頭痛が痛い式「Unique EVP」で採用のブルーオーシャンを狙う
こんにちわ。従業員体験( EX ) の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。
ソフトウェア開発者の採用競争が激化して久しいです。レッドオーシャンとも言える採用競争の中、各社自社の魅力を武器にアトラクトに勤しんでいると思います。従業員体験の文脈でいえば、従業員の期待と企業が提供できるものの一致が大切です。つまり候補者さんが求めるものに応えることができる企業の中でもナンバーワンが自社、という状態が最強です。それこそが Unique EVP になります。
EVP とは?
Unique EVP について説明する前にまずは EVP について説明します。 EVP は Employee Value Proposition の略です。企業が従業員に提供できる価値です。
例えば
- 非常にレベルの高い社員のみからなる組織であり、優秀な同僚に囲まれて仕事ができる
- 「面白い組織」であることを徹底的に追求している
- 社員が起業に向けて卒業することを前提としていて、人脈を作りながら起業準備をする最短経路が用意されている
などです。
EVP の独自性と実際
そもそも Wikipedia にあるように、もともと EVP は Unique という前提があったはずなのですが、実際のところはそうじゃなくなっていると思います。
Employee value proposition - Wikipedia
例えば、 EVP は企業文化と一体であることが多いです。そのため文化がどのようなものであるかが重要になります。実際に存在する企業の Value はどうなっているでしょう?
採用媒体で新着求人に表示されている企業の Value をざっと調べてみました。
- 率直
- 批判的思考
- 適応
- 独自性
- 誠実
- 未来志向
- 多様性
- 社会貢献
- 自律性
- 顧客志向
- 成果
などに関わる内容でした。どれもいいことではありますが、よくあるものです。もちろん、項目自体はよくあるものでも、他社と比較にならない水準になっていればよいでしょう。逆に言うとすべての項目がよくあるもので、しかも水準としても際立っていない場合、それは EVP にはならないということです。
※ここでは、例として文化を扱いましたが、 EVP は文化以外も含みます
Unique EVP とは?
EVP の説明にあったように現状各社が EVP として主張している部分は Unique ではない物が多いです。 そこでエントリーナンバー1番とか、頭痛が痛い的な響きにはなりますが Unique EVP と改めて表現しているのです。
EVP は今のままではいけないと思っている。だから EVP は今のままではいけないのです。
とはいえ完全に1社だけの EVP となるとなかなか難しいと思うので、国内なら同じ魅力を持つ企業が1桁で収まるくらいまで到達していればよいのでは、と考えています。
Unique EVP が組み合わせからなる場合もあるでしょう。魅力Aを持つ企業も魅力Bを持つ企業もあるが、両方備えた企業がレアな場合です。
Unique EVP と事業特性や企業理念との整合性
Unique EVP は単に独自であればいいかと言われればそうではありません。組織の魅力は事業特性や、こうありたいという組織文化と紐付いている必要があります。でなければ、従業員から見ると魅力的で入社してきてくれるが、その特性が事業の成功につながらないということになりかねません。結果として、儲からないので、長期的にみると安定して従業員に魅力ある環境を提供できなくなります。
ただし足切りラインはある
Unique EVP さえあればいいかというとそうでもありません。例えば、 Unique EVP があるものの、著しく給与水準が低い場合、いわゆる「やりがい搾取」になってしまいます。ある程度、市場競争力のある給与や求められる福利厚生や労働環境の前提は必要になるでしょう。
やりがい搾取、(·へ·)ヨクナイ!
まとめ
クラスメソッドの Unique EVP について考えると、 Developers IO をはじめとした情報発信文化は国内有数の魅力と考えてよいでしょう。
他の会社では得ることができない、自社特有の魅力。それでいて事業の方向性や組織文化と結びついた魅力。そんな Unique EVP があれば激化する採用競争の中でも目立った存在になり、ブルーオーシャンで戦うことができるでしょう。