[レポート] UXデザイナーが感じたプロダクトマネージャーがミニ CEO として振る舞うことによる不都合 #pmconf2021

2021.10.27

2021年10月26日(火)、プロダクトマネジメントに携わる人たちが共に学び、切磋琢磨するイベント『プロダクトマネージャーカンファレンス2021』がオンライン形式で開催されました。

当エントリでは、ブレイクアウトセッション『UXデザイナーが感じたプロダクトマネージャーがミニ CEO として振る舞うことによる不都合』の参加(視聴)レポートをお届けします。

目次

 

セッション概要

セッション概要は以下の通りです。

[タイトル]
UXデザイナーが感じたプロダクトマネージャーがミニ CEO として振る舞うことによる不都合

[登壇者]
・坂田 一倫氏(Chatwork株式会社 / UXディレクター)

[セッション概要]
プロダクトマネージャーはこうあるべきだ、という未来に向けた論争は一向に収まる気配はありません。プロダクトマネージャーのスキルセットにあれもこれもアドオンされていき、気づけばミニCEOとしての立ち振る舞いが求められるようになりました。私はプロダクトマネージャーはミニCEOであってはならないと考えています。このセッションでは、私が過去にプロダクトマネージャーとして経験した失敗をもとに、UXデザイナーの立場から見えてきたプロダクトマネージャーがミニCEOとなった場合の不都合についてご紹介したいと思います。
(※以上、公式サイトより引用)

 

セッションレポート

 

はじめに

  • 全セッション中、おそらく自分が唯一のデザイナー界隈からの登壇なのでは
  • UIデザインからキャリアをスタート、その後UXデザイナーへ
  • その過程でビジネス上の衝突があった、ビジネスの関心が高まり、プロダクトマネージャーとしての転身を決意
  • 自身のエピソードを中心に語ります
  • ミニCEO:PdMの役割を説明する上で出てくる比喩表現。分かりやすい一方、誤解を招くワードでもある
    • 「プロダクトマネジメント ―ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける」の原著者、Melissa Perri氏もその著書の中で自身をミニCEOと勘違いしてプロダクトマネージャーの失敗談を語っている
  • 今日は「しくじり先生」風に話せればと思います

 

「11」という数字

  • この数字は何を意味するか? → PdMに転身してからはじめて担当したプロジェクトメンバーの人数
    • エンジニア(iOS/Android)8名、デザイナ2名、プロマネ1名
  • どうしてミニCEOとして振る舞ったのか:チームをリートしなければならない、という責任感が強くなってしまった
    • ミスをしてはいけない、ボトルネックになってはいけない...というのが常に頭をぐるぐる、心拍数も高い状況
  • あるエンジニアから言われたひとこと
    • 「すべて1人で意思決定をしないでください。正直やりづらいです」→ 目が覚めた
  • 当時外資系の会社、大事にしていた「バランスチーム」という考え方
    • アジャイル開発手法を補完するプラクティスの1つ。具体的にはチーム内のエンジニアやデザイナーと同等の立場にPdMを置き、平和主義的なアプローチを行う
  • PdMトライアングルの考えが抜けていた。
    • プロダクトを成功させるためには、PdMトライアングルが重要。意思決定の軸を考えた時に、今思えば当時の自分はPdMとしてミニCEOのように振る舞っていた。
    • 全ての過程を全て引き受けようとしていた。エンジニア・デザイナー等、職種からのフィードバックの道を閉ざしていた。

 

UXデザイナー観点の不都合

その1: アイデア発散ステージ

  • アイデア発散ステージにおいて、ビジネスドリブンでの「ユーザー視点」では無く、「ユーザーのために」と都合よく解釈してしまう
  • この2つは別。
  • 「ユーザーのために」は自分から見た時のコンセプト、解釈。決めつけで会話することが多かった。
  • 結果、確信が持てなくなり、未検証なものがプロダクトに反映されてしまう偏りがあった

その2: 優先順位付け

  • ユーザー価値や実装面の懸念を軽視している
  • 実装面の実現難易度を考慮せずに、開発を推し進めてしまう
  • アイデア発散の部分で検証無しのまま進んでしまうと、開発損にもなってしまう
    • その部分が俗人的になり、トップダウンになりがち。優先度の軸がズレてしまう
    • 軸はサステナブルであるべき
  • 軸がチーム内で設定されてないと属人的になってしまう

その3: ソリューション立案

  • 権力を駆使して「単純にわがまま」だった
  • プロダクトの提供価値が分からなくなり、その後の方針がブレる。メンバーの認識がずれていってしまう
  • スケール前提として、どういう価値を提供していくかをの軸を決めていかないといけない。フラットである必要がある

 

ふりかえり

  • PdMがチームをリードするのは勿論いいこと
  • ただ「偉いのか?」というとそうとは言い切れない
  • だからこそ、決して慢心してはいけない
  • PdMとしての自分はチームを支配しようとしていた?とも思う
    • それはプロダクトだけでなく、結果としてチームも機能しなくなるというのが分かった
    • メンバーからのありがたいフィードバックを得ることが出来た、いいきっかけだった
  • 仕事観:
    • 一歩下がってみること:自分がいなくても物事は問題なく回っているかもしれない
    • バリューを発揮しなければいけない、というエゴが強くなってしまう時がある
    • チームがどういう思想を持って取り組んでいくのか、というところを探す、観察する
    • その中で、自分がどこにフィットするかを考える
    • PdMトライアングルで考えた時に、チームやプロダクト開発がうまく回っているのであれば自分が出る幕ではない。それで良いと思っている
    • 俯瞰したPdM観点から見て、足りてないと思った時にそこにステップ・インする
    • 不要とされる存在ではなく、必要とされる存在になるように
      • 他のメンバーが仕事しやすくなる、というのが成功のキー
      • 一歩下がってみることで、また声がけ頂けることが幸せだと思っている
      • 1つのチームとしてまとまりがあると考える
  • プロダクト以上にチームの成功が大事
  • 作って終わりではない、仮説検証を繰り返し、ユーザーテストを行い、サステナブルな状態で作り続けるためにはチームの存在が欠かせない
  • チームがそれぞれValueを発揮できるような、声がお互いに届くような環境をいかに作り出せるかが大事。
  • そういう観点でも、PdMはミニCEOとして振る舞うべきではない。

 

まとめ

という訳で、プロダクトマネージャーカンファレンス2021のセッション『UXデザイナーが感じたプロダクトマネージャーがミニ CEO として振る舞うことによる不都合』視聴レポートでした。

PdMとしての「ふるまい」に関する失敗談から得たものは非常に大事なものだったんだなぁ、というのを実感しました。ここで言及されている内容に関しては定期的に立ち返り、チームが円滑に活動出来るように心掛けて行こうと思います。