[レポート] AWS を使った動画配信入門 #AWSSummit
5/30 から 6/1 まで、東京・品川で開催されております AWS Summit Tokyo 2018。こちらで講演されたセッション「AWS を使った動画配信入門」を聴講しましたのでレポートします。
今回のAWS Summitでは全セッションにて撮影が禁止されておりました。資料は後ほど公開されるとのことでしたが、いまのところは文字だけのご報告となります。
概要
昨今、動画配信の需要が増えてきているなかで、配信基盤としてのクラウドの活用は重要な選択肢となってきています。本セッションでは、動画配信の基本知識 やトレンドから、AWS を使って、信頼性の高い、ブロードキャスト品質の動画ワークフローをクラウド上で簡単に構築できるフルマネージドの AWS メディアサービスおよび、AWS で動画配信基盤を構築する際のアーキテクチャについてご紹介します。
スピーカ
- 石井 悠太
- アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 技術統括本部 ソリューションアーキテクト
- Media&Entertainment
- Media / mobile
※敬称略
レポート
本日のゴール
- 動画配信の基本的なトレンド
- なぜクラウドを活用するのか
- AWSのメディア関連サービス
- 動画配信アーティテクチャ例
動画配信 基本のキ
- 動画配信
- コンテンツプロバイダの持つコンテンツを
- 配信ネットワークを使って
- 視聴者のデバイスに
- 配信すること
- 配信の種類
- オンデマンド配信(VOD - Video On-Demand)
- 収録済みの動画を見たいときに自由に視聴するための配信方法
- ライブ配信
- コンサート、スポーツ中継
- (ほぼ)リアルタイム
- ある程度の遅延は許容
- リアルタイム(双方向)配信
- リアルタイム、インタラクティブ
- 遅延が一切許容できない
- オンデマンド配信(VOD - Video On-Demand)
- 動画配信技術
- 専用プロトコル
- RTMP、MMS・RTSP
- コンテンツ保護、遅延が少ない
- 専用プレイヤーが必要
- HTTPダウンロード
- ブラウザ/標準プレーヤーで再生可能
- VODのみ、コンテンツ保護が△
- HTTPストリーミング
- HDS, HLS, MPEG-DASH
- ブラウザ/標準プレイヤー、Liveにも対応
- 標準化は現在進行形
- 専用プロトコル
- HTTPストリーミング
- 以下の二つのファイルで構成
- メディアコンテナファイル = 短い秒数に分割された動画ファイル
- マニフェストファイル = コンテナファイルのURIのリスト
- プレイヤーはまずマニフェストファイルを要求、記載してあるコンテナファイルを順次要求していく
- Liveのばあいはマニフェストファイルも定期的にリクエストする
- 以下の二つのファイルで構成
- トレンド
- 視聴環境の多様化(端末、NW回線)
- Multi Bitrate / Adaptive Bitrate
- ビットレートの異なるコンテンツを予め用意 or 動的生成
- 各プラットフォームのサポート状況
- OSネイティブサポートの配信方式の利用が増えている
- HLS、MPEG-DASH
- これらを標準化が進んでいる
- HTML5 MSE
- HLSでもfMP4 (Fragmented MP4) も対応していく
- HEVCはfMP4のみ
- コンテナ CMAFへの期待の高まり
なぜAWSを利用すべきなのか
- 課題
- マルチデバイス・マルチビットレート
- 初期投資
- マルチスパイク体制、耐障害性
- マルチデバイス・マルチビットレート
- 必要なストレージが増える
- 配信サーバやネットワーク帯域も増える
- 変換時にだけ必要なリソース
- >クライドが解決(必要なときに必要なだけ低価格で
- 初期投資の必要性・余剰設備を抱えるリスク
- サービスの成功・失敗
- 配信技術の今後の変遷
- >予測・見積もりに固執せずに変化に強くなればいい
- >従量課金で柔軟に、スモールスタート&成長に合わせてスケール
- >マネージドインフラによる運用コスト削減
- スパイクアクセス体制・耐障害性
- ライブ配信の場合、開始と同時に一斉にアクセス
- 十分な帯域のNWおよび各所の耐障害性が必要
- >100カ所以上の配信エッジ(CloudFront)
- >Design for Failure、マネージドサービス
課題解決+
- 豊富なサービス群
- 95%以上はお客様からの要望に基づいて開発
- 豊富な事例
- NETFLIX、hulu ...
- 豊富なパートナー・ソリューション
AWSを利用した動画配信基盤の構築例
オンデマンド配信
- ストレージ(素材ファイル)= S3
- イベント処理
- ワークフロー管理 = Lambda, Step Function
- トランスコーダ(ファイルベーストランスコード = Elemental MediaConvert
- その他(QC) = Lambda、パートナー製品 EC2
- VOD配信 = S3
- 配信経路 = CloudFront レスポンスの向上やオリジンの負荷軽減
- 要素の説明
- S3 = 高可用性、耐久性、スケーラブルで安定
- Lambda = 実行したいコードを用意するだけ、イベントをトリガ
- Step Function = 分散アプリケーションとマイクロサービスの構築、視覚的なワークフロー
- Elemental MediaConvert プロ品質、スケーラブル、堅牢、高パフォーマンス
- EC2 = 多様なスペック、従量課金
- 具体的な変換フロー
- 素材ファイル用S3バケット ←素材ファイル
- 変換ジョブ登録用Lambda
- ↓イベント通知
- MediaConvert
- ↓ジョブ登録
- VOD用S3バケット
ライブ配信
- ソース:ライブチャネル(コンサート会場
- 処理:ライブエンコーダ
- MediaLive プロ品質のライブストリーミングエンコーディング 初期費用一切不要 冗長化・監視組み込み済み
- ライブ配信元
- MediaPackage HLSインプット → HLS、MPEG-DASH、MSS
- 配信経路
- CloudFront
まとめ
- AWSは動画配信サービスの提供基盤に最適
- 主な課題を解決
- プロ品質、フルマネージド
- アーキテクチャのご相談はお気軽に
その他
- AWS BlackBelt Online セミナー
- 動画配信 on AWS
- 機械学習を活用した動画コンテンツ価値の向上 > この後すぐ
まとめ
AWSを使って動画配信を行う際のチュートリアル的なセッションでしたが、動画配信の最新トレンドを押さえることができて非常に有益でした。