼がなくてはいけません。そのためにはリスクをとることです。
あなたがビジネスのアイデアを思いついたとします、そしてそれがノーリスクだったとします。そのアイデアはおそらく既に行われています。たくさんの人達によって、そのアイデアは既にうまくいっています。ですので「うまくいかないかもしれない何か」を見つけなくてはいけません。あなたは自分のビジネスがいろいろな意味で実験的になることを受け入れる必要があります。失敗するかもしれません。でも大丈夫です。それがリスクです。
Amazonにいいニュースがあります。私たちは未だ、常にリスクを取り続けています。私たちはリスクを奨励し、失敗について話し合います。私たちは失敗しなければいけません。その失敗が会社を成長させます。大きな失敗が必要です。針が動くためには、数十億ドル規模の失敗が必要です。もしそうなっていないなら、それは打席に立ってバットを振っていないということです。みんな、あなたが打席に立って、思いっきりバットを振ることを知っています、そしてあなたはホームランを打つのです。しかしあなたは三振もより多くする。
この例えが現実のビジネスと違うところは、何かを発明している時、思いっきりバットを振った結果ホームランになった時の最大に入る点数です。あなたが思いっきりバットを振ったら、数1000点入るホームランを打つことができるのです(野球は最大満塁ホームランで4点)。ですのでリスクは最小限に抑えられます。
あなたは沢山失敗するでしょう。でも大丈夫です。「大丈夫」というカルチャーを育てることが必要です。
私のアドバイスは以上ですが、これはあなたがビジネスの中で発見し、考えられるうちのほんのわずかなことです。ちなみに今言ったことは別にAmazonで行うスタートアップである必要はありません。あなたがfortune 100の企業で働いていたとしても、同じ起業家としてのマインドセットを持っているべきです。あなたの会社の中で広めてください。その会社の中に残すべきです。チームメイトにはリスクを取り、顧客に熱中するように促しましょう。これらはスタートアップだけじゃなく、企業の内部でも同じように機能しますよ。

Jenny: ジェフ、本当にありがとうございました。

JB: こちらこそ、ありがとうございました。

まとめ

以上、めったに無いことなので、私の英語力を総動員して書いてみました。現場にいた方のご指摘、大歓迎でございます。
明日はいよいよ最終日、ブログをお楽しみに!

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