Amazon Verified Permissions の料金が 2025 年 6 月 12 日から大幅に値下げされました
いわさです。
本日アナウンスされましたが、Amazon Verified Permissions の料金が大幅に値下げされました。
Amazon Verified Permissions はアプリケーションのマネージドな認可基盤として導入できる非常に強力な機能なのですが、認可判定処理ごとに料金が発生する仕組みで、アクセス数などから試算してみると思ったより高額だなと感じた方もいらっしゃるかもしれません。
それを踏まえても、複雑な認可処理や負荷をマネージドサービスにお任せできるので価格以上の価値があるよなぁと思っていたのですが、今回のアップデートで単一認可リクエストの料金が最大 97 % 引き下げになるとのこと。97 % ってすごくないですか。
料金改定内容
最新の料金情報で次の料金ページも更新済みでした。
Amazon Verified Permissions は承認リクエストとポリシー管理リクエストでリクエストごとの料金が発生します。
通常の認可処理で使うのか承認リクエストになりまして、こちらが今回値下げされています。ポリシー管理リクエストの料金は変わっていません。
料金改定前は次のような料金単価でした。
料金階層 (1 か月あたりの承認リクエスト) | リクエストあたりの価格 |
---|---|
1 か月あたり 最初の 4,000 万件のリクエスト | 承認リクエスト1件あたり0.00015ドル |
次の 1 か月あたり 6,000 万件のリクエスト | オーソリゼーションリクエスト1件あたり0.000075ドル |
毎月 1 億件を超えるリクエスト | オーソリゼーションリクエスト1件あたり0.00004ドル |
1 ヶ月あたりのリクエスト数に応じた 3 段階の料金体系に分かれています。
また、Verified Permissions には「単一の承認リクエスト」と、複数のリクエストをまとめて処理する「バッチ承認リクエスト」があります。
改定前はそのどちらも上記の単価でした。
料金改定後は次のように、「単一の承認リクエスト」から段階料金がなくなり、単価が大幅に安くなっています。
リクエストあたりの料金 |
---|
承認リクエスト1件あたり0.000005ドル |
単一承認リクエストが約 1/8 の料金になっており、個別の承認リクエストを多用するアプリケーションでは大幅なコスト削減が期待できそうです。
また、バッチ承認リクエストとポリシー管理リクエストについては従来と同じ料金となっていますので、コスト削減の観点で頑張ってバッチ承認リクエストにまとめていた方は、そのまとめ方によっては単一リクエストのほうが安くなる場合もあります。(承認リクエストのレイテンシーも考慮する必要はありますが)
料金シミュレーションして比較
1 リクエストあたりの料金が小さすぎて比較してもよくわからいので料金シミュレーションしてみます。
ざっくりですが、例えば月間で 500 万リクエストの承認リクエストを判定する場合改定前後で次のような料金となります。
- 改定前: 750ドル(0.00015ドル × 500万件)
- 改定後: 25ドル(0.000005ドル × 500万件)
- 削減額: 725ドル(約97%削減)
4,000 万件以下の場合であればアナウンスのとおり 97% 減ですね。これはすごい。
月間5000万リクエストの場合でも次のように約96%減です。毎月 100 万円近く安くなるのでインパクトが大きいですね。
- 改定前:
- 最初の4000万件: 6,000ドル(0.00015ドル × 4000万件)
- 残りの1000万件: 750ドル(0.000075ドル × 1000万件)
- 合計: 6,750ドル
- 改定後: 250ドル(0.000005ドル × 5000万件)
- 削減額: 6,500ドル(約96%削減)
さいごに
本日は Amazon Verified Permissions の料金が 2025 年 6 月 12 日から大幅に値下げされたので試算などしてみました。
ものすごい値下げですね。これまで料金面が気になっていて Amazon Verified Permissions の採用に踏み切れなかった方は、ぜひ再検討してみてください。
また、バッチ承認リクエストのまとめ方次第では、単一承認リクエストを使ったほうが料金だけ見ると安くなる場合もあり得るのですでに Verified Permissions を導入している方も今回の変更内容を踏まえて使用方法を見直してみてはどうでしょうか。