
Zendeskのヘルプセンター(FAQサイト)からの匿名問い合わせにメールアドレス確認が必須化されます(2026年3月9日〜)
はじめに
2026年3月9日より、Zendeskのヘルプセンター(FAQサイト)において、未ログイン状態(匿名)で問い合わせフォームから問い合わせを送信するユーザーに対し、メールアドレスの確認が必須となる仕様変更が順次適用されます。
この変更により、匿名問い合わせ送信後のチケット作成フローが変わるため、ヘルプセンターで未ログインユーザーからの問い合わせ受付を許可している環境では運用上の対応が必要になります。
本記事では、変更内容・影響範囲・具体的な対応方法について解説します。
変更の背景
Zendesk社の公式アナウンスによると、スパム攻撃が増加・高度化しており、悪意のあるユーザーがオープンなZendeskシステムを悪用してサポートを圧迫するケースが増えていることが背景にあります。
今回の変更では、問い合わせ送信者がメールアドレスの所有者であることを確認するステップを挟むことで、不正なリクエストの抑制を図っています。
変更前後の動作比較
変更前
匿名ユーザーがヘルプセンターから問い合わせを送信すると、即座にチケットが作成され、トリガに基づく通知(受付確認メール等)がエンドユーザーに送信されていました。
変更後
匿名ユーザーが問い合わせを送信すると、アクティブなチケットではなく 一時停止チケット(Suspended Ticket) が作成されます。
同時に、入力されたメールアドレス宛に確認メールが送信されます。エンドユーザーが確認メール内のリンクをクリックすることで初めてチケットが有効化され、トリガが発火します。
対象となるチャネル
- ヘルプセンターのWebフォーム
- /api/v2/requests へのAPIリクエスト
- Web Widget(従来版)のオフラインフォーム
- Support SDK
AIエージェントへの影響
AIエージェント(チャットボット)を使用してヘルプセンターのコンテンツに基づく返信を作成している場合、匿名の問い合わせにはこれらの自動応答が表示されなくなります。
AIエージェントを活用している環境では、匿名ユーザーに対する自動対応が機能しなくなるため、この点も考慮した運用の見直しが必要です。
エンドユーザーへの影響
この変更により、エンドユーザーの体験は以下のように変わります。
確認メールが届く
問い合わせ送信後、エンドユーザーには「受付確認メール」ではなく「メールアドレス確認メール」が届きます。

確認しないとチケットが作成されない
エンドユーザーが確認メール内のリンクをクリックしない場合、チケットは一時停止状態のまま有効化されません。
エンドユーザーからは問い合わせしたのに返事がないように見えるため、更に問い合わせが発生する可能性があります。
エージェント・管理者への影響
一時停止チケットの監視が必要になる
確認メールのリンクがクリックされなかった問い合わせは、一時停止チケットとして残り続けます。
正当な問い合わせが埋もれないよう、一時停止チケットを定期的に確認する運用が必要になります。
手動復元による対応が求められるケースがある
エンドユーザーが確認メールに気づかなかった場合や、メールが迷惑フォルダに入ってしまった場合など、エージェント側で一時停止チケットを手動で復元する対応が必要になるケースがあります。
対応方法①:一時停止チケットの復元
確認メールのリンクがクリックされなかった場合でも、エージェントまたは管理者が一時停止チケットを手動で復元することでチケットを有効化できます。
一時停止チケットの確認方法
管理画面のビューから「一時停止中のチケット」を選択します。

一時停止チケットの一覧が表示されます。匿名リクエストによるものは、一時停止の理由として表示されます。
復元手順
該当のチケットを選択し、復元操作を行います。

復元が完了すると、チケットがアクティブになり、設定されているトリガが発火します。エンドユーザー向けの問い合わせ受信の通知トリガを設定している場合、この時点で送信されます。
一時停止チケット通知の設定
一時停止チケットが発生したことに気づけるよう、通知を設定しておくことをお勧めします。これにより、エージェントが手動で一時停止チケット画面を確認しに行かなくても、メールで通知を受け取れます。
設定手順
- 管理センター > オブジェクトとルール > チケット > 設定 を開く
- 「割り当てと通知」をクリックして展開する
- 「一時停止チケットの通知」で通知頻度を選択する
- 不要
- 10分おき
- 1時間おき
- 1日おき
- 通知先のメールアドレスを入力する(複数の場合はスペース区切り)
- 保存する

なお、通知メールには新規分だけでなく、その時点で一時停止チケットのキューにあるすべてのチケットの情報が含まれます。一時停止チケットがキューに存在しない場合は通知は送信されません。
今回の変更を踏まえると、匿名リクエストの頻度に応じて適切な頻度を設定してください。匿名リクエストが多い環境では「10分おき」、少ない環境でも「1日おき」は設定しておくと安心です。
通知が不要になった場合は「不要」を選択することで無効化できます。
対応方法②:確認メールテンプレートのカスタマイズ
今回の匿名リクエスト確認で送信されるメールは、Zendeskの既存の「メールアドレス確認メール」が使用されます。すでにカスタマイズ済みの場合はそのテンプレートが適用されます。
エンドユーザーにとっては、今回の変更により初めてこの確認メールを目にするケースが多くなるため、内容を確認し必要に応じてカスタマイズしておくことをお勧めします。
設定手順
- 管理センター > メンバー > 設定 > エンドユーザー を開く
- 「アカウントメール」セクションまでスクロールする
- 「メールアドレス確認テキスト」フィールドのテキストを編集する
- ここのテキストの内容が確認メールで送信されます
- ページ下部の「タブを保存」をクリックする

なお、このメールはユーザーが登録するブランドのデフォルトのサポートアドレスから送信されます。
カスタマイズのポイントとして、確認リンクをクリックすると何が起こるのか、なぜ確認が必要なのかが伝わる文面にしておくと、エンドユーザーの確認完了率向上が期待できます。
例えば、以下のような文面が考えられます。
カスタマイズ例:
〇〇サポートへお問い合わせいただきありがとうございます。
セキュリティ保護のため、メールアドレスの確認をお願いしております。以下のリンクをクリックして、メールアドレスの確認を完了してください。
確認が完了すると、お問い合わせが受け付けられ、担当者より順次ご対応いたします。
※ このメールにお心当たりのない場合は、本メールを無視していただいて問題ありません。
対応方法③:サインイン必須化という選択肢
そもそもヘルプセンターでのサインインを必須にすることで、今回の変更の影響を完全に回避できます。
管理センターのエンドユーザー設定から、ヘルプセンターへのアクセスにサインインを必須とする設定が可能です。
ただし、これまで匿名でのリクエスト送信を許可していた環境では、エンドユーザーにアカウント作成を求めることになるため、問い合わせのハードルが上がる可能性があります。運用要件と照らし合わせてご検討ください。
影響を受けないケース
以下の場合は本変更の影響を受けません。
- ヘルプセンターにサインイン中のユーザーからの問い合わせ
- エージェントが作成したチケット
- Supportメールアドレスへのメール送信により作成されたリクエスト
- メッセージングチャネル経由で作成されたリクエスト
- /api/v2/tickets へのAPIリクエスト
まとめ
本変更への対応として、以下のチェックリストを参考にしてください。
- 自社のヘルプセンターが匿名問い合わせを受け付けている設定かどうか確認する
- エージェント・管理者に変更内容と一時停止チケットの運用フローを周知する
- 一時停止チケットの通知設定を有効にする
- 一時停止チケットを定期的に確認・復元する運用ルールを整備する
- AIエージェントを利用している場合は、匿名問い合わせへの影響を確認する
- 確認メールテンプレートの内容を確認し、必要に応じてカスタマイズする
- エンドユーザー向けのFAQやヘルプ記事に「確認メールが届く」旨を追記する
- (任意)サインイン必須化を検討する
参考リンク







