(レポート) AWS Cloud Roadshow 2016 仙台: 「【パネルセッション】 地場企業の導入事例に学ぶ、AWS 導入の勘所」 #AWSRoadshow

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はじめに

本記事は、2016年7月29日(金)に開催されたAWS Cloud Roadshow 2016 仙台の4つめのセッション「【パネルセッション】 地場企業の導入事例に学ぶ、AWS 導入の勘所」」のレポート記事です。

モデレーターはアマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 テリトリーディベロップメントマネージャー 越野 昌平氏。ゲストスピーカーは株式会社 会津ラボ 代表取締役 久田 雅之氏、データコム株式会社 研究開発部 部長 地主 雅信氏、株式会社サードウェーブソリューションズ 取締役 今泉 孝氏。

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レポート

はじめに

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(越野氏)AWSはすでに東京以外の地方でも数多く使われており、東北でも仙台市様や民間企業様で多数事例がある。

スピーカー:会津ラボ様

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(久田氏)会津ラボではIoT向けプラットフォームとしてAWSを利用している。会津ラボはアプリ・システム開発とは別に、会津大学の公式認定ベンチャーとして研究開発を行っている。

(久田氏)ここ2年投資を続けているのがエネルギー分野。スマートメーターをコンセントレベルで見れるようにハードウェアを作って、そのデータをAWSに送っている。またスマートメーターに温湿度センサを搭載しており、環境データも合わせて取得可能。当初構築したシステムは25メーター程度で様々な箇所で遅延が多発し、まともに動かなかった。これでは全国でのビジネスには使えない。会津ラボにはインフラエンジニアが1人もいなく、アプリケーションエンジニアばかり。アプリケーションエンジニアにも運用保守できるインフラが必要だった。

(久田氏)そこでAWSをインフラに採用。データをKinesisで受けてLambdaで処理しRDSにデータを投入。スマートフォンへコンテンツ提供するシステムはElastic Beanstalkによって構築。AWSのフルマネージドサービスにインフラをお任せしてアプリケーション開発に注力できるのが大きなメリット。

(久田氏)更に収集したデータを保存するために、LambdaからS3にデータを格納。古いデータはGlacierに退避。分析用のDBはAuroraを採用。この構成変更は1ヶ月もあれば出来る。

(久田氏)福島県の会社として、エネルギー施策に力を入れている。県や市の施策として省エネが推進されており、もっと大規模な地域で実証実験おする予定。消費電力の見える化からスマートグリッド基盤の構築まで繋げていきたい。

(久田氏)AWSを利用する上で気になるのがコストだと思う。以前だと自治体のシステムを海外のクラウドベンダで構築することに難色を示す人がいた。今は福島の自治体でもクラウド利用が推進されている。スケールするビジネスでAWSを採用するのはとてもメリットが多い。

(久田氏)AWSを活用する利点。インフラエンジニアがいなくても止まらないシステムが構築できる。バックアップも簡単。アプリケーションの開発に集中できる。最新の機能、サービスをすぐに使える。課題はAWSを活用するエンジニアの育成、新規に追加するサービスに対する適応。

(越野氏)AWSは新規事業のインフラとして最適。小さくスタートできるし、少人数で運用可能。世界中にリージョンがあるので世界展開もできる。多数のベンチャー企業で採用頂いている。 (久田氏)ガーデニング向けの新しいIoTサービスもAWSを採用する。

スピーカー:株式会社サードウェーブソリューションズ様

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(今泉氏)サードウェーブはドスパラや上海問屋などを展開しているグループ会社。サードウェーブソリューションズはそのグループの中にあるSI会社。本社が山形県米沢市。

(今泉氏)A社様からWindows Server 2003のサポート切れに伴う切り替えの提案依頼があった。NAS用途のサーバがあちこちにあり、情報部門がないため部門ごとに勝手に構築されている状態。サーバの統合や見直しをすることとなった。現状調査したところ、全く管理されておらず個人が管理しているサーバが多数存在。データの保存場所も一元化されておらず、データがPCにあるのかサーバにあるのかも把握できていない。サーバ統合と内部統制を提案した。

(今泉氏)保管文書の洗い出しを実施。必要な文書は50%、残りは下書きや不要な文書。統合されたNASサーバとActive Directoryによってしっかりと文書を管理することを提案。そのインフラにAWSを採用。初期投資がなく、スケール可能なこと、バックアップが容易であることが選択の理由。バックアップはSnapshotとGlacierを活用。

(今泉氏)これまでNASにデータを保存していただけで文書が管理されていなかった。内部統制には文書管理システムが必須という結論に。ISOデータやg術文書はワークフローが必要。文書のライフサイクルまできちんと管理したい。そこでパッケージソリューションとして開発し提案。

(今泉氏)AWSを使うことで統合NASサーバを想起に立ち上げることができた。ストレージを調達することなく簡単にスケールができる。お客様からも高い評価を頂いた。

(越野氏)AWSをシステム基盤として新しいインテグレーションが生まれる事例が多く増えている。AWSへの全面移行も増えてきた。AWSを使うことでセキュリティレベルも向上する。

スピーカー:データコム株式会社様

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(地主様)データコムのクラウドジャーニーについて、3つの事例でご紹介したい。

(地主様)クラウドを利用始めた初期の頃は、オンプレ上の既存システムをクラウドへ行こう。ほとんどEC2ばかり使っていた。オンプレと比べて拡張性が高く、管理が簡単なことが採用理由。コスト比較は難しかったが開発サーバやステージングサーバ、バックアップサーバなどを含めて総合的にコスト削減になると判断。発注情報をクラウド上に保存して共有。このサーバは2012年に立ち上げた

(地主様)クラウド利用の拡大期。既存オンプレの構成を踏襲しつつ、クラウドのメリットであるスケールが可能なようにシステム構築するように。VPCとDirect Connectによりセキュリティを確保、各フルマネージドサービスの安定したレスポンスを提供。タブレット端末から登録される発注情報をクラウドで管理、発注締め時間に集中する負荷をさばく必要あり。EC2とRDSを冗長構成にして分散、夜間処理時だけEC2のスペックをあげて対応。

(地主様)最近。Lambdaなどクラウドならではのサービスを活用してサーバーレス構成を検討。複雑化する要件に対しクラウド利用が最適。今後更に高い耐障害性が求められる。サーバーレスにより開発運用の効率アップ、利用コストも削減。

(地主様)従来のオンプレシステムをクラウド化するだけでもメリットが大きい。クラウドの特徴を活かすことで柔軟で拡張性の高いシステムを作ることができる。