[レポート] プロダクトマネージャー自身の非連続な成長とそれを実現するキャリア構築とは? #pmconf2021
2021年10月26日(火)、プロダクトマネジメントに携わる人たちが共に学び、切磋琢磨するイベント『プロダクトマネージャーカンファレンス2021』がオンライン形式で開催されました。
当エントリでは、ブレイクアウトセッション『プロダクトマネージャー自身の非連続な成長とそれを実現するキャリア構築とは?』の参加(視聴)レポートをお届けします。
目次
セッション概要
セッション概要は以下の通りです。
プロダクトマネージャー自身の非連続な成長とそれを実現するキャリア構築とは?
[登壇者]
・曽根原 春樹氏(LinkedIn / Senior Product Manager)
・松永 拓也氏(株式会社クライス&カンパニー / キャリアコンサルタント)
[セッション概要]
事業の非連続な成長および、それを実現する非連続なプロダクトを作り出すためには、担当するPM自身も非連続な成長、変化が求められます。
本セッションでは、「プロダクトマネジメントのすべて」の共同著者でもある曽根原春樹氏をお迎えし、曽根原氏のこれまでのキャリアを紐解きながら
・各キャリア選択の場面で、どんなことを考え、チャレンジしたのか
・新しいチャレンジをすることが、プロダクトマネージャーの成長にどのようにつながったか
・どんな経験を、どんなタイミングで取りに行くのが有効か
・日本の転職市場においての非連続なキャリア構築とは
などについて、クライス&カンパニーの松永によるインタビュー形式でお伝えしていきます。
(※以上、公式サイトより引用)
セッションレポート
はじめに
- プロダクトマネージャーのキャリア形成における「キャリアの幅」について考えるセッション
- 守備範囲が非常に広い「PM」という職種のキャリア形成において、以下のポイントについて話していく
- どんな経験を取りに行くのが有効なのか
- 強みを持ちつつ、幅を広げる方法
- 曽根原氏プロダクトマネジメントの考えを広めたい、という思いからUdemyで講座を設けて展開している。計6講座、現在受講者人数6000人超とのこと。現在第7弾の講座も開講予定とのこと。
キャリアに形成における「非連続」なタイミング
曽根原氏のキャリアヒストリーをまとめたものが以下。セッションはこの内容を踏まえて展開されました。
- この図を見るだけでも、非常に色々な経験をされている。
- キャリア形成で非連続な部分が赤(ピンク)の丸がついている部分。
- 自身のキャリアの中で非連続となる部分、いわゆる「ジャンプした」ところについて。
- 各ポイントで共通していたことは「(ジャンプしたことで)自分の視野が格段に広がった」点。
- 大企業(CISCO)からスタートアップ(Jupiner)へ移った際は、何から何まで「全部やり方が違っていた」。何をプライオリティに掲げ、どうやっていくか、戦い方から全て。ここはCISCOにずっと居た状態では得られなかった部分。
- 日本から米国に移った時もそう。日本に居る分んは周りの人もほぼ日本人だが、米国ではそうではない。大きな環境の違いもあり、色々学んだ。
- これまで自分がしてきた仕事がガラリと変わることで、予想してなかった気付きが得られた。
コンフォートゾーンから出てチャレンジしていく
- 「やってみないとわからない」という部分について、ここに怖さはあったか?
- 怖いのは勿論。米国では良く「計算されたリスクを取りなさい」と言われる。
- リスクを取るにしても、これを失敗したら命が無くなる、とかまで行っちゃうとあれだけど、身を削るようなリスクとかで無ければ、むしろやっていった本当に自分のやりたいことを知れる良い機会になる。
- 米国に渡った際、当時のメンターから言われたことは「知りたいもの「求めたいものを得たいんだったらリスクを取らないと発見出来ない」ということ。コンフォートゾーンから出ないといけない、プロダクトマネージャとしてして思い切ったことをしなければならない、どうやって新しい考え方とか体験を考えなきゃいけない、となるとコンフォートゾーンから思い切って出ていく・チャレンジしていくことが重要となる。
「計画された偶発性」を取りに行く姿勢
- キャリア議論の中でも「計画された偶発性を取りに行く」というのがあるが、そこに通じる話だと思った。考えもしなかったことを考えるようになった、視座がグッと上がったというところがあったかと思うが、ここは意図的なものだった(視座を取りに行こうと思って行動した)のか、それとも想定外な部分はあったのか?
- 米国に行ったとき、当初からプロダクトマネージャになれた訳では無かった。
- カスタマーサポートエンジニアからのスタート
- プロダクトマネージャーは意識はしてたけども、なかなか辿り着けなかった
- 当時PMに応募するけど入れなかった。自己分析してみると自身のこれまでの経歴はプロダクトマネジメントの世界からみたらほんの一部だったことに当時は気付いてなかった。
- まずはカスタマーサポートではない、別のところで経験を積まなければならないと感じ、テクニカルマーケティング職に移った
- これは幸いにも米国にはプロダクトマーケティングのいちファンクションとしてこの職があった
- この人達はマーケの靴をはいてるけどやってることはエンジニア、ハンズオンな動きをしていた(競合他社の製品を並べて性能比較/合弁ソリューションのテスト/新機能のデモ)
- ただ 決定的に違うのはプロダクトセットで動くことだった(PMの意図を汲んだデモをする必要があった)
- PMの仕事を間近で見れたことは非常に貴重な体験だった
- カスタマーサポートをやってた身からすると、如何に自分がポストセールスのことしか考えていなかったか、というのを痛感した
- プロダクトマネージャーは何もないところから何かを作らなければならない
- また、考えなければならない部分も多岐に渡る(予算とかエンジニアとか競合他社とか...)
- そのような観点でプロダクトを考えるというのを意識してなかったので、これは良い体験だった
苦労した点など
- 色々苦労はあったか?
- テクニカルマーケティングに入ったからといってプロダクトマネージャーは約束されていなかった
- 職種としても超人気であり競争率は高い
- どうやって自分のスキルをアピールするか?
- まずはプロダクトマネージャーとして持っていなければならない「土台」がないと話にならない
- 当時、今でいうUdemyとかは無かったので学びの場を自ら求めなければならなかった。スタンフォード大学の社会人向けビジネスコースを受講したり、メンターから紹介してもらった情報を参考にしたり、会話させてもらったりした
- 理論から実践まで、出来る限り生の情報を得るように努めた
- 面接でPMの人が話す会話の中で出てくる言葉、これを自分としても理解してないといけない。選ぶ方はそこを見るし落とされる
- どうやって差別化するか?当たり前の言葉の部分で躓いてはならない。その上で差別化:ずっとプリセールスで仕事してきた、ユーザーの痛みがわかってた、とアピールし、そこにビジネスを学んできたという部分を加味した
- 実際に念願のプロダクトマネージャーになってから、それまでの経験は生きたか?
- Yes。学ばずに来てたらかなり厳しかったのではと思う
- 当時色々な情報に手を出し、吸収したことは、却って興味の範囲を広げる事にも繋がったと思う。これは現在にも活きている。
- ここまでBtoB、BtoC、プラットフォームと色々経験を経て来たが、これはある程度興味を持って触れてないと会話出来ない。
- 興味を広く保って深堀りできる体制を整えておく、というのはプロダクトマネージャーになるための準備という点では良かったことだと思う
- 「興味を持つ」癖付けというのは大事。
- 場所柄、一騎当千的なプロダクトマネージャーな人たちもやってくる。そこと比べられるので牙は磨いておかねばならない
- また、ずっと成功している人はずっと成功してる...という訳ではない。人間なので成功もすれば失敗もする
- 大事なのはレジリエンス、ショックに対する耐性。チャレンジして失敗しても次に何をすればいいのか、というスタンスが大事
総括
- 最後にPMキャリアに悩む方々に一言。
- 是非、皆さん自身のコンフォートゾーンにどっぷりと浸からないでください。そこから1歩でも2歩でも外に出ていきましょう。
- 5%でも10%でもコンフォートゾーンから出ていくだけでも、何かしら学びが有り、そこから次の学びや出会い、オポチュニティに繋がっていきます。PdMとしての経験の幅も広がります。
- 新しい領域に挑む気持ちで臨んでください。
まとめ
という訳で、プロダクトマネージャーカンファレンス2021のセッション「プロダクトマネージャー自身の非連続な成長とそれを実現するキャリア構築とは?」視聴レポートでした。
コンフォートゾーンから出て新しい事にチャレンジしていく精神の重要さ、それが回り回って経験や血肉になる...というのはとても刺さるコメントでした。Udemyの講座もとても気になる内容でしたので今度観てみようと思います。