[レポート] D-8 “運用”するプロダクトロードマップのはじめ方 – プロダクトマネージャーカンファレンス2022 #pmconf2022

2022.12.22

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2022年11月02日(水)、プロダクトマネジメントに携わる人たちが共に学び、切磋琢磨するイベント『プロダクトマネージャーカンファレンス2022』がオンライン形式で開催されました。

当エントリでは、ブレイクアウトセッション『"運用"するプロダクトロードマップのはじめ方』の参加(視聴)レポートをお届けします。

目次

 

セッション概要

セッション概要は以下の通りです。

[タイトル]
"運用"するプロダクトロードマップのはじめ方

[登壇者]
・浦 祐介氏(株式会社10X プロダクトマネジメント部/部長)

[セッション概要]
ステークホルダーが多い、仕様や要求の複雑性が高いなど難易度の高いプロダクトに関わっているとロードマップの開示で困ることがありませんか?

導入企業やユーザーのフェーズが多様なためあがってくる要求も多岐に渡り、社内でも多くのやるべきことが日々発見されている状態だと思います。

10Xでも同様の状況があり、プロダクトマネジメントあたって、1.ロードマップがないことで起こった問題、2.ロードマップを作るにあたって進めたこと、3.ロードマップを運用して得られたことの3点について説明します。

(※以上、公式サイトより引用)

 

セッションレポート

自己紹介

  • 株式会社10X プロダクトマネージャー
  • 10X 1人目のPdMとして2021年05月に入社

プロダクトと事業環境の紹介

  • 事業概要
    • 小売事業者のデジタル化を実現する全てのシステムをプラットフォームとして提供
    • ネットスーパーアプリ
    • 小売事業者向けアプリ・管理画面
    • 配達スタッフ向けアプリ
  • e-Grocery市場は国内では大きなポテンシャルがあり、需要は急増し続ける
  • 国内9社にサービスイン済み、様々な規模や地域の小売事業者のデジタル化を支援
  • 前提
    • 必要なロードマップの形(抽象度や表現)はプロダクトの特性や組織に依存する
    • 一度示すだけではなく、運用することにフォーカスを置いている
    • 現時点でもロードマップの運用には数多くの課題を抱えている

ロードマップがないことで起こった問題

  • そもそも「ロードマップ」とは何か
    • (今回の文脈では)企業が将来発表する予定の製品を時間順に並べた図表
    • 色々な形があり得ると思うが、10Xは優先度付きのissueリストのような形で運用を開始
    • 優先度順には出来ているが、時間順ができていない状態
  • ロードマップが無いことで発生した「負のスパイラル」
    • 対応方針の説明 → 新たな要望 → 要望の精査
    • プラットフォームとしての改善/進化の予定を開示出来ていないことで無尽蔵に多様な要望が生まれ、それらの精査と回答に追われる日々
  • 当時「ロードマップ」を示すことが出来なかった理由
    • パートナー企業の導入に向き合うこと、機会が増えた
    • リリースにフォーカスする機会が増えた
    • 数多くのパートナーに向き合うことで運用面のサポートが増加
    • パートナーが増えたことで事業フェーズの異なるパートナーに対して1つのロードマップを示す難易度が向上

ロードマップをどのように作り、運用しているか

  • 作成のために工夫したところ
    • 事業成長モデルの構造化(KPIの定義)
    • ロードマップ決定/運用のフロー構築
    • 要求収集フローのフォーマット化をPMアサイン
  • Stailer Flywheelという事業成長モデルの構造化
  • Stailer Flywheel詳細
    • 各issueを達成することで事業へどのようなインパクトがあるかを定義
    • toC,toB(E)等多様な領域で、事業KPIを伸ばすレバーがあることが分かる
    • その他詳細は上記エントリを参照
  • 各部から要求を収集し、意思決定するためのフローを定義
    • 要求を集めロードマップへ反映するフローを月に1度のサイクルで回している
  • 事業運営とロードマップアイテムの優先度の考えかた
    • ロードマップに掲載されているアイテムの優先度はチーム内施策の絶対的な優先度ではなく、判断材料として提示
  • 各事業部、機能本部へPdMをアサイン
    • 双方にアサインする形でPdMを配置することで、事業(パートナー)に向き合う面とプラットフォームとしての成長のバランスを取ろうとしている
  • 各部から要求を吸い上げる理由と工夫
    • ユーザーストーリー、Flywheel、定性/定量の期待値、必要としているパートナーなど必要情報を定義
    • 各本部にPMをアサインすることで要求のばらつきを抑えた

得られたことと今後

  • 得られたこと
    • 社内外に「優先度順」でロードマップアイテムの開示が出来る状態となった
    • 事業成長のモデル化に伴い、どのFlywheelに効果がある施策なのかの目線が揃った
    • 各部にロードマップアイテムをアサインすることで優先度判断軸がクリアになった
  • 現時点でのロードマップ運用における課題は山積
  • スケールする組織/プロダクトでも運用可能なロードマップ構築を継続的に模索

 

まとめ

という訳で、プロダクトマネージャーカンファレンス2022のセッション『"運用"するプロダクトロードマップのはじめ方』の視聴レポートでした。