Vercelアップデート&修正まとめ(2025/5/16〜5/31)|Changelogから注目トピックを日本語で紹介

Vercelアップデート&修正まとめ(2025/5/16〜5/31)|Changelogから注目トピックを日本語で紹介

豊島です。

VercelはWebアプリケーション開発者にとって非常に強力なプラットフォームであり、頻繁に新機能追加や改善が行われています。
本記事では、5月16日から31日までに実施された変更情報を日本語で解説します。
なお、私自身がVercelの最新動向をチェックし、日々の学習として内容をまとめている側面もあります。
「最近のVercelって何が変わったの?」と気になる方や、最新情報にアンテナを張っている方、そして私と同じように知識を深めたい方にも役立てば嬉しいです。

*本記事では主な変更情報として、新機能追加だけでなくバグ修正・改善・脆弱性対応なども対象としています。
※本記事で扱っていない内容も含め、詳細はVercel Changelogをご確認ください。


Vercel Changelog ハイライト(2025/05/16〜2025/05/31)

CVE-2025-48068(Next.js dev serverの脆弱性対応)

https://vercel.com/changelog/cve-2025-48068

ざっくりまとめ

  • Next.jsの開発サーバー(next dev)にCross-site WebSocket hijacking (CSWSH) の脆弱性(CVE-2025-48068)が見つかりました。
  • 影響バージョンはNext.js 13.0.0から15.2.2未満で、App Routerを使用している場合に影響があります。
  • Next.js 15.2.2で修正済みです。
  • Vercel上の本番環境アプリケーションには影響ありません。

コメント

開発環境のみの脆弱性とはいえ、App Routerを使用している場合は注意が必要です。
開発環境でも機密データを扱う場合は早急なアップデートをお勧めします。詳細は本文をご確認ください。

Vercel Blobが正式に一般提供開始

https://vercel.com/changelog/vercel-blob-is-now-generally-available

ざっくりまとめ

  • Vercelのファイルストレージサービス「Vercel Blob」が、プレビュー段階を終え、正式に一般提供(GA)されました。
  • 自動スケーリング、グローバルエッジ配信、バックアップ・復元機能、マルチアップロード機能などを提供します。

コメント

GAされて改めてドキュメントを見ていたのですが、Vercel Blobは基盤となるインフラにAWS S3を活用しているとのことです。(耐久性などが同じ)
AWS S3は様々なストレージクラス、GuardDutyと連携したGuardDuty Malware Protectionなど多機能な一方、Blobはシンプルなファイルストレージですね。

Vercel Blob insightsがObservabilityで利用可能に

https://vercel.com/changelog/vercel-blob-insights-now-available-in-observability

ざっくりまとめ

  • Vercel Observabilityダッシュボードに、Vercel Blobの使用状況を分析するための専用タブが追加されました。
  • データ転送量、ダウンロード量、キャッシュアクティビティ、API操作などを可視化できます。
  • ユーザーエージェント、エッジリージョン、クライアントIP別の詳細分析も可能。

コメント

Blobの一般提供開始と同時に分析機能も強化されました。
特にグローバルに展開するサービスでは、地域別のアクセス状況を把握することで、CDN配信の最適化やコスト管理がしやすくなります。また、異常なアクセスパターンの検出にも役立ちそうです。

Observability PlusでAIクエリプロンプトが利用可能に

https://vercel.com/changelog/ai-query-prompting-now-available-in-observability-plus

ざっくりまとめ

  • Vercelの高度な監視・分析サービス「Observability Plus」で、自然言語でログやメトリクスのクエリを作成、既存のクエリを変更できるようになりました。
  • 複雑なクエリ言語を知らなくても、データ分析が容易になります。
  • Observability Plusユーザーは追加コストなしで利用可能です。

コメント

ニュースから引用しますが、

  • 過去24時間以内の500件のエラーをすべて表示
  • 受信リクエストの帯域幅の上限を表示
  • 国別にグループ化された上位のホスト名を表示
  • ユーザーエージェントによるDDoS緩和策によってチャレンジされたすべてのリクエスト
  • パスごとにグループ化されたキーワード「timeout」を含むすべてのリクエストを検索

といった自然言語で分析できるのは、色んなシーンで活躍しそうです。

Hobbyプランでもレート制限が利用可能に

https://vercel.com/changelog/rate-limiting-now-available-on-hobby-with-higher-included-usage-on-pro

ざっくりまとめ

  • これまで有料プラン限定だったWAFのレート制限機能が、無料のHobbyプランでも利用可能になりました。
  • 月間100万リクエストまでのレート制限が無料で含まれます。
  • Hobbyチームはプロジェクトごとに1つの無料レート制限ルールを設定できます。

コメント

個人開発者や小規模プロジェクトにとって朗報ですね。
月間100万リクエストという制限も、小〜中規模のプロジェクトであれば十分な量だと思います。

HypertuneがVercel Marketplaceに参入

https://vercel.com/changelog/hypertune-joins-the-vercel-marketplace

ざっくりまとめ

  • フラグ管理やA/Bテストを提供するサービス「Hypertune」が、Vercel Marketplaceで利用可能になりました。
  • VercelのFlagsタブからネイティブインテグレーションとして利用できます。
  • ワンクリックセットアップと統合請求に対応しています。

コメント

このニュースでHypertuneの存在を知ったのですが、フィーチャーフラグやA/Bテスト、アナリティクスが可能なアプリケーション設定管理ツールなのですね。
HypertuneはTypeScript、React、Next.js向けに最適化されているとのことです。

Vercel Data Cacheを利用した外部APIキャッシュ分析がObservabilityで利用可能に

https://vercel.com/changelog/external-api-caching-insights-now-in-observability

ざっくりまとめ

  • Vercel Observabilityダッシュボードに、外部APIキャッシュのパフォーマンスを分析するための専用ビューが追加されました。
  • すべてのユーザーはホスト名ごと、Observability Plusユーザーはパスごとに分析情報を確認できるとのこと。

コメント

キャッシュから処理されたリクエストの数とオリジンから処理されたリクエストの数を示す新しい列が表示されます。

とある通り、適切にキャッシュ戦略がとれているかシンプルにチェックするのに有用ですね。


本記事で扱っていない内容も含め、詳細はVercel Changelogをご確認ください。

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