[アップデート] AWS Wickr が東京リージョンでサポートされました
いわさです。
昨日、AWS Wickr のサポートリージョンが追加され、東京リージョンで使えるようになりました。
AWS Wickr は AWS re:Invent 2022 が GA となったサービスで、Microsoft Teams や Slack のようなチャットや通話機能を持つエンタープライズ向けコミュニケーションサービスです。
登場以降、たまーに機能のアップデートはされていたのですが、これまでずっと東京リージョンでは使うこと出来ませんでしたが遂に使えるように。
東京リージョンとシンガポールリージョンが追加された
今回のアップデートで次の 2 つのリージョン、シンガポールと東京が新しく使えるようになっています。
「よくある質問」では AWS Wickr のリージョンはデータが処理および保存される場所とされています。
AWS Wickr is available in the AWS Asia Pacific (Singapore, Sydney, Tokyo), AWS Canada (Central), AWS Europe (Frankfurt, London, Stockholm), AWS US East (Northern Virginia), and GovCloud US West (AWS WickrGov). These regions are where data is processed and stored.
これまでもバージニア北部などで使うこと自体は出来ました。
それでもデータを国内に留めておく必要がある場合などは利用が出来ませんでしたが、今回東京リージョンがサポートされたことで国内でデータの処理と保存要件を満たすことが出来るようになります。
ネットワーク作成時に Free trial で作成は出来ない
利用にあたって一点注意点があります。
一ヶ月ほど前に AWS Wickr のプラン体系が少し変更になりました。
しかし本日時点では追加された東京とシンガポールリージョンでネットワークを作成しようとすると、次のように旧体系のプラン選択画面が表示されます。
今回追加されたリージョン以外だと次のようにスタンダードかプレミアムから選択する形となります。
で、次のように Free Trial プランを選択して作成しようとすると、ネットワーク作成に失敗します。
コンソール上はエラーが発生せずに、作成処理が静かに中断されます。
CloudTrail ログを確認してみると次のようなエラーが発生していました。
{ "eventVersion": "1.09", "userIdentity": { : }, "eventTime": "2024-03-30T15:14:45Z", "eventSource": "wickr.amazonaws.com", "eventName": "CreateNetwork", "awsRegion": "ap-northeast-1", "sourceIPAddress": "203.0.113.1", "userAgent": "Mozilla/5.0 (Macintosh; Intel Mac OS X 10_15_7) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/123.0.0.0 Safari/537.36", "errorCode": "BadRequestException", "requestParameters": { "networkName": "hoge0331wickr", "accessLevel": "1000", "isPremiumFreeTrial": false }, "responseElements": { "message": "Error: Unable to create a resource, invalid access level" }, "requestID": "cfc3dc56-4be6-45cf-897c-8d7cac55a3e8", "eventID": "7326e9dd-f262-46fe-9ae1-ac0053b9ef8f", "readOnly": false, "eventType": "AwsApiCall", "managementEvent": true, "recipientAccountId": "026267795819", "eventCategory": "Management" }
次のようにスタンダードプランあるいはプレミアムプランを選択した場合は正常にネットワークが作成出来ますので、Free trial は選択しないようにしましょう。
おそらく UI の不具合だと思います(フィードバック済み)
今回はスタンダードプランで作成してみました。
管理コンソールにアクセスしてプランを確認してみると、スタンダードとプレミアムの 2 つのプランが提供されており、プレイアムは試用版を選択することが確認出来ますので、内部的には新しいリージョンでもプラン体系は同じのようです。
ついでに管理コンソールからネットワークプロファイルを確認してみると ap-northeast-1 で実行されていることが確認出来ますね。
料金・機能は他のリージョンと同様
AWS Wickr は AWS GovCloud 以外の全ての通常リージョンで料金は同じです。
東京リージョンもスタンダードが 1 ユーザー 5 USD で、プレミアムが 15 USD です。
今回のアップデートアナウンス後に管理者向けドキュメント、ユーザーガイドをひととおり確認してみましたが、リージョンごとの機能の差異はなさそうです。
GovCloud リージョンだけフェデレーション周りの仕様がちょっと違うようですが、他は同じっぽいです。
サポートされるクライアント要件は本日時点では次のようになっています。
- Android versions 8.0 and newer
- iOS versions 13.0 and newer
- macOS versions 10.13 and newer
- Windows 10 and newer
- Linux, Ubuntu, and snap package
さいごに
本日は AWS Wickr が東京リージョンでサポートされたので実際に作成して紹介してみました。
今は作成時のプランにちょっと気をつける必要がありました。
日本だとこういったコミュニケーションツールはシェアの高いものでだいぶ固まってる印象があったので東京リージョンこなさそうだなと実は思っていたのですが、来ましたね。日本国内でどこまで利用されるかが気になるところです。