[レポート] Startupbootcamp Digital Health Demo Dayに行ってきた(前編)
Guten Tag! ヨーロッパから伊藤です。
我が家にも先日Alexaくんがやってきました。まだドイツ人のままでコミュニケーションがままならないので、早く日本人にしてBruno Marsを歌わせたいと思っています。
さて、先週の木曜日にこちらベルリンで、Startupbootcamp Digital Health Demo Dayというものが開催されたので、Marissaさんと参加してきました。
Classmethod (Europe) はMindspaceというコワーキングスペースにあるのですが、今回は、共同キッチンでコーヒーを共にするお友達、Haroonさん(Boca-Health)に招待いただきました。Vielen Dank!
Big DataやIoTなどの技術を扱うデジタルヘルス業界のスタートアップ企業11社による短いプレゼンでしたが、鋭いアイディアや話題のAlexaくんを使うサービスもありなかなか興味深かったです。
この記事では、そのうち前半の5社を紹介していきます。
Marissaさんの英語版レポートも要チェック!: Part 1 / Part 2
SBC Demo Dayとは
Startupbootcamp(SBC)とは、スタートアップ企業の成長を支援する3ヶ月のプログラムで、世界各地で展開されているものです。今回のSBC Digital Healthは、その医療知識×スマートテクノロジーで、診断やビッグデータ分析にフォーカスしてイノベーションを起こす企業が対象のプログラムでした。
Startupbootcamp Digital Health Berlin is the leading program supporting innovative companies combining medical knowledge with smart technologies, with a special focus on behavior change, diagnostics and genomics, big data and analytics.
今回のDemo Dayというのは、SBC参加企業のプログラム最終の発表日、いわば卒論発表というわけです。1
SBCプログラムを通じ、パートナー企業の援助やメンターの支援を受けて成長したスタートアップ達が、今後の資金を募るため、投資家に向けて製品・サービス説明、メンバー紹介、企業ビジョンをプレゼンするのです。
オープニング
14時のイベント開始とともに、会場が暗転。キョロキョロしてると、入り口からファンキーなネオンの光るサングラスをかけた人がキーボードを弾きながらやってきて、次にレーザーを使って演奏を始めました。2
こういうテクノな雰囲気は実にベルリンっぽいです。
この人、Ralph "Mr. Light"が演奏しているのは、『レーザーハープ』と呼ばれるもので、レーザーライトの光線をハープの弦に見立て、光線に触れる位置で様々な音程を出しているようでした。
こんなかっこいいオープニングができちゃうんだぜというSBCのLars Buchによる挨拶があり、エキサイティングなオープニング動画に続きます。
(そういえば、ふざけた格好でキッチンで動画撮影してたのはこれ用だったんですね
そういえばMindspaceにはしばしばワンちゃんがうろついてます。
そして参加企業達の入場、ピッチの始まりです!
ピッチ
各企業のピッチは、毎回CEOが登壇する前にSBCプログラムのメンターによる簡単な紹介が入り、盛大にCEOを迎え入れてハグをしてバトンタッチ、という流れで始まりました。ガイコクっぽい。
このメンターは、法律からマーケティングまで様々な分野のプロフェッショナル達のようです。
Biolumo
www.biolumo.eu
FOUNDER: OLGA GRUDNIAK
全患者への正確な抗生物質の処方を目指し、専用器に入れたサンプルから自動的に分析して結果を返す技術を開発しています。
具体的には以下のような手順で、通常の抗生物質検査では最低48時間かかるところを、Biolumoでは6時間以内で行っています。
1. 医師が患者の感染箇所からサンプルを抽出
2. Biolumo専用デバイスのカートリッジにサンプルを格納
3. データが自動的にラボへ転送され、分析結果をメールで通知
ポーランド発の企業で、医師や病院が主な対象ユーザとなります。
Aisens
www.aisens.co
CO-FOUNDER: ADAM WOZNIAK
リハビリや理学療法に向けたスマートデバイスを開発している、同じくポーランドの企業です。
患者のリハビリ器具や肌に直接デバイスを装着し、専用のスマホアプリを使用することで、リハビリに関するデータ収集を行ったり、家でのリハリビが正しくできているかを遠隔で医師に確認してもらったりすることができます。デバイス自体は腕時計程度のサイズでした。
リハビリで短期的に必要なユーザを対象に、レンタル料金モデルもあるとのことです。
デモ動画がこちらから確認できます。
また、このセンサ技術を応用してアスリート向けの開発も行っているとのこと。
hedia
www.hedia.dk
CEO: PETER LUCAS
1型糖尿病患者をサポートすることを目的に、糖尿病患者の健康管理をアシストするアプリを開発しているデンマークの企業です。
このアプリでは食事や日々の生活行動、インスリン投与量を簡単にデータ入力でき、そのトラックからインスリン投与量をオススメしたり、血中糖度の推定値をお知らせしてくれます。
彼らのアプリhediaは、App Storeで無料で提供されています。 すでに使用中のユーザで1日に4時間、1ヶ月に6日、50%以上ものユーザがアプリを使用し続けているようです。
Torafugu
www.torafugutech.com
FOUNDER: SAWAS NEOPHYTOU
トラフグという名前ですが、イギリスの企業です。
AppleウォッチやFitbit、Google fitといったウェアラブルデバイスで収集されたデータから、最先端の機械学習で分析するアルゴリズム技術を開発しています。
歩数、カロリー計算、消費量などの測定データの遷移から、このアルゴリズムを活用したリアルタイムの健康管理プラットフォームにより、ユーザの健康意識を向上させ、かつ各個人向けにベストな生命保険のレートを提供し、毎月の健康保険料を削減させることを目指しています。
また、保険会社への販売機会促進と、被保険者への最適な保険プランのマッチングを目指しているようです。
CardioCube
www.cardiocube.com
CEO: OSCAR KIWIC
Amazon EchoやGoogle Home等のAIデバイスを活用したサービスを開発しているポーランドの企業です。
対象は心臓病疾患のある人々で、家で測定した心拍数の報告や病気に関わる質問をAIデバイスに呼びかけることで、簡単に医師にデータが共有され指示を受けられます。
この会社が目を引いたのは、唯一メンターの紹介ではなく"Dr. Alexa Braveheart”というAmazon Echoからの紹介で入場したのです。
製品紹介VTRもあり、Alexaを使ったデモは非常にキャッチーでした。
休憩時間にAlexaとデモ画面(医師側)を見せて頂けましたが、シンプルできれいなインターフェースでした。ウェブサイトからもイメージはご覧になれます。
スポンサー企業
SBCにはその他様々なスポンサー企業が名を連ねていますが、今回のプログラムでも様々なベルリンの企業のサポートがあったようです。我らがMINDSPACEもその一つ。
まとめ
前半はここまでです!
後編6社 ではHaroonさんの企業も登場しますので、ぜひご拝読ください!
ヘルス業界のことは詳しくないのでサービスの内容までは分かりませんが、いずれもIoTやBig Dataを活用していますね。
クラスメソッドでもIoTとAWSを組み合わせた事例がウェブサイトで紹介されています。
Classmethod (Europe) では、AWSへの移行、AWS上のアプリケーション導入支援、AWS運用サポート、料金モデルのご相談、またはヨーロッパのローカライズや翻訳サポートを承ります。
詳細はウェブサイトのお問い合わせフォームよりご連絡ください!