[アップデート] Amazon Lightsail の WordPress インスタンスでカスタムドメインや SSL 構成を簡単にセットアップする機能が使えるようになりました

2024.01.06

いわさです。

先日の Amazon Lightsail で WordPress セットアップに関する次のアップデートアナウンスがありました。

アナウンスを見てみると、WordPress のセットアップに関する何らかの部分が簡素化されたようです。

私はこのアナウンスを見て、WordPress の管理画面から設定する初期構成が Lightsail 上から出来るようになったのかなと思ったのですが、違いました。
Lightsail で WordPress ブループリントを起動すると、WordPress インストール済みの仮想マシンが立ち上がり、パブリック IP アドレス経由でサイトにアクセスします。

管理画面から Web サイトを構築して使ってみるだけであればこれだけでも良いのですが、そこで作成した Web サイトを公開したいとなるとこのままでは色々と良くないです。

カスタムドメインの設定と、SSL 証明書の導入は最低限必要になると思います。
また、Lightsail はデフォルトでは動的 IP アドレスが割り当てられるのと、カスタムドメインの名前解決に A レコードでの指定が必要なので静的 IP アドレスの導入も必要になります。

従来の Lightsail では次の記事のような手順が必要でした。

ひとつづつ設定していく必要なのですが、まぁちょっと面倒ですよね。
今回のアップデートではこれら一連の設定を簡単に有効化出来るようになりました。

インスタンス作成時は従来どおりで特になし

今回の機能ですが、作成済みのインスタンスに対して有効化操作を行うものになります。
ただし、前提として WordPress ブループリントが対象とされているので、今回は適当な WordPress インスタンスを作成しました。

余談ですが、いつの間にか Lightsail にサイドメニューが追加されているような気がします。
前までタブだったような?

セットアップ機能を使う

インスタンスの作成が出来たら、インスタンスの接続タブを開きます。
この中の「WordPress ウェブサイトをセットアップする - 新規」というエリアに表示される「ウェブサイトをセットアップ」リンクを押下します。

全部で 5 つのステップで構成されるセットアップが開始されます。
それぞれのステップで色々と選択していきます。

最初はドメインの選択です。
既に Lightsail のマネージドドメインを所有していたので今回はこちらを使いました。
別のレジストラから購入したドメインも使うことが可能です。

続いて DNS ゾーンを選択します。
既に Lightsail DNS ゾーンを所有していたので、こちらを選択しますが外部の DNS ゾーンを指定することも可能です。

続いて静的 IP アドレスの名前を設定します。
ここで入力した名称で静的 IP アドレスリソースが作成され、インスタンスへのアタッチまで行ってくれます。

カスタムドメインの割り当てを設定します。
複数指定することが可能で割り当てを追加から追加していきます。

ネイキッドドメインあるいはサブドメインを指定することが出来ます。
ここで指定した内容に従って、先程設定した DNS ゾーンにレコードが作成される仕組みとなっています。

最後に SSL 証明書の作成設定を行います。
ここで作成する証明書は Let's Encrypt の証明書となり、自動更新のために Lightsail オートメーションも構成されます。

ポチポチ画面に従って入力するとあとはセットアップ作業を待っていれば勝手に終了します。
これはかなり便利ですね。

すべて自動構成されているのでウェブサイトに移動からカスタムドメイン経由でウェブサイトへアクセスされるので、管理者ログイン用のパスを入力すると次のように WordPress 管理画面へ遷移することが出来ました。

冒頭の記事を見て頂くとわかるのですが、これまではこの構成を行うために色々な手順を行う必要があってちょっと面倒だったのですが、今後はサクッと設定出来ますね。

失敗するケースもあった

セットアップに失敗するケースもあります。
エラー画面のセットアップ結果をよく観察し、原因を突き止める必要があります。
このエラー画面からとりあえず再起動しちゃいがちなのですが、よく見てみると SSL 証明書の検証に失敗しており、ドメインのネームサーバーで問題も起きていそうです。

このことからネームサーバー構成に起因して証明書の検証に失敗していそうな気がします。

サイドメニューからドメインを確認してみると、ネームサーバーが指定していた Lightsail DNS のものではなく、外部の Route 53 ホストゾーンのネームサーバーを指定してしまっていました。
ネームサーバー編集画面から Lightsail ネームサーバーを割り当てる機能が使えるので、それを行うことで問題は解決しました。

さいごに

本日は Amazon Lightsail の WordPress インスタンスでカスタムドメインや SSL 構成を簡単にセットアップする機能が使えるようになったので実際に構成しながら使い方を確認してみました。

いやぁ、これは結構良いですね。ちょっと面倒だなとは思っていたんですよね。
Lightsail はどうしても手動設定が必要になることが多いのですが、そんな中でもこういった簡単に設定出来るようになる機能はありがたいです。