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【書評】世界一流エンジニアの思考法

2023.11.04

はじめに

こんにちは。データアナリティクス事業本部ビッグデータチームのkasamaです。
普段は主にデータ分析基盤エンジニアというポジションでお客様のデータ分析基盤構築を支援しています。
ある日、書店に立ち寄った際に目に止まってパラパラ読んでいると、もの凄く刺さる内容がいくつも書いてあったため思わず購入し、あっという間に読み終わりました。最初から最後まで勉強になると思うことばかりなので、今回は紹介させていただきたいと思います。ブログとしてアウトプットすることで、より理解を深めようという目的があります。

書籍情報

目次

  • 第1章 世界一流エンジニアは何が違うのだろう? - 生産性の高さの秘密
  • 第2章 アメリカで見つけたマインドセット - 日本にいるときにはきづかなかったこと
  • 第3章 脳に余裕を生む情報整理・記憶術 - ガチで才能のある同僚たちの極意
  • 第4章 コミュニケーションの極意- 伝え方・聞き方・ディスカッション
  • 第5章 生産性を高めるチームビルディング - 「サーバントリーダーシップ」「自己組織型チーム」へ
  • 第6章 仕事と人生の質を高める生活習慣術 - 「タイムボックス」制から身体づくりまで
  • 第7章 AI時代をどう生き残るか? - 変化に即応する力と脱「批判文化」のすすめ

概要

第1章 世界一流エンジニアは何が違うのだろう? - 生産性の高さの秘密

著者である牛尾剛さんはアメリカでマイクロソフトのAzure Funcstionsというクラウドサービスの開発チームに所属しており、チーム全員のベーシックな生産性が高いそうです。そのエンジニアたちと日々仕事する中での気づきを主にコーディング業務を例に説明されています。

(雑感)コードの意図とその背後のアーテクチャの理解に時間をかけることは後々の生産性を上げるという話は確かになと同意しました。

第2章 アメリカで見つけたマインドセット - 日本にいるときにはきづかなかったこと

一流のエンジニアが身につけているマインドセットについて説明されています。「Be Lazy」(怠惰であれ)というマインドセットや「2-8の法則」「Fail Fastの法則」などです。このような法則以外にも牛尾剛さんの実体験から日本企業で働いていた時とアメリカ企業で働いている時を比較して両者の仕事する上での考え方の違いを説明されています。

(雑感)エンジニアは様々な作業を効率化する仕事でもあるので、Be Lazyの考えは凄く共感しました。「Fail First」や「納期は絶対の神話は捨てる」という話は私の実体験からも、とにかく刺さりました。

第3章 脳に余裕を生む情報整理・記憶術 - ガチで才能のある同僚たちの極意

脳に余裕がない状態だと生産性が悪いので、脳に余裕を生むためにはどうするか、どう情報整理をして記憶するか、そのメソッドについて説明されています。

(雑感)「マルチタスクはやめよう」の話はそうだよな、効率悪いよなと思いつつ、現実考えると実現できない場面もあるので、現実との折り合いが必要だなと感じました。

第4章 コミュニケーションの極意- 伝え方・聞き方・ディスカッション

日本と海外でのコミュニケーションの違いを比較して、海外ではどのようにコミュニケーションしているか、テキストコミュニケーション、クイックコール、ディスカッションなどについて説明されています。

(雑感)私が経験してきた仕事と比較しても本章で書かれた内容は異なっていたので大きな学びになりました。

第5章 生産性を高めるチームビルディング - 「サーバントリーダーシップ」「自己組織型チーム」へ

従来型の「コマンドアンドコントロール」というスタイルで、リーダーが部下に指示を出し、部下の状況を、把握、確認し、管理していくマネジメントと比較し、近年主流となっている「サーバントリーダーシップ」「自己組織型チーム」について説明されており、どのように実践していけば良いかのTipsまで説明されています。

(雑感)今すぐにでも取り入れたい手法ではあると思いますが、チーム全体が共通認識を持つことから始める必要があるので、まずは自分が学んでいき展開していきたいと思いました。

第6章 仕事と人生の質を高める生活習慣術 - 「タイムボックス」制から身体づくりまで

著者の同僚たちのライフスタイルをみて得た気づき(ワークライフバランス、タイムボックス制、睡眠、ディスプレイから離れる、瞑想などの生活習慣術)を説明されています。

(雑感)日本にいてこれだけ自由に働けるのもエンジニアならではだなーと思いつつ、海外ではさらに自由なワークライフバランスで、そこに憧れてアメリカを目指す一つの要因になるんだと感じました。

第7章 AI時代をどう生き残るか? - 変化に即応する力と脱「批判文化」のすすめ

本章の前半部分では、2023年の春、ChatGPT-4のリリースによる衝撃と、AI時代にエンジニアはどう生き残っていくか、生き残るためにはどのように行動していくかの著者の考えが説明されています。章の中盤では、エンジニアリングの世界で日本から革新的なサービスがなかなか生まれない問題点の一つである「批判文化」について説明されています。後半部分では、日本のエンジニアはヨーロッパやアメリカなどと比べて平均レベルがなぜ低いかを説明し、 日本企業、日本のエンジニアはどうしていけば良いか、著者の考えが説明されています。

(雑感)Contributeする人を批判する文化では確かに革新的なサービスは生まれないと改めて考えさせれましたし、自分が批判ではなく感謝するマインドを持たないといけないなと強く感じました。

感想

なぜ本書が、これほど自分の心にグサグサ刺さったかというと大きく、「自分が普段感じてたことを言語化してくれたこと」と「自分が本書で書かれているネガティブな行動に気づかせてくれたこと」にあります。

  • 自分が普段感じてたことを言語化してくれたこと

これまでの人生の中で何度も「これはあなたにはできないから止めた方が良いよ」とか「これはあまり意味がいないから止めた方が良い」など反対意見を受けてきたことがあります。根拠のある「止めた方が良い」や「止めてこうした方が良いよ」、「こうしたらもっと良くなるよ」という意見であれば、学びになるのですが、根拠、改善策のない単純な否定を受けて、挑戦を諦めてしまうことも中にはありました。もちろん全ての意見に対してネガティブなフィードバックをしてはいけないという訳ではありません。データや改善策に基づいてのフィードバックをしていく必要があるとこの本から改めて学びました。また、「日本人は完璧主義すぎる」という点においても、完璧を求めるがあまり価値が低いタスクに時間を費やしてしまい、結果としてあまり価値を生み出させていないということもあるので、改めて全てに完璧を求める必要はないと認識しました。

  • 自分が本書で書かれているネガティブな行動に気づかせてくれたこと

以前、会社の同僚にあるシステムの新規ロジック提案を受けたことがあります。元々案としては2つあり、1つは先ほど提案を受けた新規ロジックでいくこと、もう1つは別の既存ロジックを転用することです。新規ロジック自体には私は納得しましたが、2つの点で止めた方が良いと判断しました。「納期に間に合わないこと」と「リリース後のリスク」です。提案を受けてロジックを修正する場合は、そのロジックで既存処理が正しく動作することを検証すること、関係者にpros,consを説明して合意をとることなど様々な追加工程が必要となり、既存ロジックにする前提で計画された納期には間に合う予定とはなりませんでした。リリース後のリスクについては、今回のロジック改修起因でリリース後に障害が発生した場合には、この改修は必ずしも必要なものだったのかと問われることになります。既存ロジックの転用であれば、そのロジックは試験済リリース済みなのでそういったリスクは少なくなります。そういった点を加味しても、この新規ロジックを追加することのメリットがあるかというと私は無かったと判断したので止めた方が良いと伝えました。ただその同僚から返ってきたのは、「改善提案をしても跳ね返されるようでは、良いものを作ろうというモチベーションが無くなってしまう。」という言葉でした。納期が変更できなかった状況を考えて、私の判断は間違ってはいないと思いますが、フィードバックの伝え方が同僚のモチベーションを下げてしまっていました。「相手を否定しない」、「自分の意見として伝える」、「改善提案をしてくれたことに感謝する」など否定的なフィードバックをしないことで、一緒に働く人のモチベーションを下げない伝え方をすることが重要であると感じました。

本書を通して、全章での学びが多過ぎてグサグサ言葉が心に刺さっていました。全体的に本書を通して私が学んだことは、大きく以下になります。

  • 失敗しても批判しない。相手を否定しない。
  • フィードバックを歓迎する。
  • 価値ある仕事に時間を費やす。
  • 仕事を楽しむ。
  • Contributeと感謝する。
  • 自分の人生は自分でコントロールする。

上記で挙げた内容は特に刺さり、今後の仕事においても意識して行動し、周りに広めていけたら今以上に仕事が楽しくなると感じました。本書は読み手によっては様々な意見があると思います。異なる意見を持つ方々と意見を交わして、また一歩学びを得てみたいと思わせてくれる一冊だったと思いました。著者の牛尾剛さんにお礼を言いたいと思います。多くの気づきを与えてくれる本を書いてくださり、心から感謝しています。ありがとうございます。

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