[レポート] C-1 PMFを生み続ける意志力 – プロダクトマネージャーカンファレンス2022 #pmconf2022

2022.12.04

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

2022年11月02(水)、プロダクトマネジメントに携わる人たちが共に学び、切磋琢磨するイベント『プロダクトマネージャーカンファレンス2022』がオンライン形式で開催されました。

当エントリでは、ブレイクアウトセッション『PMFを生み続ける意志力』の参加(視聴)レポートをお届けします。

目次

 

セッション概要

セッション概要は以下の通りです。

[タイトル]
PMFを生み続ける意志力

[登壇者]
・花村 直親氏(株式会社LayerX/プロダクトマネージャー)

[セッション概要]
PMFをしたらそのマーケットにリソースを全力投球すべき。その通説は本当でしょうか。

PMFをしたマーケットでプロダクトを磨く事は重要な一方、そのマーケットでだけプロダクトを磨くことで、特定マーケットでしか通用しない、進化が止まるプロダクトになってしまう可能性があります。時にはPMF済のマーケットでの順調な成長を捨て、周囲の反対を受けてでも新しいマーケットに挑戦する勇気、PMFを生み続ける際の意志力を試されます。

ニーズもターゲットも異なる複数のマーケットにおいて、社内の多数決や単純な合議制だけに頼らずどのように新しいPMFを生み続けてきたか、バクラクの実例をもってご紹介します。 (※以上、公式サイトより引用)

セッションレポート

自己紹介

  • B2BSaaS「バクラク」のプロダクトマネージャー、主に請求書を担当
  • 会社紹介
    • LayerXは3事業を展開しているスタートアップ、本日はバクラク(SaaS)事業が対象

今日のテーマ:「PMFを生み続けるためにはPMの意志力が必要」

  • PMF(Product Market Fit)っとは、製品が市場に適切に受け入れられること
  • 成長するB2BSaaSはPMFを生み続ける必要がある
  • しかし、一度PMFをすると挑戦を行わない力学が生じてしまう
  • 安定に抗い、PMの意思決定次第でプロダクトの成長は変わる
  • バクラクは「法人の支出管理をなめらかに、一本化する」コーポレート向けB2BSaaSシリーズ。「請求書」と「申請」が今日の事例の範囲
    • 現場〜コーポレートまで支払業務の一本化を支援
    • 立ち上げ初期:ITスタートアップ向けにPMFを生み出した/そこから類似マーケットでの要望に応えることで初速の良い成長を実現できていた
  • 順調に成長はしていたが、これで良いのか?という疑問が幾つか
    • ITスタートアップや小規模企業では導入が進んでいる
    • 新プロダクトを開発して単価を上げることでも成長はできる
    • 社内でも「このままいけば順調に成長するよね」という雰囲気があった
    • 一方で伝統的企業や大手企業では導入が進まず「IT業界・スタートアップ業界」に甘んじていた
  • PMはPMFしているマーケットへの要望へ応える力学が強くなり、一度PMFをすると挑戦を行わない力学が生じてしまう。今のマーケットの要望に向き合うだけでも無難にこなすことが出来る
    • チームの要望に応えられる
    • 事業上成長できる
    • PM自身も評価される
  • 自分達はどうありたいか?を考え、新しいPMFを生み出す意思決定をした
    • 「経理の方全てに使われるサービスになってほしい」というあるエンジニアメンバーの言葉が切っ掛け
    • 数字が順調に伸びているときこそ「PMFを生み続ける」ための意志力が試される
  • PMFとは強力な価値仮説を見つけることである by Andy Raceleff
    • 新しいPMFを探すために、ユーザーのN1分析を数十社繰り返してニーズの抽象化を行い、価値仮説を抽出
    • マクロな市場分析からは価値仮説は出てこないと考え、徹底的に定性調査に振り切った
    • 整理した価値仮説から筋の良い仮説を採択した結果「特定のユースケースならエンタープライズ企業でも導入できる」という価値仮説の元にPMFを目指すことになる
  • しかしいきなりエンタープライズ企業に導入は出来るはずもなかった。3つの壁が存在。解決のための方法を模索
    • 1.プロダクトの壁
      • エンタープライズ企業での運用に必要な機能が足りてない → PMが現場で一次情報を得て愚直に差分を解消
    • 2.導入の壁
      • エンタープライズ企業では複雑な業務フローが存在、本社の意思決定者と現場での利用者が異なり、本社からの情報だけでは業務フローが不明瞭なことも多い→PMが導入コンサルの役割も担って導入の壁を乗り越えた
    • 3.社内の壁
      • 多くの時間を使うことによって結果が出るまで社内からも反対の意見が挙がる → 周りの意見には耳を傾けるべきだが、現場の声を聞くPMはプロであるはず。現場にいない上司の反対に安易にYESとは言わない
  • 1つ1つ解決して、エンタープライズ企業での導入実績を作ることが出来た
    • 課題設定が正しければPMの意志力で壁は乗り越えられる
  • 新しいPMFに挑戦する時に出る「まだ」。これらは意志力で打破出来る
    • 「エンタープライズ向けはまだ早い」
    • 「まだ売り方が確立されていない」
    • 「まだ既存マーケットからUIの改善や受けている要望がある。それよりも優先度が高いのか」

まとめ

  • PMはプロダクトが成長して、新しい挑戦をしない力学が発生するフェーズを打破することが出来る

 

まとめ

という訳で、プロダクトマネージャーカンファレンス2022のセッション『PMFを生み続ける意志力』の視聴レポートでした。