くらめその情シス:PC棚卸回答を数週間→数日に短縮したおはなし

くらめその情シス:PC棚卸回答を数週間→数日に短縮したおはなし

Clock Icon2022.01.21

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どうも、情シスやってますアノテーションの徳道です。

社内のPCの棚卸、って情シスとしてはちょっと重ための業務ですよね。

クラスメソッドグループでもご多分に漏れず、数百台の棚卸を1年に2回、6月と12月に実施しています。

リモートワークが当たり前になり、オフィスで情シスのメンバーが確認したりすることはほぼ不可能なので、元からリモートでの棚卸チェックを行ってきていました。

ここ近年、クラスメソッドグループの成長に伴い社員数も増加し、棚卸作業も大変になってきました。

今回はPCの棚卸をちょっとラクにするために効率化を図ったお話です。

【関連記事】くらめその情シス:ユーザーに対して自動リマインドする仕組みをつくってみた

PCの棚卸作業って?

PCは物理的な機器です。今誰が持っていて、ほんとにそこにあるのか。

情報セキュリティ観点から定期的にチェックしないといけません。

もし紛失していたらセキュリティ事故になっちゃいますからね…。

PCの棚卸は以下のフローで行っています。

  1. 社員にPCを持っているか確認し、回答を得る
  2. その回答とPC台帳をマッチングして整合しているか確認
  3. 整合していなかったら調査をして所在を明確にする
  4. 結果を最新化しておく

棚卸対象の台数と人がめっちゃ増えた…

私が入社したころ、2018年くらいにはまだグループ全体で150名前後の社員数だったかな…と記憶しています。

そのころのPC棚卸は、GoogleスプレッドシートのPC台帳から必要事項を切り出して、全社員に共有して貸与しているPCの有る/無しのチェックを付けてもらう、というものでした。

棚卸開始と期限のアナウンスはチャットのチャンネルで行い、期限までに回答がない人は個別に後追いする方法でした。

(別名、お仕置き部屋というチャンネルに招待して終わったら出て言ってください、というやり方)

社員が300人くらいまでならこの方法でもなんとか期日内に後追いをすることはできていました。

しかし社員数が400…500…しかも海外にいる方も増えてきた…となってくるとさすがにいろいろ問題が。

顕著になってきた問題

ノールックで回答

こちらで持っている台帳の一覧を見せる方法だと、使っている人は自分の名前があればPCの管理番号や状態をあまり確認せずに「有り」という回答をしてくることが増えました。

PCの入れ替えなどで台帳の修正にミスがあったりしても、こちらでなかなか気づけないのです。実際にトラブルなどでこのPCですよね?となったときに実は違います、とか、情シスが知らない間に予備PCに入れ替えていた、だったりすると困りますよね。

未回答の後追い

これが特に厄介で、アナウンスを見て期日までに回答してくれる方は大体50~60%くらいです。

社員数150人の時はその割合でも後追いは60~70人程度でしたが、500人超にもなれば200人を超えてしまいます。

さすがにこれを一人一人後追いしていたのではそれだけで情シスの作業工数がとんでもないことに…。

こうやって効率化してみた

ノールック回答対策

まず、PC台帳一覧の公開をやめ、Googleフォームによる記述式アンケートに変更しました。

コンピュータのユニークな管理番号(弊社では資産管理番号と呼んでいます)を一覧から探す…のではなく、手元にあるPCの管理シールをちゃんと確認して記載してもらうことで「確実にその人が持っている」ことを担保します。

もし資産管理番号がはがれていたり、PCを紛失していた場合はそもそも管理番号を記載できないので、問い合わせがくる…という算段。

もちろん手入力なので記載間違いなどはありますが、それはPC台帳とのマッチングの際に気づけますし、全体数としては実際それほど多くはありません。

Googleフォームの結果はスプレッドシートに溜まっていきますので、回答された管理番号とメールアドレスをキーに状態がマッチしていることをPC台帳とvlookup関数を使って突き合わせすればよいのです。

PCの管理番号が台帳とマッチしない場合は記載間違いか未回答、とうことになり、個別確認となります。

ここまでである程度機械的に差異を洗い出すことができるようになりました。

未回答の後追い対策

こちらはちょっと頭をひねりました。少なくとも1回も回答していない人は回答スプレッドシートにメールアドレスが出てこないわけです。

そして情シスはメールアドレスと社員の情報をもっており、かつ社内チャット(弊社ではSlack)の管理権限もある…。

そうだ、1回も回答していない人にチャットボットがダイレクトメッセージで繰り返し「やってください!」って送ればいいんジャマイカ!

ということでチーム内でツールを作成してみました。

ツールのテクニカルな部分はぜひこちらの記事をご覧ください!

くらめその情シス:ユーザーに対して自動リマインドする仕組みをつくってみた

ビジネスロジックとしては

  1. 指定の日付を経過したら社員一覧のメールアドレスと回答シートをマッチング
  2. 回答シートにメールアドレスが載っていない=1回も回答していない 社員をピックアップ
  3. その社員のSlackのユーザーIDをAPIで取得して、定型文をダイレクトメッセージ!
  4. 1~3を1日1回、期限まで繰り返す

つまり、Googleフォームに1回も回答してくれない方は毎日チャットボットから繰り返し「やってください!」通知が飛んできます。

これだけで以下のメリットが!

社員側

  • アナウンス見忘れ、失念があっても気づける
  • 自分が回答対象であることがわかる

情シス側

  • 回答をしているかどうかのチェック自動化
  • 後追いを自動かつ確実に実施してくれる
  • 回答されるまで何度も繰り返しメンションするのでほぼ最後まで追い切れる

1発目の通知で回答率は50% → 80%以上になり、数日でほぼ全員の回答が完了するという劇的な改善効果がありました。

前回の棚卸での後追いは200人以上を手作業で後追い・1週間以上かかっていたのに対し今回は一桁台になりました。

もちろん、記載漏れや確認などはそれなりにあるとはいえ機械的にできる工数を大幅削減できたのは大きかったです。

さいごに:リモワ時代の社内標準に

今回の効率化は結構汎用性があります。

  • ユニーク情報を記述式にする → その情報を認識していることの担保
  • 回答結果から自動後追い → 後追い工数の削減と回答を得る期間の短縮

特に社内のアナウンスに対して、確実に見てほしいもの、回答をしてほしいものについてはこうした方法で見たよ、回答したよ、という結果から自動後追いをすることは効果が高かったです。

バックオフィス部門に横展開することで社内アナウンスの効率化をできればいいな、と考えています。

アノテーション株式会社について

アノテーション株式会社は、クラスメソッド社のグループ企業として「オペレーション・エクセレンス」を担える企業を目指してチャレンジを続けています。 「らしく働く、らしく生きる」のスローガンを掲げ、様々な背景をもつ多様なメンバーが自由度の高い働き方を通してお客様へサービスを提供し続けてきました。 現在当社では一緒に会社を盛り上げていただけるメンバーを募集中です。少しでもご興味あれば、アノテーション株式会社WEBサイト をご覧ください。

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