[新機能] Amazon Elasitc Transcoderに動画の結合機能(Clip Stitching)が 追加されました!
はじめに
清水です。Amazon Elastic Transcoderに動画を結合できる新機能が追加されました。"Clip Stitching"という名称で紹介されています。
- Clip Stitching
- Amazon Elastic Transcoder now supports stitching together clips from multiple inputs. For more information, see Clip Stitching in the Amazon Elastic Transcoder Developer's Guide.
https://aws.amazon.com/releasenotes/4091227123093576
詳細情報はAmazon Elastic Transcoder Dvevelper GuideのClip Stitchingのページにもまとまっています。
これまでAmazon Elasitc Transcoderでは、入力ファイルとして指定できるものは1つのみでした。1つの入力ファイルに対して複数の出力フォーマットを指定することはできましたが、あくまで中身としては入力1に対して出力も1、という対応です。今回追加されたClip Stitchingの機能により、入力ファイルを複数指定することができ、出力されるトランスコード後のファイルの中身は複数の入力ファイルが統合(連結)されたものとなります。 図中では入力ファイルを2つとしていますが、2つ以上の複数入力ファイルを結合することができます。
やってみた
このClip Stitching機能を実際に使用してみました。 なお以下の説明ではAmazon Elastic Transcodeでトランスコード処理する際に必要な パイプラインはすでに設定済みとして進めています。またまたプリセットについては既存のものを使用しました。
Management Console画面の確認
トランスコードジョブ作成のためにManagement Consoleのジョブ画面から [Create New Job] ボタンを押して、新しいジョブの作成画面へと進みます。 細かな変更ですが、以前はこの画面で設定できる入力ファイルは(当然)1つのみで、Input Key として1つのファイル(S3バケットに格納されているオブジェクト)のみ指定可能となっていました。
下の図は2016年5月ごろに書いたエントリ([新機能] Amazon Elastic TranscoderがMPEG-DASHに対応しました)でキャプチャしていた当時のManagement Consoleの画面です。 Input Keyとして1つのファイルのみ指定可能だったことがわかります。
現在(2016年11月)のジョブ作成画面では、下記の図のように Input Details (1 of 1)と表記があり、複数の入力を指定できるようになっていました!
更にその下にある +Add Another Input のリンク(文字ボタン)を押すことで、 入力項目を増やすことができます。
実際に複数ファイルを入力としてトランスコードしてみる
それでは実際に、このManagement Consoleの画面から3つの入力ファイルを指定してトランスコードをしてみます。 入力ファイルの指定の仕方は下記の図のように、増やしたい入力ファイルの数だけ+Add Another Input のリンク(文字ボタン)を押し、都度Input Keyに入力ファイル名を入力していきます。 出力されるトランスコード結果も、素直にこの順番通りの結合となり、この図の例では「Sample6 → Sample7 → Sample8」という順の動画が出力されます。 出力設定についてはこれまで通りの方法で進めて、[Create New Job]ボタンを押してジョブを作成しましょう。
今回トランスコードの入力とした動画の内容は以下になります。
- Sample6.mov: 車道の風景
- Sample7.mov: 目の前を通過する電車
- Sample8.mov: 駅の改札
以下が出力結果の一例です。Elatic Transcderの出力フォーマットの1つであるAnimation Gif形式を例示してみました。なお、Animation Gifの尺を短くするためにクリップ機能(In点と尺から動画を切り出す機能)を使用しています。
3種類の動画が結合されたものがトランスコードの出力として得られました!
まとめ
Amazon Elastic Transcoderに追加された新機能「Clip Stitching」を使ってみました。 これまでClip機能で入力ファイルから一部分を「切り取る」、ということはできていましたが、今回複数入力ファイルを「結合」することができるようになり、Elastic Transcoderで動画の中身について操作できる幅がだいぶ広がったと思います。 例えば配信用ファイルの前後に広告動画やクレジット動画などを挿入したい、という場合、これまでは動画編集の段階で挿入する必要がありましたが、今回アップデートされたClip Stitching機能を使うことでトランスコードの段階で挿入することができるようになります。またClip機能と組み合わせることで簡単な編集ならトランスコードの際に行うことができそうですね。
引き続き、Amazon Elastic Transcodoerの機能追加に注目していきたいと思います!