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[新登場] Vercel MarketplaceのAWSデータベース統合を試してみた
こんにちは、豊島です。
本ブログはClassmethod SaaSで加速するゲーム開発 Advent Calendar 2025の19日目のブログとなります。
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はじめに
Vercel MarketplaceにAWSのデータベースがネイティブ統合として登場しました!
Vercel Marketplaceは、Vercelプロジェクトにサードパーティのサービス(データベース、認証、監視など)をワンクリックで統合できるプラットフォームです。今回、ここにAWSのデータベースが加わりました。
これにより、Vercelのダッシュボードから直接、Amazon Aurora PostgreSQL、Amazon Aurora DSQL、Amazon DynamoDBといったデータベースをプロビジョニングし、シームレスに連携させることが可能になります。
新しい統合機能を実際に試し、セットアッププロセス、良かった点/気になった点について解説します。
Vercel × AWS について
re:Invent 2025のKeynoteでも発表があったように、Vercelのインフラストラクチャおよび提供する主要な製品の一部は、AWS上で稼働しています。
これまでもVercelはAWSを推奨クラウドプロバイダーとして位置づけてきましたが、このネイティブ統合によりVercelユーザーがAWSの堅牢なデータベースインフラを、より手軽に利用できるようになった点が大きな特徴です。
対応データベースと主な特徴
今回、Vercel Marketplaceで利用可能になったAWSデータベースは以下の3つです。
いずれもサーバーレスでの利用を前提としており、使用した分だけ支払うという効率的な運用が可能です。
| データベース | 種別 | 特徴(ざっくり) |
|---|---|---|
| Amazon Aurora PostgreSQL | リレーショナル | PostgreSQL互換。複雑なクエリやトランザクション処理が必要なアプリケーション向け |
| Amazon Aurora DSQL | リレーショナル(分散型) | PostgreSQL互換かつマルチリージョン対応。グローバル展開するアプリケーション向け |
| Amazon DynamoDB | NoSQL(キーバリュー) | サーバーレスで高スケーラビリティ。大量トラフィックを低レイテンシで処理したいアプリケーション向け |
これらのデータベースは、以下の共通した特徴を持っています。
- Vercelのダッシュボードから数クリックでデータベースを作成できます。
- 接続情報や認証情報が環境変数として自動的にプロジェクトに注入され、手動でのシークレット管理が不要になります。
- 新規でDBを作成する場合、クレジットカード不要で$100分のクレジットが付与され、気軽に試すことができます。
セットアップして詳細を確認してみた
実際にVercelプロジェクトにAWSデータベースを接続するプロセスを試してみます。
今回はStarter Templateを元にNext.jsプロジェクトへAmazon DynamoDBを接続する手順を追っていきます。
1. Vercel MarketplaceからDynamoDBを連携してみる
サイト下部にあるStarter TemplatesからNext.js Vercel app with Amazon DynamoDBを選択していきます。(他のDBもテンプレートがあるようです)

新しいプロジェクトの立ち上げが求められるので、そのまま続けていきます。
(余談ですがDymanoのタイポがあります。ローンチ直後ならではですね)

ここではリージョンやPK、DB名などを決める必要があります。

recommendされているus-east-1の料金

ap-northeast-1(東京)リージョンの料金

AWS公式ページの料金と照らし合わせたところ、Provisioned/On-demandともにVercel経由でもAWS直接利用時と同じ単価でした。マージンは乗っていないようです。
今回はap-northeast-1で進めていきます。


DBの作成が完了しました。
2. Vercelダッシュボードからリソースを確認していく
Team > IntegrationsからはAWSの項目が確認できます(※スクリーンショットでactionを求められていますが、こちらは検証中の表記のため関係ありません)

AWSの項目をクリックするとIntegration可能なリソースが確認できます。

UsageからはAWSコンソールで各種プランや料金を確認することができました
冒頭に紹介した通り、Vercelから新規でAWS Integration(DB)を利用した場合に半年間利用可能な$100分のクレジットが配布されています。


Team > Project > Storageからも利用しているリソースを確認できます。

この画面ではAWSの認証情報やDBの情報が確認できます。

右上の「Open in AWS」からAWSコンソールに直接遷移できます。VercelのUIからシームレスにAWSコンソールへ移動できるのは新鮮な体験でした。

※色々触ってみた所、いくつか注意ポイントがありました(個人的に気になる所だけ抜粋します)
できること
- GSIの設定
- CloudWatchメトリクスの確認
- ※Vercelダッシュボードからはメトリクス確認不可
できないこと
- Amazon CloudWatch Alarmの設定(SNSトピックが作成できないため)
- レプリカの作成
- S3へのエクスポート
- PITRの設定、バックアップの作成
- DynamoDB Streamsの設定
- Amazon Kinesis Data Streamsとの連携
- リザーブドキャパシティの利用
- リソースベースポリシーなどアクセス制御の設定
これらの制限は、データのバックアップ戦略や、リアルタイムなデータ変更をトリガーとするイベント駆動型アーキテクチャの構築に影響を与えます。アプリケーション側でのバックアップ実装や、ポーリングベースの変更検知など、代替手段を検討する必要があると感じました。
Vercel Marketplaceの統合が提供する手軽さとはトレードオフになりますが、本番環境で利用する場合は、運用要件(バックアップ、監視、イベント連携など)を事前に整理し、制限事項との兼ね合いを検討することをオススメします。
3. OIDCによる認証
この統合では、AWSアクセスキーを環境変数に保存する必要がありません。
OIDC(OpenID Connect)Federationにより、短命な一時トークンを使ってAWSリソースにアクセスする仕組みが標準で組み込まれています。
Vercelは @vercel/oidc-aws-credentials-provider パッケージ内で awsCredentialsProvider というヘルパー関数を提供しており、これを利用することでOIDCの認証フローを簡単に実装できます。
以下はDynamoDBに接続するコード例です。
import { DynamoDBClient } from "@aws-sdk/client-dynamodb"
import { DynamoDBDocumentClient } from "@aws-sdk/lib-dynamodb"
// import { awsCredentialsProvider } from "@vercel/functions/oidc" ※ 公式のExampleに残っていたりしますが、こちらはdeprecated
import { awsCredentialsProvider } from '@vercel/oidc-aws-credentials-provider';
const client = new DynamoDBClient({
region: process.env.AWS_REGION!,
credentials: awsCredentialsProvider({
roleArn: process.env.AWS_ROLE_ARN!,
clientConfig: { region: process.env.AWS_REGION! },
}),
})
const docClient = DynamoDBDocumentClient.from(client)
export function getClient() {
return docClient
}
AWS_ROLE_ARN や AWS_REGION などの環境変数はVercel側で自動設定されるため、開発者はAWS IAMロールの設定を意識することなく、セキュアな接続を実装できます。
使ってみた所感
良かった点
- セットアップの手軽さ
- Vercelダッシュボードから数クリックでDBを作成でき、環境変数も自動設定されます。AWSコンソールを開かずにプロトタイプを動かせるのは、検証スピードを上げてくれます
- OIDCがデフォルト
- アクセスキーを環境変数等に保存する従来の方式と比べ、OIDCが標準で組み込まれている安心感
- 新規ユーザーへのクレジット配布
- 新規ユーザーは半年間有効な$100クレジットが付与されるため、検証目的であれば費用を気にせず試せます
気になった点
- 運用機能の制限
- 前述の通り、バックアップ(PITR)、DynamoDB Streams、CloudWatch Alarmなどが利用できません。本番運用を見据える場合、これらの制限が許容できるかを事前に検討する必要があります
- AWSの知識は必要
- 今回はDynamoDBを選択しましたが、GSIの設計やキャパシティモードの選択など、DynamoDB自体の理解がないと適切な設計はできません。「インフラ知識不要」というよりは「インフラ構築の手間が省ける」と理解しました
- 運用上の制約
- Vercel経由で作成したリソースは、Vercelが用意したIAMロールで管理されます。バックアップやエクスポートなどの操作がコンソールからできないため、代替手段を事前に確認しておくべきです
まとめ
Vercel MarketplaceへのAWSデータベース統合は、プロトタイピングや小〜中規模のプロジェクトにおいて、開発スピードを大きく向上させる選択肢だと感じました。
一方で、エンタープライズ環境や厳格な運用要件があるプロジェクトでは、現時点の制限事項(バックアップ、監視、イベント連携など)を踏まえた上で、採用可否を判断する必要があります。
ローンチ直後ということもあり、今後のアップデートで制限が緩和される可能性もあります。まずは検証環境で試してみて、ユースケースに合うかどうかを確かめてみてはいかがでしょうか。








