サウナで繋がる未来 ~二本松で体験した、新しい時代のコミュニティづくり~

サウナで繋がる未来 ~二本松で体験した、新しい時代のコミュニティづくり~

2025.09.08

なぜ私たちは、わざわざ福島まで汗をかきに行ったのだろう

福島県二本松市岳温泉「陽日の郷あづま館」で行われた「二本松サウナストラクチャーズ」聞き慣れない名前のイベントに、全国から約 70 人のサウナ好きが集まった。表向きは異業種交流イベントだが、実際に体験してみると、それ以上の何かがあった。

すべては筑波大学での出会いから

話は 2025 年 3 月 15 日に遡る。筑波大学で開催された JAWS-UG 茨城支部と Education-JAWS のコラボイベントから始まった。そこで出会った「くまさん」との一期一会が、今回の参加へと繋がっていく。TOTOSEC(ととのいセキュリティ)というコミュニティの存在を知り、「次回イベント開催時には是非とも参加したい」その想いが、半年後の二本松での邂逅を生んだ。

テクノロジーの世界で知り合った人と、サウナで再会する。考えてみれば不思議な話だが、これが現代らしい人との繋がり方なのかもしれない。

岳温泉とあづま館の魅力

会場となった「陽日の郷あづま館」は、岳温泉街にある温泉宿だ。岳温泉の酸性泉は肌がすべすべになると評判で、実際に入ってみるとその効果を実感できる。都市部の疲れが、洗い流されていく感覚だった。

このイベントの真の主役であるサウナ施設が素晴らしい

空サウナでは、本場フィンランド製の iki ストーブが迎えてくれる。このストーブが生み出す熱波のじんわりと体の芯まで温まる感覚は、他では味わえない。

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山サウナには、森を見る 1 台、空間を楽しむ 1 台の計 2 台の樽型のバレルサウナ ONE SAUNA が用意されている。アウトドア気分を感じられるのがありがたい。

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インフィニティ水風呂では、冷たい水に身を沈めながら、目の前に広がる夕焼け、夜空、朝焼けを眺めるられる。宿泊しないと味わえない景色でもあり、この開放感や景色は、都市部のサウナでは絶対に味わえない贅沢だ。

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特別な体験を演出する仕掛け

特別な演出が用意されていた!

トレーラーサウナ・テントサウナは、このイベントのためにサウナ温浴メーカー METOS 社より特別に設置されたもの。普段は体験できないこのサウナでは、薪によりじわじわと伝わる輻射熱の魅力を存分に味わうことができた。とにかく火力が凄い!

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夜は満点の星空を見ながらの外気浴も楽しめる。実際、夜空を見上げながらのクールダウンは、都市部では絶対に味わえない贅沢な時間だった。

1200 年の歴史が生み出す特別感

あづま館の温泉は、約 1200 年以上の歴史を誇る名湯だ。全国でも珍しい 800m 引き湯の酸性泉で、肌にとてもやさしく、pH2 という強酸性でありながら美人の湯として親しまれている。この歴史ある温泉地で開催されることで、単なるサウナイベントを超えた、特別な体験が生まれているのだと感じた。

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業界を超えた交流

金融、製造業、通信など様々なバックグラウンドの方々と普段なら名刺交換や挨拶で終わってしまうような関係が、サウナという空間では不思議と深い話になる。肩書きを脱ぎ捨てて、一人の人間として向き合える場所。それがサウナの魅力なのかもしれない。

AI 時代だからこそ、人間らしい交流を

サウナという「アナログ」な空間で、AI 利活用の話題

新技術の研究をしている方は、「AI で生産性は上がるけど、新しい分野だと間違った情報を、いかにも本当らしく教えてくる。人間側で真偽を判断する力が必要なんだ」と話していた。確かにその通りだと思う、私は「真偽を確認する AI エージェントを追加したり、信頼度をスコア化する仕組みがあるといいかもしれないと」と提案してみた。

大学院生の方は、「AI で研究のブラッシュアップができて、研究スピードが上がった。おかげで在学中により多くのテーマに取り組めている」と嬉しそうに話していた。こちらには「研究内容を肯定・否定・中立の 3 つの視点で評価してくれるマルチエージェント利用でさらにブラッシュアップできそうかも」とアドバイスしてみた。

AI が進歩すればするほど、人間同士の「熱い」つながりが貴重になる。そんなことを、フィンランド製ストーブの前で考えていた。

地方創生の新しいカタチ

このイベントの発起人である二本松サウナストラクチャーズの松村さんは、「地方創生を考える仲間と共に各県にストラクチャーズをつくっていきたい」と語る。従来の地域振興とは違う、自然発生的なコミュニティづくりだ。

初日の食事会では三保恵一市長、菅野京一二本松商工会議所会頭らから温かく迎えてくれ、地域全体でこの取り組みを応援している雰囲気が伝わってきた。

地方には、都市部にはない「余裕」がある。時間、空間、そして心。岳温泉の効能で体がリラックスし、あづま館の多彩なサウナで心もリセットされる。こういう場所だからこそ、本音で語り合えるのかもしれない。

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最後に

今回の体験を通して強く感じたのは、こうした非日常的な環境での交流が持つ力だ。普段のオフィスでは話せないような深い話、新しいアイデア、そして何より人と人との本当のつながりこれらすべてが、福島県二本松市岳温泉「陽日の郷あづま館」という特別な空間で生まれた。

ぜひ今度は、現在働いている会社のメンバーともこの体験を共有したい。チームビルディングの新しい形として、また、AI 時代における人間らしいコミュニケーションの場として、きっと素晴らしい効果をもたらすはずだ。日常の業務から離れ、肩書きを脱ぎ捨てて向き合う時間は、チーム全体の結束力を高め、新しいイノベーションの種を生み出すかもしれない。

テクノロジーが進化しても人間同士の接点は必要であり熱い繋がりは伝播する。
あずま館白坂社長 2 日間大変お世話になりました。

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