Amazon VPC上のCisco ASAvインスタンスでIPv6を有効にする

Amazon VPC上のCisco ASAvインスタンスでIPv6を有効にする

Clock Icon2017.04.28

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こんにちは、ももんが大好きの小山です。みなさんいかがお過ごしでしょうか?

きょうは、VPC 上に起動した Cisco ASAv インスタンスで IPv6 を有効にする方法についてご紹介したいと思います。

準備

ASAv のインターフェイスで IPv6 を使用するためには、ENI で IPv6 アドレスが有効になっている必要があります。あらかじめ以下の前提を満たすように準備しましょう。

  • VPC に IPv6 の CIDR ブロック (/46) が割り当てられていること
  • IPv6 を使用したいインターフェイス (今回は outside) のサブネットに IPv6 の CIDR ブロック (/64) が割り当てられていること
  • (オプション) IPv6 アドレス (/64) が割り当てられたサブネットのルートテーブルでインターネットゲートウェイへのルートが設定されていること
  • IPv6 を使用したいインターフェイスに IPv6 アドレスが割り当てられていること
  • Amazon VPC の IPv6 の使用開始 - Amazon Virtual Private Cloud

Cisco ASAv インスタンスへ ASDM から接続できるようにする方法については、以下をご覧ください。 EC2に起動したCisco ASAvインスタンスをASDMから操作する | Developers.IO

やってみる

早速やってみましょう。ASDM を起動して ASAv へ接続したら、Configuration > Device Setup > Interface Settings > Interfaces を開きます。続いて IPv6 を使用したいインターフェイスを選択して、Editボタンを押しましょう。

Edit Interfaceが表示されたら、IPv6タブで以下の3箇所を設定します。Enable IPv6 を選択する必要はありません。

  • Enable address autoconfiguration: default trust dhcp (IPv6 アドレスの自動設定を有効にし、ルータが提供する DHCP サービスのみ信頼します)
  • Enable DHCP (インターフェイスの DHCP クライアントを有効にします)
  • Enable Default (DHCP による IPv6 デフォルトルートの自動設定を有効にします)

注意: Amazon VPC では、IPv6 を使用したいインターフェイスで DHCPv6 を有効にする必要があります。Router Advertisements (RA) による Stateless Address Autoconfiguration (SLAAC) は使用できませんから注意してください! IPv6 への移行 - Amazon Virtual Private Cloud

設定を確かめたら、OK > Apply の順に選択して適用しましょう。以上の操作で、runnning-config には以下のような設定が加わります。

interface GigabitEthernet0/0
 nameif outside
 security-level 0
 ip address 100.95.0.36 255.255.255.0 
 ipv6 address autoconfig default trust dhcp
 ipv6 address dhcp default

正しい IPv6 アドレスが設定されたかどうか確かめるには、Tools > Command Line Interface... からshow ipv6 interfaceを実行しましょう。

ASAv から外部の IPv6 ホストへ到達できるかどうか確かめるには、Tools > Ping... を使用します。

外部から ASAv へ IPv6 で到達できることを確かめるため、ENI のセキュリティグループで ICMP を許可して PING を送ってみます。

$ ping6 -c 5 2a05:d018:6ba:7993:6131:380a:ba50:2d84
PING6(56=40+8+8 bytes) 2001:db8:ff7:5699:1cf4:3d06:252:efc9 --> 2a05:d018:6ba:7993:6131:380a:ba50:2d84
16 bytes from 2a05:d018:6ba:7993:6131:380a:ba50:2d84, icmp_seq=0 hlim=47 time=55.653 ms
16 bytes from 2a05:d018:6ba:7993:6131:380a:ba50:2d84, icmp_seq=1 hlim=47 time=53.976 ms
16 bytes from 2a05:d018:6ba:7993:6131:380a:ba50:2d84, icmp_seq=2 hlim=47 time=54.478 ms
16 bytes from 2a05:d018:6ba:7993:6131:380a:ba50:2d84, icmp_seq=3 hlim=47 time=54.832 ms
16 bytes from 2a05:d018:6ba:7993:6131:380a:ba50:2d84, icmp_seq=4 hlim=47 time=57.197 ms

--- 2a05:d018:6ba:7993:6131:380a:ba50:2d84 ping6 statistics ---
5 packets transmitted, 5 packets received, 0.0% packet loss
round-trip min/avg/max/std-dev = 53.976/55.227/57.197/1.126 ms

きちんと到達できていますね!

おわりに

いかがでしたか? 今回は、VPC 上の ASAv で IPv6 を使用できるようにする方法についてご紹介しました。次回は、AnyConnect で IPv6 を提供する方法についてもご紹介したいと思います。

したっけまた!

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