フィールドとチャートのタイプ〜Tableauでスパークラインを作成する #tableau
はじめに
こんにちは。DI部のtamaです。
本エントリは、Tableau Desktop Qualified Associateの試験ガイド「評価するスキル」に関連する内容となります。
本エントリの概要
今回はスパークラインの作成方法と、その使用場面について、見ていきたいと思います。
参考過去エントリ
スパークラインとは
軸や座標の表記がない、小さな折れ線グラフを複数並べたチャートです。
時系列で変化していくデータを、複数のディメンション毎に、一気に俯瞰して見てみたい時に有効です。
ちなみにスパークラインを広めたのは、Edward Tufteという統計学者です。(インフォメーショングラフィックの専門家でもある)
スパークラインを作成してみる
「メーカー毎の売上の推移をザッと確認したい」という目的に沿って、Vizを作成していきたいと思います。
作業環境
- MacOS High Sierra 10.13.2
- Tableau 10.5
- Tableau付属のサンプルスーパーストアを使用
時系列(にあたる)データを列に配置する
今回は、オーダー日を使用します。列シェルフに配置したら、右クリック→「(連続の)月」を選択します。
集計する値を行に配置し、軸の表記を調整する(表記を消す)
売上をみたいので、「売上」を行シェルフに配置します。
この時点で、売上と時間軸データ(オーダー日)は配置できたので、軸を編集して、全体をスッキリさせます。
売上軸を右クリック→軸の編集→「ゼロを含める」のチェックを外します。(0から折れ線グラフをスタートさせないため)
上記の要領で、時間の軸(「オーダー日の月」)の方も「軸の編集」画面を開き、「各行または列の独立した範囲」を選択します。
※この後、セグメント毎にグラフを分割しますが、セグメント毎に持っているデータの時間範囲が異なる可能性があるため、その異なる時間範囲に対して、それぞれグラフを描画できるように、この設定をしておきます。
折れ線グラフを分けたいセグメントを配置し、見た目を調整する
メーカー毎に見たいので、「メーカー」を行シェルフに配置します。そして、時間の軸(「オーダー日の月」)を右クリックし、「ヘッダーの表示」のチェックを外します。
見た目はまだ粗いですが、原型は完成です。
見た目をシンプルにする
スパークラインで一番見たいのは、データの傾向と推移です。ですので、それ以外の要素はできるだけ省きます。
これまでも軸の編集で色々非表示にしてきましたが、さらに削ります。
- 行シェルフの「売上」を右クリック→ヘッダーの表示のチェックを外します。
- グラフの縦幅を狭めます。(マウスのドラッグ操作で可能)
- 書式設定から、罫線を出来る限り消します。
- 折れ線グラフを細くします。(マークシェルフ→サイズ)
- (表示するメーカーを、フィルタリングする)
- ※見たいメーカーに絞ったほうが見やすいです。
以下のような形までシンプルにしました。
いくつか追加要素を盛り込む
シンプルにしたとはいえ、これだけだと流石に情報が少なすぎるので、いくつか情報を追加したいと思います。
ここでは、以下の情報を追加したいと思います。
- グラフ内における売上の最大値
- グラフ内における売上の最小値
- グラフ内における最新の売上
売上の最大値と最小値は、折れ線グラフに直接プロットしたいと思います。まずは以下の計算フィールドを作成します。
「最大値と最小値」
IF SUM([売上]) = WINDOW_MIN(SUM([売上])) THEN SUM([売上]) ELSEIF SUM([売上]) = WINDOW_MAX(SUM([売上])) THEN SUM([売上]) END
「色分け用」
IF SUM([売上]) = WINDOW_MIN(SUM([売上])) THEN '最小値' ELSEIF SUM([売上]) = WINDOW_MAX(SUM([売上])) THEN '最大値' END
「最新の売上」
LOOKUP(sum([売上]),LAST())
上記の計算フィールドが作成できたら、それぞれ配置していきます。
まず、「最大値と最小値」を、「合計(売上)」の右に配置し、右クリックメニューから「二重軸」を選択します。(ついでにヘッダーの表示もチェック外しときましょう)
売上の最小値と最大値をプロットすることができました。ただ、点の色が同じでわかりにくいので、最大と最小で色を分けます。
ここで「色分け用」計算フィールドを、マークシェルフの「色」に配置します。
※マークシェルフにいくつか段ができているかと思いますが、「最大値と最小値」の段の「色」に配置してください
※色自体とサイズは適宜調整してください
さらに、「最新の売上」を行シェルフに配置します。
そして、表記や全体のサイズを再調整し、完成です。
スパークラインの使用場面
- 経営指標
- 業績
- その他各種KPI
こういった、ある指標がどう変動しているかを一目で把握するのに有効です。ダッシュボードに組み込んでも良いと思います。
スパークラインの注意点
上記で挙げた場面で有効なスパークラインですが、いくつか注意するべきところがあります。
- グラフがゼロから始まっていない。
- 各グラフのスケールがそれぞれ異なる
- ある折れ線グラフを別の折れ線グラフと直接比較することはできない
おわりに
今回はスパークラインについて見てきました。
これにて、Tableau Desktop Qualified Associateの試験ガイドに記載されている、押さえるべきチャートについては、全てエントリを書きました。次からは別の試験範囲について触れていきたいと思います。
パレート図について
試験ガイドには「パレート図」も範囲に含まれていますが、パレート図については、既にエントリが投稿されているため、こちらを参照してください。