[レポート] toC PdMが小売向けBtoBtoCプラットフォームのプロダクトマネジメントで学び直したスキルとマインドセット #pmconf2021
2021年10月26日(火)、プロダクトマネジメントに携わる人たちが共に学び、切磋琢磨するイベント『プロダクトマネージャーカンファレンス2021』がオンライン形式で開催されました。
当エントリでは、ブレイクアウトセッション『toC PdMが小売向けBtoBtoCプラットフォームのプロダクトマネジメントで学び直したスキルとマインドセット』の参加(視聴)レポートをお届けします。
目次
セッション概要
セッション概要は以下の通りです。
toC PdMが小売向けBtoBtoCプラットフォームのプロダクトマネジメントで学び直したスキルとマインドセット
[登壇者]
・浦 祐介氏(株式会社10X / ProductManager)
[セッション概要]
必要なスキルやマインドセットがこれまでの経験とは異なる領域でプロダクトマネジメントに挑戦する人は増えていると思います。その中で、領域特化のBtoBtoCプラットフォームのプロダクトマネジメントにおいて、toC領域でのプロダクトマネジメント経験で活かせているスキル、アンラーニングが必要なスキルやマインドセットをお話します。
(※以上、公式サイトより引用)
セッションレポート
はじめに
- 自己紹介
- 今日話すこと
- toC→toBの変化
- デモ駆動開発
- 現場で学べること
- DAU/MAU ≒ 100%のプロダクト
- BtoBtoCの面白さ
- 今日話さないこと
- データ活用の事例
- ECアプリの改善事例
- キャリアの話
プロダクトと事業環境の紹介
- Stailer(ステイラー):スーパーやドラッグストア等、多店舗を展開する小売りチェーンが素早くECを立ち上げられるプラットフォーム。
- Stailerで出来ること
- エンドユーザーがECで商品を注文し、受け取るまでに必要な全てのシステムをアプリで提供
- 「チェーンストア顧客体験のオンライン化」に向けた3つのイシュー
- 1.まとめ買いUXや欠品というユーザーペイン
- 2.オンライン特化のサプライチェーン
- 3.これらの土台となるシステム構築
- どういう事業環境なのか
- e-Grocery市場はグローバルで同時に需要急増
- 日本は手つかずの状況
- 国内チェーンストアのEC化率は1%に留まっている
- US、UK等と比較すると大きな伸びしろがあると見ている
本題 - 直面した課題と向き合った内容
- toCとtoB(BtoBtoC)ってそんなに違うの?
- エンドユーザーに向けて便利なソフトウェアを作れば、そんなに変わらないのでは?
- 実際は想像していたよりもパートナー企業(toB)の業務フローが大変
- エンドユーザー(toC)に価値を届けるまでの壁が大きかった
- toCのPdMのスキルとマインドセット
- これまでは定量的に課題を発見し、ユーザーの声を聴きながらUXを磨くというプロセス自体を実験的に行うことが多かった
- データを分析して、インタビュー等を経てUXを磨いて、ABテスト等の実験をしながらプロダクトを洗練させていく
- しかし導入期のBtoBtoCだと(上記のスキルやマインドセットが)通用しないことが多かった
- データ分析、ABテスト等の実験はほぼほぼ活用しなかった(出来なかった)
- UXについては問題無し
- なぜ相性が悪かったのか?
- まずはお客様に商品が届くまでのフローを3x3のステップに分割して想定
- しかし実態を見てみるとステップはその想定を遥かに上回るボリュームであり、複雑度であった
- エンドユーザーに向けて便利なソフトウェアを作れば、そんなに変わらないのでは?
- 直面した状況にどのようにして向き合ったか
- チーム全員でイベントストーミングで業務の洗い出しを実施
- 登場人物の多さやデジタルとリアルの行き来など、複雑な業務フローの解像度向上が必須と判断
- Whimcicalというツールを使い、PdMだけでは無くBizDev, デザイナー、エンジニアのチーム全員でイベントストーミングを何度も実施した
- 合わせて、社内デモを通じて複雑なケースに対応
- オフィスに備品や環境を用意してデモを何回も実施
- 複雑な業務フローを整理・構築していった
- 「現場に足を運ぶ」事も重要視した
- 現場でないとわからない情報、空間の情報やあまり整備されていない作業環境などを体感
- 一瞬でも作業が止まると後続作業に影響が出るため、スムーズに作業を進める必要性を実感
- チーム全員でイベントストーミングで業務の洗い出しを実施
- 毎日たくさん使う(DAU/MAU≒100%)
- スタッフからすると「毎日使う」ものをプロダクトとして作っている
- 「作った機能がほぼ必ず使われる」というのはtoB向けのプロダクトとして、toCとは違う楽しさがある。
- 1人が2-30個とかの規模で「たくさん」注文する世界であるため作業効率が非常に重要となる。
総括
- toCからtoB(BtoBtoC)でアップデートしたスキルとマインドセット
- イベントストーミングとデモを繰り返し、業務の解像度を上げる
- 現場を観察し、環境と空間の一次情報を得る
- 全員が毎日使う(DAU/MAU≒100%)という前提
- BtoBtoCとは何なのか?
- エンドユーザーの体験から逆算し、オペレーションを構築することが出来る
- また、そのオペレーションが滞りなく効率的に回る状態を構築することで、エンドユーザーへの価値を最大化出来る
- toCに最後の体験を届けるためにtoBに本気で向き合う
まとめ
という訳で、プロダクトマネージャーカンファレンス2021のセッション『toC PdMが小売向けBtoBtoCプラットフォームのプロダクトマネジメントで学び直したスキルとマインドセット』の視聴レポートでした。
現場に実際に足を運んでみないと実態は掴めない、というのはまさにその通りですね。またワイヤーフレームツールであるWhimcicalについても今回初めてその存在を知りましたが、使い勝手も良さそうで便利そうではあります。直近作業でも試しに使ってみたいと思います。