Tableau Server リポジトリに接続する
Tableau Server リポジトリについて、概要とその用途、Tableau Desktop でその内容を可視化するまでの手順をまとめています。
前提条件
下記の環境で検証しています。
・Tableau Server バージョン: Windows 2022.1.9
・Tableau Desktop バージョン: 2022.1
Tableau Server リポジトリとは
Tableau Server リポジトリは、サーバーデータを格納するデータベースで、実体はPostgreSQLです。ここに、Tableau Server の各種情報(ユーザー、グループ、パーミッション、プロジェクト、データソース、抽出のメタデータ等)が格納されており、後述する管理ビューでは、このデータを可視化することでサービスの監視に役立てています。
構成
Tableau Server リポジトリの構成は、下記の方法があります。
方法 | 概要 |
---|---|
ローカル | Tableau Server と同じサーバーにインストール |
外部 | PostgreSQLを外部に展開する。 Amazon RDS、Azure Database、Google Cloud 、またはスタンドアロンとしてインストール可能 |
外部リポジトリを使用する場合、Tableau Server で Advanced Management の キーが有効化されている必要があります。また、Tableau Server や各種インスタンスのバージョンにも注意が必要です。
Tableau Server リポジトリ(PostgreSQL)では、workgroupという名称のデータベースが用意されています。ここに接続することで、どのようなテーブルが格納されているか確認することができます。
なお、workgroupデータベース内のテーブルは下記にまとめられています。
リポジトリへのアクセス
ここでは、Tableau Desktop を使用して Tableau Server リポジトリへ接続する手順を記載します。
下記の2つの作業が必要です。
1.リポジトリへのアクセス有効化
Tableau Server リポジトリには、2つのビルトインユーザーが存在し、このユーザーを使って接続します。
ユーザー | 概要 |
---|---|
tableau | Tableau Server アクティビティに関するいくつかのデータベース ビューにアクセス可能。 |
readonly | さらに詳細な分析用のビューの作成に使用可能な追加のデータベース表にアクセス可能。 このユーザーの使用が推奨されている。 |
リポジトリへのアクセス有効化とその確認には、下記のコマンドを使用します。
リポジトリへアクセスできる有効化リストの表示
tsm data-access repository-access list
既定の出力は下記の通りです。
ユーザー Access Tableau false Readonly false
readonly
ユーザーのリポジトリへのアクセスとパスワード作成
tsm data-access repository-access enable --repository-username readonly --repository-password <PASSWORD>
このコマンド実行後、サーバーが再起動され、readonly
ユーザーの Access がtrue
となります。
※すでにreadonly
を作成済みで、パスワードを確認したい場合
下記のコマンドで確認可能です。コマンドはパスワードをクリアテキストで返します。
tsm configuration get -k pgsql.readonly_password
2.通信許可
接続元から、リポジトリが使用するポートへのアクセスを許可します。既定では8060
ポートを使用します。現在リポジトリが使用しているポートは、下記のコマンドで確認できます。
tsm configuration get -k pgsql.port
リポジトリのポートは、動的ポートマッピングシステムを使用しないため、どのサービスまたはプロセスがどのポートを使用しているか一覧表示するtsm topology list-ports
コマンドの出力には表示されないので、ご注意ください。
上記の作業後、Tableau Desktop から接続先のデータベースとして PostgreSQL を指定し、下記の情報を入力することで接続できます。
項目 | 概要 |
---|---|
サーバー | ホスト名、IPアドレス等 |
ポート | 8060(既定) |
データベース | workgroup |
ユーザー | readonly |
パスワード | PAAWORD |
管理ビュー
Tableau Server 上で提供されている、ユーザーがTableauコンテンツをどのように操作しているか把握する際に使用できる監視ツールです。リポジトリのデータを使用しています。
管理ビューには、下記の2種類が存在します。
種類 | 概要 |
---|---|
プレビルド管理ビュー | 既定として用意されているビュー |
カスタム管理ビュー | ユーザーがリポジトリのデータを用いて、後から作成できるビュー |
カスタム管理ビューは、上述の手順でリポジトリに接続することで、ユーザーが独自に作成するビューということになります。
例えば、プレビルド管理ビューの一つである「サーバーのディスク容量」に関する図はhistorical_diskusage
テーブルを使用すればカスタム管理ビューとして、Tableau Desktop上で再現・アレンジできたりします。
コミュニティでは、有志によってカスタム管理ビューが提供されています。
リポジトリのテーブルは数も多く、それぞれがどの用途で利用されているか把握することは簡単ではないので、こういった情報を参照しつつ必要に応じてカスタム管理ビューを作成するとよいかもしれません。
さいごに
Tableau Server リポジトリへのアクセス有効化から、Tableau Desktop での接続手順でした。
この記事が何かの参考になれば幸いです。