[レポート]【毎日放送】サーバーレス・アーキテクチャを全面採用した動画配信サービス #AWSRoadshow

2017.09.21

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どうも!西村祐二@大阪です。

本日は、大阪で開催されているAWS Cloud Roadshow 2017に参加してます。
AWS Cloud Roadshow 2017
導入事例トラックから毎日放送様の「【毎日放送】サーバーレス・アーキテクチャを全面採用した動画配信サービス」を聴講しましたのでレポートします。

セッション概要

  • タイトル:
  • スピーカー:
    • 株式会社毎日放送 経営戦略室メディア戦略部 兼 コンテンツビジネス局コンテンツビジネス部 兼 ITビジネス部
      濱口 伸 様
  • セッション概要:
    • 毎日放送は、2016 年 12 月より月額定額制有料動画配信サービス「MBS 動画イズム 444」をスタートさせました。本サービスは、サーバーレス・アーキテクチャを全面採用し、3 ヶ月という短期間での実装、コストミニマムの運用を実現しています。 本セッションでは、プロジェクトスタートからサービスローンチに至るまでの検討過程、システム実装、運用に入って分かったことについてお話します。

レポート

サーバレスで「MBS動画イズム」というサービスを提供までの経緯

  • 2016年9月にAWSサーバレス環境での有料動画配信サービスシステム開発スタート
  • 2016年12月に「MBS 動画イズム 444」ローンチ
    • 今回の話はこの3ヶ月間の話
  • 2017年9月に無料動画配信サービス「MBS動画イズム」へリニューアルし、AWSサーバレス環境で稼働開始

動画配信サービスの置かれてる環境

  • 広告付配信、有料配信、デバイスの充実
  • 市場動向が急激に変化を続けており、柔軟に対応できるシステムが求められている

MBS 動画イズム 444を始めるにあたり

  • 有料動画配信サービスで必要になる機能
    • 権利者との交渉、要求される機能
    • 番組毎のコンテンツに付与されているメタデータがばらばら
    • コンテンツ管理、会員管理、動画の保護、決済処理
    • システムを一から作る必要がある
    • ネットサービスは始めるのは簡単だが普及までに時間がかかる
    • 低コストで継続して稼働できることが必要

クラウドファーストで考えた

  • クラウドファーストなら一からシステムを作れる
  • タイミングがよかった

どのクラウドを採用するか

  • MBSハッカソンでの経験からAWSを採用
  • AWSは開発者コミュニティが充実している、ハッカソン参加者はほとんどAWSを利用していた
  • 開発ベンダの提案でAWS Lambdaやマネージド・サービスを使った提案があった

サーバレスな開発で考慮すること

  • DBなどのサービスから受け取るデータを加工、渡す部分の実装が必要
  • ステートレスなので実装時に検討するべき要素は増える
  • 用意された環境を利用するため自由度の割り切りは必要

大量アクセスに対応する仕組み

  • WEBページを静的な表示ができるように設計
  • CloudFrontとAmazon S3のみでサイト表示を実現
  • フロントでできる動作はフロントで行う

処理時間が長い命令に対する設計

  • マスターのLambdaから複数の子Lambdaを呼び出し並列に処理を行うように設計

仕様をfixさせない中でのバックエンド開発

  • 管理者画面を(CMS)をkintoneで構築、AWS側のバックエンドシステムを制御

モニタリングと障害通知

  • 3リージョンからお互い監視
  • 監視間隔5分
  • Lambdaベースで監視コストを下げている

不正アクセスの対策

  • Lambdaの実行回数制限を狙った攻撃がある
  • 1分間隔で不正なIPアドレスから攻撃がないか監視している

運用してわかったこと

  • サービス上はほぼトラブルなし
  • Lambdaはネットワーク機能に不具合があるコンテナにあたることがある

コスト比較

  • オンプレミスと比較し全体で54%減
  • 構築費用を除いて
    • EC2ベースで75%減
    • サーバレスベースで92%減

現在の構成

  • Lambdaは主に認証周りで利用