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【新機能】 Vertex AI Agent Builder で生成 AI エージェントをノーコードで構築とデプロイが可能に #GoogleCloudNext

LangChain のような生成 AI エージェントをノーコードで開発できるようになりました

ウィスキー、シガー、パイプをこよなく愛する大栗です。

いよいよ Google Cloud Next '24 が開催されます。これから Keynote がありますが、その前にブログで多数の発表がされています。その中で目玉機能と感じた Vertex AI Agent Builder で生成AIエージェントをノーコードで構築できる機能が出てきたためレポートしてみます。

Announcing Vertex AI Agent Builder: Helping developers easily build and deploy gen AI experiences

また、帰国して直ぐに Next '24 の最新情報をお届けする振り返り勉強会も開催します。是非現地で物理参加を!(オンライン配信も予定してます)

【4/17(水)ハイブリッド】クラスメソッドGoogle Cloud Next ’24ふり返り勉強会

Vertex AI Agent Builder

Vertex AI Agent Builder 自体は、元々 Vertex AI Search and Conversation として検索や会話、レコメンデーションのアプリケーションを作成するための機能でしたが、この度 Agent Builder として名称が変更された模様です。

元々、検索(Vertex AI Search)、チャット(Vertex AI Conversation)、レコメンデーション(Vertex AI Conversation)のアプリタイプを選択できましたが、プレビューとして Agent が選択可能となりました。

検索、チャット、レコメンデーションは既存の機能であるため、Agent について触れていきます。

生成 AI で複雑なタスクを処理するためにはLangChainのようなフレームワークを使用して処理をつなぎ合わせますが、これをコンソール上でノーコードで構築することができます。

生成 AI では、事実に基づく回答を行うために、モデル自体の持っている知識以外に他のデータソースで補完を行う RAG(Retrieval-augmented Generation:検索拡張生成) と呼ばれる技術を使用します。しかしグラウンディングを長期間にわたって評価及び維持するためのツールがほとんど無く、実装が複雑になる場合があります。Vertex AI Agent Builder では Vertex AI Search などの直ぐに使用できる RAG システムでエンタープライズデータの統合を数クリックで行うことができます。

更に Vertex AI Agent Builder ではグラウンディングを強化するために、以下のような機能を使用できます。

  • Vertex AI extensions(現在 Private Preview) : 基盤モデルを外部システムの API やツールに接続する拡張機能を作成、デプロイ、管理できます。
  • Vertex AI function calling : ユーザーが一連の関数や API 読み出しを定義できます。
  • Vertex AI data connectors : ServiceNow、Hadoop、Salesforce のようなサードパーティアプリケーションからのデータ取り込みを支援して、生成 AI を使用するエンタープライズシステムに接続できます。

やってみる

Cloud Console で Agent Builder を開き、[アプリ] で [Agent] を選択します。

Agent を作成するので、表示名をリージョンを指定して同意して作成をクリックします。

しばらく待つと Agent Console が表示されます。

ここで簡単に Agent に指示をしてみます。

ここでは、以下のようなエージェントを作成してみます。

  • TEST : メインのエージェント
  • Hello : 挨拶をするエージェント
  • Bye : 別れを言うエージェント

TEST

Goal には以下のメッセージを入力します。

Conversation.

Instructions は以下のように Hello か Bye を呼び出す指示です。

- Greet the user and ask by what means you came.
    - If the user flew in, route to ${AGENT: Hello}.
    - If the user walked, route to ${AGENT: Bye}.
    - Otherwise, ask again.

Hello

Goal には以下のメッセージで挨拶をするだけです。

Greetings

Instructions は以下のように挨拶を行う内容です。

- Greet the user

Bye

Goal には以下のメッセージで別れを言うだけです。

Saying Farewell

Instructions は以下のように別れを言います。

- Saying goodbye to users

試す

Preview agent で試してみます。

ここでは TEST エージェントを gemini-1.0-pro-001 モデルで実行してみます。

"Hi" と話してみると、今日どうやって来たのか聞かれます。

歩いてきたと答えると、

Bye エージェントが呼ばれることが分かります。

簡単な例でしたが、LangChain などで実装しているエージェント機能をノーコードで構築できることが分かりました。

さいごに

一般的には LLM を使用してアプリケーションを開発する時には LangChain などのフレームワークを使用して開発を行いますが、Vertex AI Agent Builder ではノーコードで構築ができます。 現時点では一部ドキュメントが改定されておらず手探りで動きを試してみましたが、今後サンプルなどが出てくると簡単に構築できるようになると思います。

翌週 4月17日 (水)に振り返り勉強会を開催します!

Next '24 の翌週に帰国したばかりの現地参加メンバーが振り返り勉強会を行います!是非とも現地でご参加ください!

会場の入管管理のため参加申込が4月15日(月)までとなっているのでご注意ください!

【4/17(水)ハイブリッド】クラスメソッドGoogle Cloud Next ’24ふり返り勉強会