【SORACOM Technology Camp 2018 レポート】「売れば売るほど大変”を防ぐ!「IoT デバイス初期設定の工数削減」手法」#SORACOM

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こんにちは!おおはしりきたけです。今日は、SORACOM Technology Camp 2018 に参加してきました。クラスメソッドでもIoTのプロジェクト増えてきており、本イベントでIoTシステム構築・運用の技術を学びたいと思いイベントに参加しました!

イベント概要

SORACOM Technology Camp 2018 のイベント概要は以下になります。

2019年に必要なIoTシステム構築・運用の技術を学ぶ1Day!

IoTが実践フェーズとなり、様々なシステムにセンサーや通信が取り入れられモノのデータが活用され始めています。 「SORACOM Technology Camp」は、IoT に取り組む技術者・デベロッパーが、デバイス・通信・ソフトウェアなどの専門技術が密に連携するIoTシステムの構築・運用するために、最新技術や設計手法を学ぶラーニングイベントです。

第2回目の開催となる「SORACOM Technology Camp2018 」は、「IoT活用の実践」をテーマに、プロトタイピングや、IoTシステムの運用フェーズに必要な様々な仕組みを、SORACOMのサービスによる解決方法、ユースケースとライブデモを交えて解説します。 2018年7月に発表した新サービス「ダッシューボード作成・共有 SORACOM Lagoon」や、セキュアプロビジョニング「SORACOM Krypton」、「SORACOM LTE-M Button」を用いたプロトタイピングなど新しいセッションもお目見えします。

これからIoT に取り組む、もしくは来年度にむけIoTシステム提案を控えている技術者・デベロッパーの方は、ぜひご参加ください。

 

開催概要

開催日程 2018年11月22日(木)
開場と開始時間 開場:13:30 開始:19:30
参加費 参加費無料
会場 東京都品川区北品川5-5-15 大崎ブライトコア3F 大崎ブライトコアホール

タイムテーブル

時間 ベーシックトラック アドバンストラック
13:30 - 13:50 開会宣言 株式会社ソラコム 執行役員 プリンシパルソフトウェアエンジニア 片山 暁雄 /yaman 開会宣言 株式会社ソラコム 最高技術責任者 安川 健太 /kenta
13:50 - 14:35 事例で整理!IoTソリューションの開発/導入検討の進め方 株式会社ソラコム ソリューションアーキテクト 今井 雄太 /factory モバイル回線で作るイントラネット 業務システムにもセキュアに連携 株式会社ソラコム プリンシパルエンジニア 松井 基勝 /moto
14:50 - 15:35 そのデバイス、どうしたらIoT化できますか?事例に見るセンサー/デバイスのオンライン化デザインパターン 株式会社ソラコム ソリューションアーキテクト 今井 雄太 /factory 売れば売るほど大変"を防ぐ!「IoT デバイス初期設定の工数削減」手法 株式会社ソラコム テクノロジー・エバンジェリスト 松下 享平 /max
15:50 - 17:00 今日から始めるセンサーデータの可視化 株式会社ソラコム ソリューションアーキテクト 松本 悠輔 /ysk デバイス-クラウドの双方向通信デザインパターンと実践 株式会社ソラコム ソリューションアーキテクト 須田 桂伍 /kei
17:15 - 18:00 SORACOM LTE-M Button の始め方 株式会社ソラコム プリンシパルエンジニア 松井 基勝 /moto スモールスタートの次の一手は?成長できるIoTシステムの実例と回避したいポイント ― IoTシステム開発における試行錯誤の記録 株式会社ソラコム テクノロジー・エバンジェリスト 松下 享平 /max

※リンク先のBlogは随時追加されます。リンク先がないタイミングもありますがご了承下さい

セッション

セッション概要

タイトル 売れば売るほど大変"を防ぐ!「IoT デバイス初期設定の工数削減」手法
概要 IoTのシステム開発においてはPoC(Proof of Concept; 概念検証)が良く行われます。ここでは技術そしてビジネス双方の面から様々な検証が行われますが、ここで見落としがちなのが「デバイス出荷時における設定の内容や工数」です。この部分が検証されていないと販売時はもちろん、サポート時のコストもかかり、“売れば売るほど大変”となることは必至です。本セッションにおいては、100台以上を想定したデバイスの初期設定の仕組みや、クラウドへアクセスするための認証情報の保管戦略を紹介いたします。
登壇者 株式会社ソラコム テクノロジー・エバンジェリスト 松下 享平 /max

セッション資料

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セッションレポート

デバイス「売れば売るほど大変」

  • 売る前:個体ごとの設定、顧客ごとや出荷先の設定
  • 売った後:サーバーとの接続設定変更
  • クラウドと連携するデバイスって売れば売るほど大変
  • IoTデバイスはクラウドファーストデバイス

トラディッショナルデバイスとクラウドファーストデバイス

  • トラディッショナルデバイス
    • 出荷時が最高の状態、ハードウェア体験が主体
    • 時間とともに劣化ソフトウェア更新はない
    • 買い替え理由は「新しいソフトウェアでないと困る」
  • クラウドファーストデバイス
    • 出荷時は最低の状態ソフトウェア体験が主体
    • 時間とともに成長ソフトウェア更新は前提
    • 買い替え理由は新しいハードウェアによる新たな体験

クラウドファーストデバイスは、クラウドと連携することで初めて成り立つ

クラウドファーストデバイスの特徴と課題

  • クラウド連携のSDKと実装
  • 通信の確保
  • クラウドへのアクセスキーや接続先設定の保管

トラディッショナルデバイスの主な初期設定

  • ソフトウェアやコンテンツ
    • 公式カスタマイズのほか、顧客指定の追加ソフトウェア
  • 周辺機器の動作設定
    • 標準搭載のI/Oや、顧客指定の追加設定
  • デバイス固有設定
    • デバイスID、デバイス管理用ログイン情報

出荷後のことは考えなくてよかった

クラウドファーストデバイスの主な初期設定

  • ソフトウェアやコンテンツ
    • クラウド連携、SDKや実装
  • 周辺機器の動作設定
    • 通信機器の設定(有線、Wi-Fi、BLE、セルラーなど)
  • デバイス固有設定
    • アクセスキー、接続先設定

世界でもSORACOM

  • 100を超える国と地域で、APN名"soracom.io"でつながる
  • ソースネクスト様のPOCKETALKでグローバル向けAir SIM eSIM内臓で世界105カ国で使える

デバイスをクラウドサービスに接続する一般的な手順と、量産時の課題

  • 事前に大量の登録処理が必要
  • 生産委託時の鍵の漏洩や個体ヒモ付ミスのリスク
  • 生産工程の増加で納期・コストに影響
  • <出荷後>現場アタックによるアクセスキーの盗難
  • <出荷後>アクセスキーや接続先の更新

セキュアエレメント

  • 情報を安全に格納するメモリや、暗号化を補助するロジックや乱数生成が実行可能なモジュール
  • ハードウェア的な特性(耐タンパー性)
    • 物理的な破壊によって内部情報が消滅
  • ソフトウェア的な特性(厳重なアクセス制御)
    • 決められた手続きのみで内部情報にアクセスが可能

SIMもセキュアエレメント

SORACOM Beam /Funnelによるデバイス開発の工数削減

  • SIMを鍵としてクラウドの認証情報との紐づけ
  • クラウド向けプロトコルへ変換
  • プリミティブなプロトコルで送ってもOK。UDPとかでも
  • SDKやアクセスキー、接続情報をデバイスから取り除ける

SORACOM Air メタデータサービス

  • メタデータサービスの認証は、同じURLだがSIM毎の固有の値が返る
  • タグ:SIM毎に設定
    • ハードウェアに依存しない
    • 動作パラメータ
  • ユーザーデータ:グループ毎に設定
  • DIパターン
    • 起動時にIMSIに紐付いたメタデータを読み込むことができるので、デバイスの初期設定が簡単にできる

エッジ・コンピューティング

クラウドコンピューティングとエッジ・コンピューティングのメリデメ

  • クラウド
    • メリット
      • 圧倒的なコンピューティングパワーと高度なロジックの活用
      • 改善に強い
    • デメリット
      • ネットワークへの負担増
  • エッジ
    • メリット
      • 低遅延な判定が可能
      • オフラインに強い
    • デメリット
      • 変更に弱い

SORACOM Krypton

SIMで認証、接続情報をセキュアにプロビジョニングできるサービス

  • SIMで認証
  • デバイス登録代行
  • Wi-Fi経由でアクセスもできる
  • 設定情報やファームウェア配布にも利用できる
  • AWS IoT Core、Amazon Cognito、SORACOM Inventory

デバイス売れば売るほど大変というのは個別の設定が必要だから。企画段階からSORACOMを練り込むことで、デバイスでも「DevOps」はできる