自力成長と他者支援成長
こんにちわ。従業員体験( EX ) の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。
人が仕事において取り組む内容には以下の3つがあります。
- A. 元々できること
- B. 今はできないが、自分一人で習得できること
- C. 今はできなくて、自分一人では習得できないが他者の力をかりると習得できること
です。
仕事を通して成長するには B と C が必要です。仮に B における成長は 自力成長 、C における成長は 他者支援成長 と名付けてみます。
ITエンジニアはほっとかれて勝手に育った人が多いので、他者の育て方がわからない人が多い
というような話をよく耳にしますが、これは自力成長力の高い人が、他者支援成長の恩恵がなくてもなんとかなってしまっていたことによるものでしょう。
現在、日本では IT エンジニアが大きく不足しており、自力成長力が高い人のみで会社を構成するのは困難です。となると、自力成長の能力が不足している人に対して他者支援成長の機会を増やすことで成長を促すことが重要になります。また、仮に自力成長の能力が高い人についても他者支援成長に関する支援を増やせばその成長はさらに加速することになるでしょう。
自力成長
自力成長 について掘り下げます。
自力成長力が高い人は、物事を学習する能力や動機が強い人でしょう。
- 今後自分に必要となるものは何であるかを探し出せる
- 新しいことを身につけるためにどのように情報を探すかに長けている
- 新しいことを身につけることそのものを楽しめる好奇心を持っていること
- 新しいことを習得するための一連の過程に慣れている
- ふりかえりから自身の改善点を継続的に見つけ、強化できる
- 目の前の問題を解決するのが楽しくて仕方がない
- 実践が必要となるスキルについて、実践機会を勝ち取りにいくことができる
例えばこんなスキルや特徴を持っている人たちです。
長年かけて培った性格に由来する要素もありますが、スキルとして後天的に習得することができるものもあるでしょう。自力成長力そのものを自力成長で身につける人もいれば、他者支援成長で身につける人もいます。
自力成長が発展途上の人に関して、ここを伸ばすことに協力できれば、自力で伸びることができる範囲が広がります。そのため、個別具体的なスキルを教えるよりもさらに強い影響を出せる部分と言えそうです。
この部分に必要となる能力は私自身も整理できていないですが、実際に私がしている行動としては
- 個人の目的と仕事の目的を重ねることで、学ぶこと自体が楽しみな状態にしている
- 未経験の仕事でも積極的に手を上げて取り組んでいく
- 学習した内容をブログでアウトプットする
- 毎週必ず個人のふりかえりを実施している
- 常に読書中の書籍があるようにしている
- 毎月数回は社外の人と業務に関わることについて雑談する場を作っている
などがあります。
この能力を強化したい人は、この能力が高いと思える周りの人達が物事を身に付けていく過程でどのようなことを考え、どのような行動をしているのかを確認するとよいでしょう。ペアやモブワークをする際はリアルタイムでその質問をできるチャンスです。
他者支援成長
他者支援成長 について掘り下げます。
他者支援成長によって成長可能な範囲を 最近接発達領域(Zone of Proximal Development = ZPD) と呼びます。 最近接発達領域は子どもが発達する際の理論ですが、大人にも同様のことが言えそうです。
他者支援成長は偶発的なものと意図的なものがあるでしょう。
偶発的なものは、特に成長を意図せずペアで仕事をしたら、相手だけが知っている知識やテクニックを見ることができて、偶然その恩恵を得ることができるようなケースです。その他に、ペアワーク時にフィードバックをもらうことで改善が必要な箇所を伝えてもらえるケースもあります。
意図的なものとしては、業務 A が得意な X さんと業務 A が未経験の Y さんを意図的にペアにし、 A さんから Y さんが未経験で知らない部分に対するサポートをしながら仕事をするようなケースです。
マネージャーになったが何を習得したらいいかわからない、という人に対して組織がマネジメント向けの研修を用意するのも意図的な他者支援成長のケースでしょう。
まとめ
自力成長と他者支援成長についてまとめました。
自力成長のみでなんとかなる人だけを採用し続けられる組織は稀でしょうから、他者支援成長を拡充させていくことが必要でしょう。
また、自力成長自体も伸ばすことができるので、こちらも合わせて伸ばせると効果てきめんでしょう。