[レポート] E-9 ざんねんなプロダクト開発事典 – プロダクトマネージャーカンファレンス2022 #pmconf2022

2022.12.29

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2022年11月02日(水)、プロダクトマネジメントに携わる人たちが共に学び、切磋琢磨するイベント『プロダクトマネージャーカンファレンス2022』がオンライン形式で開催されました。

当エントリでは、ブレイクアウトセッション『ざんねんなプロダクト開発事典』の参加(視聴)レポートをお届けします。

目次

 

セッション概要

セッション概要は以下の通りです。

[タイトル]
ざんねんなプロダクト開発事典

[登壇者]
・鈴木 健太郎(株式会社Timers/プロダクトマネージャーリーダー)

[セッション概要]
人類の誕生から500万年。人類は文明を持ち、世の中には様々なプロダクトが生まれ、プロダクトも様々に進化してきました。

そして令和の現代、プロダクトも、プロダクト開発も高度化したはずなのに、世の中にはまだざんねんなプロダクト開発事例がたくさんあります。

このセッションでは「どうしてこうなった」「こんなはずではなかった」なプロダクト開発が生まれてしまう事例を、自身が見聞き・体験したことからいくつかご紹介し、ざんねんなプロダクト開発から学びを得て、素敵なプロダクト開発を目指すためのヒントになればと考えています。

(※以上、公式サイトより引用)

 

セッションレポート

自己紹介

  • 開発ディレクター/PM歴:17年
  • 現在:株式会社Timers プロダクトマネージャーリーダー
  • 家族の絆を深めるプロダクト「Famm」
    • 子育て家族の理想のライフデザインに寄り添うブランド

ざんねんなプロダクト企画:プロダクトゴール未決問題

  • (問題)ゴールを決めていない=顧客を観ていない=仮説が無く、学びがない
    • 作っていくうちに「リリースしていったらゴールはいずれ分かる」という闇雲感
    • メンバーのゴールイメージがバラバラ
  • (処方箋)残念を避けるアプローチ
    • まず直近で解決したい顧客課題だけに絞って企画してみる
    • 議論やワークショップを通じてメンバーとゴールのすり合わせを行う

ざんねんなプロダクト企画:インプット過多/アウトプット過多問題

  • (問題)いずれに関しても「過剰」だと動きが悪くなる
    • [インプット過多] 過剰計画/過剰分析/過剰規則により動き出せない
    • [アウトプット過多] 過剰に作りすぎて発見より先にアイデアが枯渇してしまう
  • (処方箋) 残念を避けるアプローチ
    • リスク分析/回避策の検討は行いつつ、小さく早く実績を見る方法を考える
    • 分析/振り返り/社内勉強会等、インプットする時間を少しでも確保するようにする

ざんねんなプロダクト開発:プロダクトゴールの説明不足/自由度不足問題

  • (問題)ゴールの説明では無く、機能の説明に終始している
    • プロダクトの顧客課題や価値の説明をしていない
    • プロダクトメンバーが仕様書通りの開発しか出来ない状態になっていないか?
  • (処方箋) 残念を避けるアプローチ
    • プロダクトのWhyとWhatを説明し共感してもらう
    • ワークショップなどを通じてプロダクトゴールを一緒に考えてもらう
    • プロダクトメンバーと議論して以下のような資料を一緒に作っていくことが大事
    • リーンキャンパス
    • バリュープロポジションキャンパス

ざんねんなプロダクト開発:リリース予定日>品質になってしまう問題

  • (問題)リリース予定日が優先されすぎている
    • 顧客の期待よりリリース予定日が重視される状況になぜかなってしまっている
    • 間に合わないものを期限までに作ろうとしてしまっている
  • (処方箋) 残念を避けるアプローチ
    • リリース予定日を対外的に公表しない
    • リリース予定日に出せないと何が起こるのかを想定&確認しておく
    • 予定日が変えられないのであれば実装要件を減らす検討を行う

ざんねんなプロダクト運用:各所からの要望の優先順位が付けられない

  • (問題) 横槍が止められない
    • ある部門がなぜその要求を行うのか/その部門の目標を知っているのか?
    • 偉い人からの一声により、開発が大混乱
  • (処方箋) 残念を避けるアプローチ
    • 複数部署から要望が届いたら、各部署にそれらの優先順位を決めてもらう
    • 影の意思決定者がいたら表に引きずり出して対話するのもPMのお仕事
    • プロダクトビジョンやゴールに合っていない要望は「No」の説明を

ざんねんなプロダクト運用:社内ニーズを無視してしまっている問題

  • (問題) 顧客は最重要視すべきだが、事業継続性もまた大事
    • 社内の期待通りに、または期待以上の成果を挙げられているか?
    • 開発メンバーの業務ストレスは問題ないか?(あなたを含めて)
  • (処方箋) 残念を避けるアプローチ
    • 上司や関連部署に、プロダクトが期待に添えているかどうかを細かく探りを入れる
    • 持続継続可能な開発体制を目指し、怪しさを感じたら上長に相談する

ざんねんなプロダクト運用:表層問題で悲観してしまう問題

  • (問題) 小事や短期の結果で絶望してしまう
    • やれることややらねばならないことはまだないか?
    • あなたが簡単に諦めてしまったら顧客の課題は誰が解決する?
  • (処方箋) ざんねんを避けるアプローチ
    • リリース直後が不調=顧客課題について理解が増えたと考える
    • 意地を張り続けるのもまた危険なので撤退ラインも検討してみる

まとめ:ざんねんなプロダクト開発を避けるために

  • プロダクトは気を抜いているとサービス終了へ
  • 学習して「ざんねんアンテナ」を張り巡らせよう/社内外から学び、致命傷を避けよう
    • 社内からの認識合わせ
    • 社外からの事例学習
  • プロダクトはコストをクリアし、マーケットに持続的に受け入れられることが大事
  • 皆様が顧客と社内の期待に持続的に挑戦していけるプロダクト開発を行えることを願う

 

まとめ

という訳で、プロダクトマネージャーカンファレンス2022のセッション『ざんねんなプロダクト開発事典』の視聴レポートでした。