スタートアップとメトリクスの上手な付き合い方(「データ分析を駆使したリーンスタートアップ」参加レポ)その2

スタートアップとメトリクスの上手な付き合い方(「データ分析を駆使したリーンスタートアップ」参加レポ)その2

Clock Icon2014.03.25

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

こんにちは。 ブログを書いていたらソーシャルネットワーク上で寿司テロを仕掛けられて(´・ω・`)な表情の @take3000 です。

前回に続き、「リーン・アナリティクス著者Alistair Croll氏による"データ分析を駆使したリーンスタートアップ"」に参加したメモの整形エントリーです。前回は、ほとんどのスタートアップに適用できる5つの指標が登場し、それに対しする参加者からの質問にAlistair Croll 氏が答えたところで終わりました。今回はその続きです。

スタートアップが、この5段階を経ていくのは共通しています。

例1.Empathy,Stickiness,Virality,Revenue,Scale はレストランでも共通

1つ目の例として、レストランのことを考えてみましょう。まず初期段階でレストランを開業する前にリサーチをします。(店舗の)周囲の人たちについて、どういった料理が好きで、どれくらいお金をつかうのか(※元は「食材をつかうのか」)。どういった料理が流行っているのか(トレンド)。最初に市場調査のために時間を使います。そして仮説を立てます。この仮説やアイデアが正しいかどうか試す必要があります。新しいメニューで試すわけです。だから綺麗なメニュー(※ラミネート加工や製本をされた立派なメニューのこと)を用意する必要はありません。毎週毎週変更を続けるからです。レストランの中を歩きまわって試食してもいましょう。新しいメニューを毎週作り、食材も大量に購入できないのでコストはかかります。不確実性が高いのはコストも高いのです。だから出来る限り小規模で検証をします。価格を変えてみるのも良いでしょう。考えないといけない測定基準は気に入ってもらえたか、またお店に来てくれたのか、です。 お客さんが、新しいメニューを気に入り、またお店に来てくれるようになってきたら Virality に入ります。ポイントカード制を導入するとか、Facebook で紹介してもらうか。例えばラーメン屋とうどん屋ならどっちがいいですか。サンフランシスコにはトラックで食事を売っている企業があります。飲食業界のリーンスタートアップモデルです。 次にRevenueを考えます。マージンは上がっているか、メニューを変えてマージンを残します。そしてコストを厳しく管理しましょう。POSを使ってバーテンダーがお酒を入れ過ぎないようにするとか(笑)、無償の料理をくばらないとか(笑い)。収益性を考えましょう。 1件目が上手くいったらここでScaleを考えます。2店舗目、フランチャイズ、誰か人を雇ってマーケティングしてもらう。つまり初期段階を終えて成長していく。スタートアップという段階から抜けたことになります。 レストランであっても、この5段階は適応できるのです。

例2. ソフトウェアの会社の場合

B2Bで市場を理解するということは、その業界で自分自身が経験があるからやっているケースが多いです。例えば自分で仕事をしていて改善できるところを見つけ、それがきっかけになるようなケースです。 もしくは、たとえばFAXを使ってビジネスが変わるか。ノウハウを知っている人、FAXのテクノロジーを知っている人があって新しいビジネスモデルが発想されます。 (既存の)B2B型(のビジネス)を見ると、「何故ぜこんなおかしいやりかたをするのか?」と思うことがあります。そして、自分でモバイルの会社を立ち上げるとしましょう。自分では、自分は最善の解決策をわかっていると思いますが、それは勘違いであることもあり、自分一人にしか売れないものになってしまいます。 Stickiness の段階、B2Bではコンサルタントのようになります。コンサルタントは100の顧客ではなく10の顧客を見つけます。それぞれの客にカスタマイズすることが多くなり、徐々に統合していきます。 Angry Bird は統合する必要ないけど、Salesforce は統合する必要がある(かもしれません)。既存のビジネスに差し込んでいくのは難しいのです。(初期段階においては)ヘルプデスク機能があるわけではないので、開発者が電話して直接フィードバックを聴くこともあるでしょう。これはコンサルタントのようなものです。 後に、プロダクトの会社になりたいと考えているのなら、専用のもの(※顧客ごとのカスタマイジングと思われる)は避けて標準的に作っていこうとするわけです。お客さんごとに似たようなものを提供したい、そのうち標準なものを売りたいから。しかしカスタマイズしなければ顧客を獲得できません。自分たちが何社まで展開できるかを検証しましょう。そうしてようやく Virality の段階になる。しかし従来のB2Cのやり方ではいけません。Twitterで宣伝してくれるわけではなく、紹介やケーススタディ(事例)で広がります。お客さんは事例として共有してくれることを認めてくれますか? 次の段階として、APIのようなものをつくります。Salesforce には AppExchange があり、多くのデベロッパーが AppExchangeに対して開発をしています。Salesforceはいちいちカスタマイズをする必要がありません。そこから売上の一部分をマーケティングに投資していくのです。このフィーチャがお金につながるか?を考えます(※この一文は前後の流れを読んでもちょっと意図がわかりませんでした)。 そして最後に Scale です。ビジネスが拡大しているのなら、お客様とのやりとりを効率良くしたり、競合他社のことを考えたり、チャネルをかんがえたり、展示会にでたり、パイプラインをつくったりします。 これらのモデルはちょっと調整することでB2Bでも使えるし、レストランのような小規模なビジネスにも使えます。

5つのフェーズと6タイプのビジネスモデル

これらの段階は6つのビジネスモデルにマッピングできるわけです。

Lean-Analytics-Stages図 One Metric Matters (出典 http://www.startuplessonslearned.com/2013/03/lean-analytics.html)

これにより、One Metric Matters という重要な指標が得られます。 解約率は重要な指標ですし、メディア会社ならCPE(※おそらく Cost Per Engagement と思われる)、電子取引の会社がバイラリティのフェーズならバイラルが重要です。ほとんどの人は「アリスター(※講演者)、それはおかしいよ。メトリックを1つだけ選ぶことはできないよ。」って言います。しかし、自動車の運転を考えてみても、駐車をするときは、後ろの車のバンパーとどれくらい離れているかを注視するでしょう。燃料の残量、時速、エンジンの騒音はそんなに気にしないはずです。重要なメトリックは何か? このケースは後ろの車との距離です。もし道路を運転していたら、前の車との距離を気にする。ガソリンが少なくなってくれば、ガソリンの残量が重要になるわけです。 つまり、大事なことは状況次第で重要なメトリクスが変わるということです。近代的なビジネスでは、その時重要なメトリクスが何であるのかを理解することが重要です。 信じてくれない人のために2回もこれを書いているのですけど、スタートアップで重要なことは1つのメトリクスにフォーカスすることです。1つのメトリクスでWebサイトへのトラフィックをみるわけです。次はコンバージョンや、1回の注文あたりの価格とかです。

明日へ続きます。

 

Share this article

facebook logohatena logotwitter logo

© Classmethod, Inc. All rights reserved.