ChatGPTと営業ロープレをやってみた
みなさんこんにちは。クラスメソッドの営業の山住と申します。主にAWS関連の技術支援の提案活動などを行なっています。
さて、突然ですが、みなさんChatGPTは使っていますか?昨今、クラスメソッド内では空前のAIブームが巻き起こっており、日々さまざまな検証・ブログ投稿が行われています。私もこの波に乗っかりたいと思い、「営業」という目線でChatGPTの活用方法を考えてみました。非営業・非エンジニアの方でもスルスルっと読んでいただける内容になっていると思います。箸休めにどうぞ。
何がしたいか
今回はChatGPTの特徴である「自然な会話ができる」という点に着目しました。この特長を活かして、営業ロールプレイングをやってみます。
私が営業担当、ChatGPTがお客様役です。ChatGPTの実力やいかに。そして、私の営業スキルはどこまで通用するんでしょうか。
早速やってみましょう。
ロープレ1回目(架空の大手機械メーカーの部長職との商談)
記念すべき一回目の対話は失敗。ChatGPTが一人芝居を始めてしまいました。商談シーンのイメージができるという点でこれはこれで参考になりますが、思った回答ではないので"Regenerate response"をクリックします。
「どのような」で文章が途中で切れてしまっていますが、大手機械メーカーの部長さんになってくれたようなので商談を進めてみます。
最後の方で若干営業担当と役割を混同してしまっているようですが、商談は無事スタートしました。好意的に受け入れてくださっているようです。お忙しいところありがとうございます。
開発部門ではIoTを使っているが、工場での活用はあまり進んでいないようです。「IoTソリューション」というキーワードはそれなりにヒットしたようです。他社事例を気にされるというところはなかなかリアルな反応だと思いました。ちょっと掘り下げてみます。
お客様から「他社の事例は?」というご質問をいただいているにも関わらず回答していませんね。自分が話したいことだけ話しているように見えます。営業担当役、減点です。
一方でお客様はこちらからの質問にきちんと答えてくださっています。データ収集や蓄積への取り組みはできているようですが、分析や可視化するといったことはできていないようです。メリットをアピールします。
一元管理ができるというのはメリットと受け取っていただけたようです。改めて他社の事例についてご質問いただき、ようやく回答しています。
ここでまたChatGPTが営業担当の役と商談相手の役を混同してしまったようです。ちょっと流れを変えてみます。
あらら。ほとんど営業担当になってしまった。"Regenerate response"をしても軌道修正ができなかったので、質問文を変えてみます。
「このソリューションを導入していただくにあたり、どういった方々の決裁が必要になるでしょうか?」を、「このソリューションを導入していただくにあたり、御社のどういった方々の決裁が必要になるでしょうか?」としてみました。
部長さんに戻ってくれました。「御社」と「弊社」を若干混同している雰囲気がありますが、決裁者の情報を教えていただくことができました。
このあたりで商談を終了します。次はChatGPTに今回のロープレの評価をしてもらおうと思います。
「より具体的な事例や数字を交えた説明を行うことで、より説得力を増すことができるかもしれません。」
ハイ・・・。おっしゃる通りです・・・。若干説明不足だったかな、と思っていたところを見事に突かれた感じです。今回は半分お試し気分だったのでかなり粗めのサービス紹介をしてしまいましたが、「具体的な事例や数字を交えた説明」を加えて、営業トークを練り直そうと思います。
「ただし、営業ロールプレイとしては、非常に良いプレゼンテーションであったと思います。」
最後は褒めて終わる・・・ChatGPT、なんて良い奴なんだ・・・!
ロープレ2回目(スタートアップ企業のCTOとの商談)
先ほどは大手企業の部長職を想定したロープレを行いました。次は、スタートアップ企業のCTOとの商談を想定してみます。
先ほどのロープレで対話がうまくいかなかったところを修正できるようにやり取りをしてみます。
うーむ。またしてもChatGPTが一人芝居を始めてしまいました。ロープレの台本作りのベースにはなるかもしれませんが、今回の趣旨とは異なるため、軌道修正してみます。ChatGPTに演じてもらうための段取りが大事なようですね。
質問文を変えてみます。「私はクラウド上で各種ソリューションを提供する企業の営業担当です。あなたは、商談相手となるスタートアップ企業のCTOを演じてください。」を、「私はクラウド上で各種ソリューションを提供する企業の営業担当です。私が何か発言すると、あなたは、商談相手となるスタートアップ企業のCTOとして回答してください。」としてみました。
役に入ってくれました。「私が何か発言すると、」という条件をつけたのが良かったのかもしれません。
さて、商談開始です。まずは提案の背景を説明するというていで、ChatGPTにベース情報をインプットしてみます。
理解してくれました。ここから仮説をぶつけてみます。
セキュリティ系のサービスが提案できるかと思いましたが、万全でした。素晴らしい取り組みだと思います。これからもぜひ継続してください。
もう少し聞いてみます。
やはり万全ですね。素晴らしい。たまらず話題を変える営業担当(人間)。AWS利用のほうはどうでしょう。
「コストの管理や最適化」「AWSのセキュリティリスク」という課題を引き出すことができました!ここを深掘りしてみましょう!
先ほどのセキュリティの話題に引っ張られて、セキュリティに関しての回答しかできていません。営業担当役、減点です。
しかも「今後、何か新たな課題やニーズが発生した場合には、改めてご相談させていただければ幸いです。」という営業泣かせのお断りワードを引き出してしまいました・・・。諦めずもう少し粘ってみます。
次回提案アポイントの取得ならず・・・。手強い・・・。コスト管理の話をしてみても良かったかもしれない。
さて、先ほどと同様にロープレのレビューを依頼してみます。
やはり「具体的な例や実際の数字、データ」を元にお話をするのが良い、というフィードバックをもらいました。
「クライアントのCTOに対して直接提案を行う前に、彼のニーズや課題についてもっと深く掘り下げることができたら良かったでしょう。」
「提案が先走りすぎることなく、CTOが関心を持ちそうなトピックについて、より多くの情報を提供することが重要です。」
仰る通りでございます・・・。勉強になります!
やってみて思ったこと
具体的な数値やデータを示すとChatGPTがどのような反応を返すか、というところまでは試せていませんので、もっと中身の濃い商談のシミュレーションができるのかどうかは不明です。ただ、「役割の情報をインプットし、演じてもらう」という基本的な動きはしてもらえそうです。今回は思いつきの設定で試しただけですが、ターゲット像や提案したいサービスが具体的であればChatGPTの反応も変わるかもしれません。
個人的には、「競合他社の情報を知りたい」「現状で満足しているので今は結構です」という反応がかなりリアルですごいなと感じました。(営業現場でよくある)
今回はテキストだけのやり取りでしたが、今後音声の入出力に本格的に対応してくれば、もっとリアルな営業ロープレができるようになるかもしれません。
営業パーソンの皆様、ぜひ一度お試しください!あと、より良い活用方法があれば教えてください。それでは。