簡潔な伝え方

簡潔な伝え方

この記事では、簡潔な伝え方についてまとめます。
Clock Icon2025.04.18

こんにちは。人事グループ・組織開発室に所属し、組織開発を担当しているてぃーびーです。

仕事では、顧客・上司・同僚などに情報を伝える機会が多くあります。そして、同じ内容を伝えるのであれば、できるだけ短時間で伝わり、正確に伝わるのが理想です。この記事では、簡潔な伝え方についてまとめます。

簡潔な伝え方とは

簡潔な伝え方は、相手の理解と行動を速く・正確に促すために重要です。情報が整理されていると、聞き手は迷わずに要点を把握でき、時間の無駄も減ります。ビジネスにおいては、伝わることが成果に直結するため、簡潔さは信頼や影響力にもつながります。

簡潔ではない伝え方とは

簡潔ではない伝え方は、相手の理解と行動に時間がかかり、誤って伝わるような伝え方です。
情報が雑然としていると、聞き手は要点の把握に迷い、時間の無駄が増えます。

簡潔な伝え方を身につけること

正しく伝わるのと誤って伝わるのでは、業務の成果は大きく差があります。また、正しく伝わる場合も、伝え方によって必要な時間は数倍の差があることもざらです。

仕事における生産性を高める上で、コミュニケーションの質を上げることの効果は想像以上に大きなものです。そして、コミュニケーションの取り方は才能ではなく、スキルであり、繰り返し改善することで質を上げることが可能です。

伝え方の簡潔さの対比

伝え方が簡潔な場合と、そうではない場合を対比します。

観点 簡潔な伝え方 対極の伝え方
情報量 必要最低限 多すぎる/曖昧
論点の明確さ はっきりしている 的を射ない/焦点がぼやける
構造 整理されている 話が散らかっている/論理が飛ぶ
印象 わかりやすい/信頼されやすい わかりにくい/信頼されにくい

簡潔な伝え方に関わる手法

簡潔な伝え方に関わる手法には、以下のようなものがあります。
伝え方が上手い人が以下の手法をすべて知っているわけではありませんが、本人が試行錯誤して身につけた伝え方が自然と以下の手法の特性に沿っている事が多いでしょう。

話法名 構成要素 特徴 有効な場面
PREP法 Point → Reason → Example → Point 結論ファーストで説得力が高い 結論を明確に伝えたいとき、説明・説得・プレゼン全般
SDS法 Summary → Details → Summary 要点の強調と繰り返しによる定着 短い報告、資料説明、プレゼン
DESC法 Describe → Express → Specify → Consequence 感情を交えた建設的なフィードバックができる フィードバック、対人関係の改善、指摘・お願い
FAB法 Feature → Advantage → Benefit 製品や施策の価値を明確に伝える 商品説明、企画提案、営業トーク
BEAF法 Background → Effect → Action → Follow-up 状況説明から提案、フォローまで一貫 改善提案、業務改善報告、プロジェクトレビュー
ナンバリング話法 「要点は○つです」+列挙 構造が明確で記憶に残りやすい ロジカルな話、講義、プレゼン、議論整理

PREP法

PREP法は、Point(結論)→ Reason(理由)→ Example(具体例)→ Point(再主張)の順序で伝える手法です。
結論を明確に伝えたいとき、説明・説得・プレゼン全般で使われる構成です。

PREP法の例

  • 【結論】このツールは導入すべきです
  • 【理由】なぜなら、作業時間が大幅に削減できるからです
  • 【具体例】実際にA社では30%の効率化を達成しました
  • 【再主張】以上から、このツールは導入すべきだと考えます

SDS法

SDS法は、Summary(概要) → Details(詳細) → Summary(まとめ)の順序で伝える手法です。
プレゼンや報告書などで使われる構成です。

SDS法の例

  • 【概要】本件の改善策としては、ツールの自動化が有効です。
  • 【詳細】現在の手作業ではミスが発生しやすく、1件あたり15分かかっています。自動化により5分以下に短縮可能です。
  • 【まとめ】以上より、ツールの自動化を早急に進めるべきと考えます。

DESC法

DESC法は、Describe(描写する) → Express(表現する) → Specify(提案する) → Consequence(結果を伝える)の順序で伝える手法です。
フィードバック、対人関係の改善、指摘・お願いなどで使われる構成です。

Describe(描写する)では、前提となる事実を具体的に伝えます。
Express(表現する)では、それに対する感情を表現します。

DESC法の例

  • 【描写する】最近、会議の時間に遅れることが何度かありました。
  • 【表現する】そのたびに、開始が遅れたり議論が中断されたりして困っています。
  • 【提案する】今後は、開始5分前には準備を整えてほしいです。
  • 【結果を伝える】そうすることで、全体の進行がスムーズになります。

FAB法

FAB法はFeature(特徴) → Advantage(利点) → Benefit(利益)の順序で伝える手法です。
商品説明、企画提案、営業トークなどで使われる構成です。

FAB法の例

  • 【特徴】このツールはAIによる自動分類機能があります。
  • 【利点】そのため、毎日の分類作業にかかる時間を大幅に削減できます。
  • 【利益】結果として、社員の作業時間が短縮され、より重要な業務に集中できます。

BEAF法

BEAF法はBackground(背景) → Effect(影響) → Action(行動) → Follow-up(フォローアップ)の順序で伝える手法です。
改善提案、業務改善報告、プロジェクトレビューなどで使われる構成です。

BEAF法の例

  • 【背景】先月から問い合わせ件数が急増しています。
  • 【影響】その結果、対応が追いつかず、顧客満足度が低下しています。
  • 【行動】一時的に外部サポートを導入する提案をします。
  • 【フォローアップ】導入後は、対応時間が30%短縮されたかをモニタリングします。

ナンバリング話法

ナンバリング話法は、話のポイントに番号をつけて伝える話し方です。
ポイントの数を伝えることで、話の全体像や現在地が伝わっている状態にできます。

ナンバリング話法の例

  • 成果が出ていない理由は3つあります
    1. 目標が曖昧 - 目標が曖昧であることに関する詳細
    1. プロセスが不明確 - プロセスが不明確であることに関する詳細
    1. ふりかえりが不足している - ふりかえりが不足していることに関する詳細
  • この3点を改善すれば、結果が出やすくなります。

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