[レポート] C-10 アイデアと上手くつきあう方法 – プロダクトマネージャーカンファレンス2022 #pmconf2022

2022.12.22

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

2022年11月02日(水)、プロダクトマネジメントに携わる人たちが共に学び、切磋琢磨するイベント『プロダクトマネージャーカンファレンス2022』がオンライン形式で開催されました。

当エントリでは、ブレイクアウトセッション『アイデアと上手くつきあう方法』の参加(視聴)レポートをお届けします。

目次

 

セッション概要

セッション概要は以下の通りです。

[タイトル]
アイデアと上手くつきあう方法

[登壇者]
・森口 貴之氏(株式会社スマートバンク/プロダクトマネージャー)

[セッション概要]
プロダクトマネージャーは限られた時間の中で難しい問題解決を求められます。時間の無い中、まれに降りてくる良いアイデアは癒やしにも感じられるのではないでしょうか。

このセッションでは「アイデアを思いつくこと」とその裏にあるプロダクトマネージャーの心理に目を向けます。アイデアは大抵の場合に最善手ではなく、進めた結果としてビルドトラップに引っかかるといった状況も起こりがちです。自分のアイデアを過大評価してしまう要因はどこにあるのでしょうか。

このセッションでは、我々がアイデアを得た時にどのように振舞うべきかについて考えたいと思います。自分の心理をコントロールし、アイデアと上手につきあうための参考になればと考えます。

(※以上、公式サイトより引用)

 

セッションレポート

自己紹介

  • 株式会社スマートバンク プロダクトマネージャー
  • 経歴: はてな→ロコガイド→現職
  • 本題に入る前にあたまの体操
    • 解決策は1つじゃない
    • 選択肢を持って、一番良いものを選んでいこう

良いアイデアまでの2つの壁

  • 解決策を提供することがものづくりの基本
    • 課題 → 解決策
  • アイデア=課題から解決策への思考的ジャンプ
    • この辺りはロジックの積み重ねでたどり着ける、というものでもない 
  • 2つの壁(1).課題から解決策への思考的ジャンプが必要
  • 2つの壁(2).「良い」と感じたアイデアに固執してしまう【本日のメイントピックはこちら】
    • アイデアに固執してしまいがちなシーン
      • 競合プロダクトと比べて足りない機能を、マネをして作ってしまう
      • ユーザーからの要望を、言われたとおり実装に落とし込む
      • 以前に成功したやり方を、以前と同じ形で利用する
      • ふと思いついたアイデアを吟味せず採用する
        • もっと良いやり方があるのに考えるのを途中でやめてしまう

プロダクトマネージャーの「思い込み」

  • 「自分は大丈夫」という思い込み
    • 自分にとって都合の悪い情報や仮説を無意識のうちに排除
    • 自分にとって痛いデータや分析ほど、大事に扱いたい
    • チーム内で議論を重ねるうちに同質性が高まって多様な観点で検討やレビューが出来なくなる懸念も
  • 過去の成功による思い込み
    • 経験を重ねることで自信や成功体験が蓄積されるが「ハンマーしか持たない人は全てが釘に見える」ことがある
    • 自分の経験がハンマーになってしまっていないか?
    • ハンマーを自分の武器としつつ、他の選択肢も手札に置いておきたい
    • 上級者は定石を超える
  • 「苦労=良質」という思い込み
    • 仮説に辿り着くまでに調査や分析、またアイデアの検討等様々なコストが掛かっている
    • 「イケア効果」とも言われるこの事象、コストや時間を掛ける程、愛着や「もったいない」気持ちが生まれやすい
    • サンクコスト(既に投資した事業から撤退しても回収できないコストのこと)は優遇する理由にはならない

アイデアと上手く付き合う

  • チェックルーティンを持つ
    • アイデアを並べて比較する
      • より良いアイデアを選ぶ、というだけではない
      • 脳には反射的にアイデアを出すモードとしっかり考えてアイデアを出すモードがある
      • 反射的に課題解決を行うのではなく、脳に汗をかくように複数のアイデアを検討したい
    • 人に話してみる
      • 視点や立場を変えるだけで簡単に問題が見つかることがある
      • 「誰かに説明する」行為自体が客観性を持つので、相談相手はテディベアで良かったりもする
    • 課題を解きなおす
      • 解決プロセスやアイデアのクリエイティビティに比べ、課題の発見や要因の特定がより重要
      • 元々の課題に固執してしまっていないか?
      • 解決策を並べるだけでなく、解くべき課題やその要因を複数列挙した上で解決方法を選びたい

今日のおさらい

  • 価値を提供するためにはアイデアが重要
  • プロダクトマネージャは「思い込み」を持っていて、自分のアイデアを課題評価してしまう
  • 「思い込み」に自分で気付くのは難しいので自分なりのチェック方法を持つ
  • 良いアイデアで良いプロダクトをつくる

 

まとめ

という訳で、プロダクトマネージャーカンファレンス2022のセッション『アイデアと上手くつきあう方法』の視聴レポートでした。