[レポート] Startupbootcamp Digital Health Demo Dayに行ってきた(後編)

[レポート] Startupbootcamp Digital Health Demo Dayに行ってきた(後編)

Clock Icon2017.12.11

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Guten Tag! ヨーロッパから伊藤です。
ベルリンでも少しずつ雪が降り始めています。そんな日でも、毎朝我が家のAlexaくんが天気予報を教えてくれるので安心です!

今回は、Startupbootcamp Digital Health Demo Dayの参加レポートの後編をお届けします。

詳細は前編をご確認頂くとし、改めてこのSBC Digital Health Demo Dayとは
・SBCとはスタートアップ企業を成長支援する3ヶ月のプログラム
・Digital Healthは、医療知識×スマートテクノロジーで、診断やビッグデータ分析にフォーカスしてイノベーションを起こす企業が対象
・Demo Dayは、参加企業の卒業プログラムであり、今後の資金を募るため、投資家に向けて製品・サービス説明、メンバー紹介、企業ビジョンをプレゼンするイベント
ということであります。

これで前編の前半部分は読んで頂く必要はなくなりました!
本記事では、後半6社を紹介していきます!

Marissaさんの英語版レポートはこちらから: Part 1 / Part 2

ピッチ

前半を終えて20分の休憩時間に入り、このタイミングで帰る人もいたようですが、後半も会場は人で溢れていました。

Motognosis

www.motognosis.com
CEO: SEBASTIAN MANSOW-MODEL

パーキンソン病などの神経系患者に向けた、運動機能障害を検知し、分析する評価システムを開発しています。
通常の診断では医師は患者が認識して自己申告する症状しか把握することができませんが、この技術を使用することで患者自身により家でも正確な測定が遠隔で可能となります。

彼らのラボのシステムではMicrosoftのKinectのセンサーも使用されています。上半身、バランス、歩行などから具体的には以下のような測定で50以上の評価項目が得られるようです。
・動作の範囲
・動作の強さ
・動作の速度

Boca Health

www.boca-health.com
CEO: ALESSANDRO FARAGLI

体内水分量を測定し、患者自身で健康状態を管理するための測定デバイスとアプリを開発しています。
主に心不全、腎臓病患者、お年寄り、栄養失調の方に向けたサービスで、写真のように家でも簡単に測定が行え、ユーザフレンドリーなアプリ画面で結果を確認できるようです。
そしてその正確性を強みとしており、ピッチではfitbitやPHILIPS、NOKIAなどの競合他社よりも正確性が優れていると紹介されました。

また患者自身がアプリで管理するだけでなく、今後は病院やメドテックとの提携で遠隔医療を視野に入れているようです。

biotx.ai

www.biotx.ai
CEOs : DR. JOERN KLINGER & DR. MARCO SCHMIDT

病気の状態を検知したり、薬の効力を予測するマシーンラーニングのAI技術を開発しています。
高次元の生物医学的なデータから複雑なパターンを読み取ることで、病気の対象となる患者の判別や遺伝的な薬の効能を提示します。

ピッチの中では、アルツハイマーとなるリスクの高い患者を識別し、さらにその患者の疾患リスクを下げる薬を処方する例を挙げていました。

Jommi

www.jommi.de  FOUNDER: FABIAN IERTEL

スマホアプリにより手軽にヘルスケアのソリューションを与え、人々の生活を豊かにすることを目指すドイツの企業です。

主に糖尿病患者に向けたサービスを提供しており、ウェブサイトでは以下のようなiOSアプリが公開されています。
・食生活&買い物管理アプリ
・栄養度チェックアプリ
・健康レシピアプリ
・食生活管理アプリ(炭水化物、パンなど)

個人的には困った患者の表現が気になりました\(ö)/
が、きっと会場内で気になっていたのは私だけなのでしょう。

Uvisio

www.uvisio.com
CEO: LARISA KRYUCHKOVA

日射量を測定するデバイスとアプリを開発するオランダの企業です。
元々、CEOのLarisaさん自身が皮膚ガンを診断されたことがきっかけで開発に至ったとのことで、初めはビーチに自作デバイスを装着して行ったら、周りの人にそれはなんだと尋ねられ、起業を後押しされたとのエピソードを語っていました。
日射量の測定だけでなく、日焼け止めクリームを付け直すタイミングや最適な日焼け止めクリームを、肌のタイプに応じてお知らせするようです。

皮膚ガン対策というメディカルな観点でありながら、いわゆるITスタートアップというよりオシャレな点がピッチからもウェブサイトからも伺えて他の企業と異なる点でした。

InsightMedi

www.insightmedi.com
CEO: JUAN GONZALEZ

ヘルスケアの専門家が安全に情報や知識を共有できることを目指し、医療事例に基づいた情報共有やディスカッションのできる相互的なコミュニティを開発しています。
Google Couldを使用したクラウドプラットフォームで、iPhoneやAndroid端末で利用できるアプリも提供します。
デモ映像はこちら

ピッチでは、RubiconMD、doximity、MedUniverse、SERMOといった競合他社がある中、InsightMediは数日で導入でき、価格面でも他社より優れている点をアピールしていました。

休憩時間

前半終了後の20分の休憩時間は軽食&コーヒーの時間であり、企業達には重要なネットワーキングの時間です。
私も何社かお話を伺ったのですが、投資先を探しに来たというアメリカの企業の方に出会いました。またスタートアップ企業側でも、SBCプログラム終了後はアメリカへ渡って投資企業を探すという人も。
日本でもそうかもしれませんが、ドイツではスタートアップへ投資してくれる企業を探すのは難しいようです。

クラウドを用いたDigital Health

今回は、Startupbootcamp Demo Dayイベントの紹介として、Digital Health業界のスタートアップ企業のサービスに触れましたが、もちろんスタートアップ以外でもクラウドやIoTを用いた事例は多数あります。

例えば、Hewlett Packard Enterprise社ではインドを中心に、インフラ整備のされていないエリアに対し、eHealth Centerと呼ばれる遠隔医療を展開しています。(ソース:Living example: eHealth Centers

eHealth Centers are designed to integrate into a broader healthcare network of services or they can be deployed independently, depending on a community’s existing infrastructure. They serve communities that often lack doctors, functional clinics, Internet access, or even electricity.

紹介動画(YouTube)はこちら: eHealth center- Chausala, India | HP

またAWSを用いた事例で、直接的なDigital Healthのケースではありませんが、IoTの収集データを可視化した事例が弊社サイトでも紹介されています。
IoT客層分析ソリューションの開発

今回紹介されたスタートアップ企業の多くで利用されている、IoTセンサーからデータをクラウド上へ転送し、収集データや分析結果を可視化する構成です。

その他、IoTセンサーを用いた事例はこちら

まとめ

Classmethod (Europe) では、AWSへの移行、AWS上のアプリケーション導入支援、AWS運用サポート、料金モデルのご相談、またはヨーロッパのローカライズや翻訳サポートを承ります。
詳細はウェブサイトのお問い合わせフォームよりご連絡ください!

追加情報

前編のピッチ紹介で登場したCardioCubeから、イベント当日の様子をまとめた映像が公開されました!(2017/12/12)
Ralph "Mr. Light"の演奏や当日の雰囲気をキャッチアップするには最適です。

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