[レポート] D-5 プロダクトマネジメント組織立ち上げの課題と落とし穴と楽しみ – プロダクトマネージャーカンファレンス2022 #pmconf2022

2022.11.27

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

2022年11月02日(水)、プロダクトマネジメントに携わる人たちが共に学び、切磋琢磨するイベント『プロダクトマネージャーカンファレンス2022』がオンライン形式で開催されました。

当エントリでは、ブレイクアウトセッション『プロダクトマネジメント組織立ち上げの課題と落とし穴と楽しみ』の参加(視聴)レポートをお届けします。

目次

 

セッション概要

セッション概要は以下の通りです。

[タイトル]
プロダクトマネジメント組織立ち上げの課題と落とし穴と楽しみ

[登壇者]
・飯沼 亜紀氏(キャディ株式会社 / プロダクトマネージャー)

[セッション概要]
私は今まで副業を含め5社のプロダクトマネジメント組織立ち上げに携わりました。このセッションでは、その経験から得られた数々の成功や失敗についてお話しします。プロダクト組織立ち上げの気運がどこからやってくるのかに始まり、実際の組織づくり、教育、評価に加え、「そもそもプロダクトマネージャーの組織って必要なんだっけ?」というような根源的な課題にも触れながら、プロダクト組織の立ち上げにどのような落とし穴があり、それらをどのようにして乗り越えて長期的な成功に導くことができるのかについてを扱う予定です。

(※以上、公式サイトより引用)

セッションレポート

このセッションの話題

  • プロダクトマネジメント組織(プロダクトマネージャが集まり、プロダクトマネジメントを専門とする部署)に関して話します
    • 失敗談や落とし穴
    • 失敗談による追体験、こんなケースもあるよというお話です
  • 自己紹介
    • pmconf登壇は通算3回目

今日この話をするに至った背景

  • 「プロダクトマネージャ」という職種への注目度が高まるにつれて、「プロダクト組織立ち上げ」のニーズの高まりも感じた
  • 「組織はプロダクトと同じ」。立ち上げて終わりではなく、また立ち上げ時点で失敗する運命が決まるケースもある
    • 落とし穴にはまる「呪い」の存在

組織立ち上げ前に確認すること

  • これらが一つでも欠けていると「呪い」の状態に陥る
    • 組織をつくることの正当性
      • 組織で成し遂げたいことが明確化出来ているか
      • 今必要とされているのはプロダクトマネジメント組織なのか
    • 組織の内部環境
      • メンバーはプロダクトマネージャとして独り立ち出来るか
      • 組織内でプロダクトマネージャが成長出来るか
    • 組織の外部環境
      • 会社文化として組織の独立が外部からの遮断に繋がらないか
      • トップは組織の成功のためにコミットしてくれるか
  • そもそもプロダクトマネジメント組織は必要なのか?
    • 『場合による』
      • 組織の性質的に、必要性を正当化するのは難しくなりがち
      • 例えばPdMが3人以上集まったら...みたいな決まりもない
      • 組織化するのあ、組織があった方が効率的..という理由
  • 「効率的」とは?大きく以下2つの観点があり、それには組織のプロダクトのあり方が大きく影響してくる
    • 意思決定・情報流通プロセスの設計
    • 評価・育成プロセスの設計

組織立ち上げの「落とし穴」

1.正当性の落とし穴

  • 立ち上げの機運はどこから?
    • トップダウン型
    • ボトムアップ型
  • 全ての組織の立ち上げは、究極的には「トップダウン」
    • 「組織が必要」という認識・理解、そして強力な支持がトップになければ実現しない
    • 現状課題と組織のミッション・ビジョンをストーリーにして伝えよう
  • 組織に正当性はあるのか
    • トップダウンの現場腹落ち無しに組織を立ち上げることは可能。ただそれは時としてデメリットを伴う可能性も
    • 組織のミッション・ビジョン、及びそれらを実現出来る環境が大事

2.内部環境の落とし穴

  • プロダクトマネージャの教育や評価
    • 組織内外からの期待は高まりがち、そして問題も大きくなりがち
    • 組織への期待にはメンバーの専門性伸長も含まれる
    • 集めたらジュニアメンバーしかいない → 他部署からシニアを引っ張ってくる事態(キメラ化)に
    • 気付いたらもはやプロダクトマネジメント組織では無くなってる...みたいなことも
    • 組織内で評価育成が出来る体制を整えて立ち上げよう
  • 中の人のスキル問題:スキル不足が招く悪循環
    • 価値を出すべく「何でも屋」に/周囲の期待も「なんでも屋」に/PMつらい、情熱を失う/スキル不足...
    • 未経験者だけで組織を立ち上げるのは要注意、自立出来る環境を作ろう
    • 必要に応じて外部リソースを活用
  • スキルが有ればいいのか?PdMとして成長出来るのはプロダクトマネジメントにおいてこれらを備えている人
    • 情熱があり
    • スキルがあり
    • 成功のためならプロダクトマネジメント以外の事もやる気概がある人

3.外部環境の落とし穴

  • 組織文化や既存組織構造との相性はある
    • 新しい組織を作る場合は既存他部署の構造と矛盾を生まないような注意が必要
    • 「プロダクトマネジメント組織は必要なのか?」は外部環境からも考えてみる
  • 業務解像度問題
    • 「PdM組織が独立していると、業務解像度が上がりにくい」疑惑
    • 解像度は高い方がいい
    • 「プロダクトは皆で作るもの)という認識を組織内外で共有できるように
  • その他外部環境にまつわる諸々
    • そもそもトップのマインドセットとして「組織を作って終わり」になっていないか
    • 組織以前に、PdMが活躍出来る環境が用意されているかどうかも要チェック
    • 「サイロ化している」「何やってるかわからない」と言われないように積極的に情報発信しよう
  • 「楽しみ」って何?(超個人的意見)
    • PdMとして組織を作るのが純粋に楽しい
    • 組織に悩む時間がなくなったらプロダクトに向き合える時間が増える気がする

まとめ

  • 組織立ち上げには以下の全てが必要。(これらに必要な条件要素を)無いならまず作ろう!組織はその後!
    • 組織をつくることの正当性
    • 組織の内部環境
    • 組織の外部環境
  • また「組織を作らない」という選択肢も検討
  • どんな形の組織に所属することになっても、PdMの活動は組織の枠組みの中だけでは絶対に完結しない。越境する力を身に着けよう

 

まとめ

という訳で、プロダクトマネージャーカンファレンス2022のセッション『プロダクトマネジメント組織立ち上げの課題と落とし穴と楽しみ』の視聴レポートでした。