【アップデート】Amazon SESで送受信可能なメールサイズのクォータが40MBに引き上げられました
みなさん、こんにちは。
AWS事業本部コンサルティング部の芦沢(@ashi_ssan)です。
AWSより以下のようなアナウンスがありましたので、早速ブログにしてみました。
3行まとめ
- SESの
送受信可能なメールサイズ(Message quotas)
が送信は10MBから40MBに、受信は30MBから40MBに引き上げられました。 - 対象は
SES APIのv2もしくはSMTPを利用したメール送受信
で、v1は対象外です。 送受信可能なメールサイズ
のクォータの引き上げはリクエストできません。
前提知識
今回のアップデートの説明として、SES APIのバージョン差についての内容が含まれるため、まずはSES APIに関する知識をインプットしておきましょう。
SES APIのバージョンについて
SES APIには、v1、v2の2種類のバージョンが存在しています。
SES v1 API
は旧世代のAPIでSES Classicとも呼ばれているそうです。
SES v2 API
は現行世代のAPIです。本日時点でAWSマネジメントコンソールから実行されるAPIはv2で実行されます。
各バージョンのAPIについては以下ドキュメントを確認ください。
SES CLIのバージョンについて
また、APIのバージョンアップに伴い、CLIのバージョンも新しくなっています。
SESのCLIは以下のような違いがあります。
- コマンド部分が異なる
- v1の場合は
ses
、v2の場合はsesv2
- v1の場合は
- サブコマンド部分も異なる
- 例:v1の場合は
list-identities
、v2の場合はlist-email-identities
- 例:v1の場合は
以下SESのアイデンティティを一覧表示するコマンドをそれぞれのバージョンのCLIから実行した場合のログ例です。
## v1のCLI実行 [cloudshell-user@ip-10-0-85-111 ~]$ aws ses list-identities { "Identities": [ "xxxxx.com" ] } ## v2のCLI実行 [cloudshell-user@ip-10-0-85-111 ~]$ aws sesv2 list-email-identities { "EmailIdentities": [ { "IdentityType": "DOMAIN", "IdentityName": "xxxxx.com", "SendingEnabled": true } ] }
各バージョンのCLIについては以下ドキュメントを確認ください。
アップデートの概要
ここからが今回のアップデートの本題です。
アップデートの概要を表にすると以下となります。
メール送信時に使用するリソース | クォータ | クォータの引き上げ |
---|---|---|
SES v1 API | 送信:10MB(変更なし) 受信:10MB(変更なし) |
不可 |
SES v2 API SMTP |
送信:10MB→40MB 受信:30MB→40MB |
不可 |
アップデートの対象はSES v2 APIもしくはSMTP経由でのメール送受信
のみに限られます。SES v1 APIを利用したメール送受信は対象外です。
SESではクォータ値が引き上げが可能なものもありますが、今回対象になっているMessage quotas
はクォータの引き上げが不可です。
v1のAPIを使っている方でアップデートの恩恵を受けたい場合は、v2にアップデートしましょう。
その他のクォータについては公式ドキュメントをご確認ください
- Service quotas in Amazon SES - Amazon Simple Email Service ※執筆時点では、SES v2のクォータの情報は日本語版のドキュメントに掲載されていなかったため注意してください(英語版のドキュメントを参照しましょう)
最後に
本エントリはSESのアップデート情報について取り上げました。
この記事がどこかで誰かの役に立てれば幸いです。
以上、AWS事業本部コンサルティング部の芦沢(@ashi_ssan)でした。