【レポート】セッション「Bridging the Digital Skills Gap and Enabling the Workforce of the Future(デジタルスキルギャップを埋め、未来の労働力を可能にする)」– Alteyrx Inspire 2023 #alteryx23
こんにちは、まつおかです。
2023年5月22日(月)~5月25日(木)まで、アメリカ・ラスベガスで開催されたAlteryxの年次カンファレンスイベント「Inspire 2023」に現地参加してきました。
当エントリではイベント3日目に行われたセッション「Bridging the Digital Skills Gap and Enabling the Workforce of the Future(デジタルスキルギャップを埋め、未来の労働力を可能にする)」のレポートをお届けします。
セッション概要
当セッションの概要は以下のとおりです。
概要
It’s no secret there is a widening skills gap in the market and employers are in need for skilled data workers. During this session the Alteryx SparkED education program will bring together a panel of educator and industry leaders to discuss the critical digital skills gaps and the steps both higher education and industry can take to help address those gaps.
市場にはスキルギャップが広がっており、熟練したデータワーカーを求める雇用主が増えていることは明らかです。このセッションでは、Alteryx SparkED教育プログラムが、教育者や業界リーダーのパネルを結集し、重要なデジタルスキルのギャップについて議論し、大学教育と産業界がどのような手段を講じてそれらのギャップに取り組むことができるかを検討します。
登壇者
- Jason Belland 氏
VP SparkED, Alteryx - Sarah Eisenberg 氏
Manager, AMAZON - Christine Cheng 氏
Assistant Professor of Accountancy
セッションレポート
自己紹介と、Alteryx の利用ついて
- Jason Belland 氏
- Alteryx SparkED教育プログラムを担当
- SparkED教育プログラムは世界中の学習者、教育者、顧客を結びつけている 約1000の教育機関、約15万人の学習者、9000以上の顧客と連携
- 軍事関係者のコミュニティを協力にサポートするため、現役軍人や軍務からの移行者に対して無料のライセンスと教育を提供することを発表
- 全ての人がAlteryxライセンスや教育にアクセスし、将来だけでなく現在の分析業務につながる機会を楽しみにしている
- Christine Cheng 氏
- ミシシッピ大学の助教授
- 2018年から勤務し、世界初の税務とデータ分析の修士プログラムを作る機会を得る
- Alteryxをプログラムの一部として取り入れる機会があり、税金をテーマに教えている
- 担当するクラスでは最初からAlteryxを使用し、解析方法やクリティカルシンキングを学ぶ
- 「大きな利益を上げる企業がなぜ税金を払わないのか」という問いにどう答えるか、このプロセス全体を通じて学んだことを理解した
- Alteryxのおかげで問に集中でき、起こりうる無数の理由をクリティカルに考える方法を学ぶ
- 将来に向けより良い税の世界を作ることが可能
- Sarah Eisenberg 氏
- Amazon Transportation Services にて、輸送オペレーションマネジメントの労働計画チームを指揮
- インディアナ州ノートルダムのセント・メリーズ・カレッジでコミュニケーションについて学んだ後、商業用不動産業界に就職し、市場や地理に関する知識を身に着け不動産の収修士号を取得
- 用地選定コンサルティングに携わり初めてAlteryxに触れる
- Alteryxを使用し労働調査を実施、労働コストと労働の可用性を考慮した最適な不動産の場所を企業に推奨
- その後Amazonに転職し、3年半ほど輸送、労働計画を担当
- 当初はスプレッドシートで労働計画を立てていたが、リーダーの質問に答え、うまく労働計画を立てるにはAlteryxが必要だと気付く
- 現在は全員がAlteryxを使用し毎日アドホックな分析を実施
採用やスキルアップ支援時に求めるスキル
- Sarah Eisenberg 氏
- 迅速に答えを出す必要のある問題に日常的に対応しているが、ツールやモデリングスキルに精通した人材が集まっておりそこにギャップがあるわけではない
- ギャップを感じるのはモデルを構築、大規模なデータセットを抽出し、ビジネス上の問題に答えを導き出す能力があるかどうか
- 重要なのはデータでストーリーを語ることであり、データを使いリーダーが理解できるよう迅速に伝えること
- モデリングやツールではなく、モデルに何が入り、何が出てきて、それがビジネスにとって何を意味するのかを本当に理解する能力が必要
- Jason Belland 氏
- スキルや資格のポートフォリオを作るという話があるが、技術的なスキルに加え、ストーリー性のあるプレゼンテーション、情報の抽出、要約、経営者の賛同を得るためのスキルについて考えることはとても重要
- Christine Cheng 氏
- 私が可能なことは学生を雇用する企業パートナーに相談することであり、企業パートナーは学生たちのニーズをよく理解している
- 企業からはコミュニケーション能力、プレゼンテーション能力、クリティカルシンキング、問題解決能力が欠かせないと聞いている
- どうすれば学生がストーリーを語りたくなるか、語りたくなるような質問を与えることができるかを考えている
- 税金の分野では個人的なプランニングの観点や、より広い政治的な議論からも学生たちが刺激を受けられるような興味深い質問がたくさんあり、その興味を活用することで学生たちはストーリーを共有する効果的な方法を見つけることができると思う
- Jason Belland 氏
- 学生をどのように指導しているのかもう少し詳しく教えてください
学生への正しい促し方、フォローアップの質問など、どのように学生を挑戦させるようなことをしているのでしょうか
- 学生をどのように指導しているのかもう少し詳しく教えてください
- Christine Cheng 氏
- 学生たちはスタート地点もゴールも違うが、私たち教育者としてのゴールは学生が安心して質問できる環境を作り、信頼関係を築くこと、夢中になれる環境を作ること
- 悪い質問は存在しない
質問に対してより多くの情報を引き出せるよう様々な方向を示す
どのプロセスにいるのか、どこを目指す必要があるのか、興味を持っていることはなにか、など
- Jason Belland 氏
- リーダーシップの観点からこれはとても重要である
- Sarahはチームリーダーとして、彼らがどのような状況にあるのか、新しいスキルを得るために彼らをどう助けるのかという点についてはどうお考えですか?
- Sarah Eisenberg 氏
- 私の以前の上司たちが難しい質問を私に投げかけそれに応えることができると信じていたことを思い出し、そのアプローチを取り入れた
- データに基づき回答するよう求めており、それはビジネス上の意思決定のための推奨事項となる
- 難しい質問に応えることで自信がつき、さらに難しい問題に取り組み事ができる
- 専門家としての力を発揮してもらうよう権限を与えることで個人の成長とビジネスの側面でも非常に価値のあるものとなる
Alteryxのスキルがキャリアに役立ったこと
- Jason Belland 氏
- 分析スキル、特にAlteryxのスキルがどのようにチームメンバーのキャリアを変えるのに役立ったかについて教えてもらえますか?
- 彼らが行っている仕事が自分だけでなく組織のチームにも与える影響を共有できる程度になったのには何があったのでしょうか
- Sarah Eisenberg 氏
- 9人のアナリストを採用したのは昨年、チームでの在籍期間が1年目に突入、この1年でチームはとても成長した
- 彼らはアナリストの役割を担いAlteryxを活用し、トレーニングやスケジューリング、計画などの高レベルのモデル構築も担当
- その中の一人、Andrew Edwardsのエピソード
- 9年前にAmazonで働き始め、当初は季節労働者として休日シーズンだけの予定で箱詰めを担当
- その後プロセスアシスタントや出荷係として昇進、輸送組織に入った後、Sarahのチームに推薦され輸送と労働計画に参加、Alteryxを使い始める
- 昨年はリスクモデルのひとつを担当し、大量イベントのリスクを可視化、最近更に昇進し、Alteryxで複雑なモデルに取り組んでいる
- チームが取り組んでいる難しい質問はキャリアにも大きな影響を与える
- AndrewをはじめAlteryxを使用している人々は、今の役割だけで終わらせるのではなく、次のキャリアに活かす
Alteryxの認定や学位
- Jason Belland 氏
- 学生や卒業生が持ち込む学位や資格、その他のポートフォリオの要素について、どのように捉えていますか?
- Christine Cheng 氏
- 私のクラスでは100%の生徒がAlteryxの認定を受けており、80%がCore認定を取得
- 学生はデータ分析の必要性を知っているが、約3分の1はExcelすら聞いたことがなくAlteryxについては全く知らないため、複雑な質問に取り組む方法を知らないままやってくる
- そんな中でAlteryxは学生に自信をつけるツールであり、積極的に調査し、積極的に学ぶ
- 認定は学習の締めくくりのようなものであり、第三者により証明してもらえるものであり、新たなキャリアの機会となる
- Sarah Eisenberg 氏
- 私も同感であり、Alteryxをチームに提供し難しい質問に応えることで自信が変化するのを見てきた
- もう一人、チームメンバーであるMariniのエピソード
- Amazon入社前、LinkedInで「データ分析、Alteryx、Amazon」と入力したところ、Sarahの名前を見つけ「Sarahが求人していたらぜひチームに参加したい」と言ってくれ私もそれを受けた
- Mariniはネットワーク用のAlteryxモデルを運用しており、チームにとって素晴らしい存在でありこのような繋がりができて本当に良かったと思う
- 採用担当者はAlteryxが自信を与え難しい質問に答えを出すことのできるツールであるということを知っている
- 私は履歴書にAlteryxの記載を探し、資格や認定を探す
- Jason Belland 氏
- 学校側は卒業生が価値を発揮できるようどのようなことができますか?
- Christine Cheng 氏
- 企業や卒業生と積極的に連絡を取ることで、学生がどのようなスキルセットを求められているか、入社時に不足していたスキルなどを尋ねアドバイスを求める
- スキルが不足している学生がいても問題はなく、プログラミングやコンセプトの観点からこちらが何を求めているかを正確に伝えることが大切
Q&A
- 日々急速に変化している中で常にスキルアップやリフレッシュが必要であることをどのように考えていますか?
- Christine Cheng 氏
- 企業側が求めるものに学生が対応できるようにしたいのであれば、同じスキルセットを複数のツールで教える
- 組織に入り別のツールを使っていたとしても尻込みせず成長マインドを持たせるため
- 私の仕事は彼らが「できない」ではなく、「まだできないが学ぶ意欲はある」という姿勢を身につけること
- 適応力があれば次に何が来ても成功すると考えており、新しい技術、新しいアイデア、新しいスキルを取り入れ、物事を成し遂げるために、異なる方法で物事を考えることを望んでいる
- Sarah Eisenberg 氏
- 私は常に「やって学ぶ」という思想で行動しており、それが一番の学習方法だと思っている
- Alteryxは直感的で、特に学習パッケージなど私のチームにとって手に取りやすいものだった
- プレッシャーや早いペースで進む環境の中でどう動くか、それを理解できるよう学生を導くことが成功への準備になり学び続けることができると思う
- 私はマネージャーだが根っからのアナリスト
リーダーとして質問して、インプットと仮定を理解、モデルやアウトプットで何が起きているのかを理解できるアナリストであり続けることがとても重要
- Christine Cheng 氏
- 大学で会計を教えていたが、Alteryx導入時、管理側に対し投資する価値をどのように納得させたのですか?
- Christine Cheng 氏
- 管理部門はツールに関して私に大きな信頼を寄せてくれたが、それに加え企業から多くの要望をもらった
- LinkedInでもAlteryxは上位に出ており、学生を雇う側からの意見を見れば管理側も納得する
- Sarah Eisenberg 氏
- Excelを使ったユースケースで100以上のサイトの12週間先まで1時間単位で予測するよう求められたことがあり、過去のデータを取り込むとExcelがクラッシュすることが判明したためAlteryxで再構築し共有できるようにしたことがあった
- より効率的に、より正確に、より持続的に、グローバルにスケールアップすることができるAlteryxは必要だと思った
- Christine Cheng 氏
さいごに
以上、セッション「Bridging the Digital Skills Gap and Enabling the Workforce of the Future(デジタルスキルギャップを埋め、未来の労働力を可能にする)」のレポートでした。
今の世の中、どんな業界や部門でもデータドリブンが必要とされることが多いと思います。
人には何事も向き不向きがあるので万人が身に着けないといけないとは思いませんが、経験する機会があるかないかがその後のキャリアに与える影響は非常に大きいと思います。またそれはスキルの吸収力が高い学生の間に出会えるとより良いと私も感じています。
企業側も単にスキルを求めるばかりではなく、教育機関へ具体的な働きかけや協力をしていく必要があるのではと感じたセッションでした。
おまけの小ネタ
(ここからはセッションとは関係のない、アメリカ出張に関する小ネタです!)
ラスベガスでのイベントが終わって日本に帰ってきた際、希望した場合だけパスポートに入国スタンプを押してもらえると知って気付いたのが「アメリカで入国スタンプ押してもらってない!!」でした。(それまでまったく気付いてなかったのですが・・・)
コロナ禍の間にパスポートの有効期限が切れ、まっさらのパスポートを持って挑んだ今回。この先10年でスタンプいっぱいにしたいな~なんて思っていたのに、早速押してもらってないとか!とショックを受けていたのですが、なんと、アメリカへの入国スタンプは段階的に廃止されているんだそうです。
アメリカへの入国の記録は「I-94」と言われる外国人の出入国記録情報で管理されており、2013年4月から一部デジタル化されてオンラインで確認ができるようになったんだとか。
ということで、早速以下のサイトから確認してみました。
ページ上部にある「GET MOST RECENT I-94」をクリック
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この情報は CBP One というスマホアプリでも確認できるそうです。
いろんなデータがデジタル化されることにより効率化が図られるのは大歓迎ですしむしろ促進する立場にいるのですが、パスポートへの入国スタンプは残しておいてほしいなと思いました。。。
新しいパスポートのスタンプ押すページがステキなデザインになっていたので、アメリカのスタンプとても楽しみにしていたのですが、また他の国で押してもらえるよう頑張って働きたいと思いますw